日本人の健康寿命と平均寿命は延びてきている
単なる寿命ではなく、健康的に過ごせる寿命としてWHOが2000年に提唱した概念として「健康寿命」があります。従前よく使われた平均寿命と比較すると、おおよそ10年の開きがあります。
ズバリ、70歳すぎまでが平均健康寿命で、80歳すぎが平均寿命です。
つまり、晩年の10年は日常生活に何らかの支障が出るような、いわゆる闘病生活を送る可能性があるということですね。あくまで平均ですので、もちろんその限りではありません。しかし、何事も平均というのは知っておきたいところです。
そう考えると、昨今よく議論される70歳定年、あるいは70歳年金支給などは興味深い話です。要は、健康的に動ける時間のほとんどの時間を勤労に費やす、捧げていくということになります。
その仕事が自分に合っていれば充実した人生となりますが、そうでない場合はのちのち後悔することになりかねません。
さて、今日は健康年齢を踏まえた投資の方向性ということで、ご質問を頂戴しています。
日本人の健康寿命を踏まえた投資の方向性
34才で転職して外資系企業の営業に就き、給与は全てインセンティブの世界で頑張ってきました。56才で退職して今は同社の代理店をしています。現在64才、妻、子一人。もうかなり疲れてきています。
家は一戸建て(ローン無し)、金融資産は約5億円あります。そのうち円建ての投資信託で6,000万円預けて5年で約2倍になりました。別に多くの株式投資の本を読み、個人で日本株式で15年ほど運用してきました。
財務内容、業績を厳選して小型〜大型株を手がけてきましたが、ある程度株価が上がると、相場の波や利益確定に合い6,000万円が1/3になってしまいました。国内外の機関投資家を相手にして戦っているのか一向にうまくいきません。
勉強すればうまくいくはずと思っていましたが、日本特有の原因からか、結局損切りの山を作っただけでした。
たぱぞうさんの本を読み、ブログを拝見してやっぱり米国のETFが一番と気付かされました。バンガードのETF(VGT)に一度に数千万円投資しようと考えているのですがいかがでしょうか。アドバイスよろしくお願いします。
目的は47才で大病をしたので、早く大きな資産を築いて病気、ケガ等で生活に困窮している人たちに少しでも貢献したいからです。
64才ともなると友人、知人、親類のなかでガンやさまざまな疾病を抱えているものや既に死亡しているものも多く、私自身17年前の脳出血で右半身に障害があり、痛みと付き合いながら3カ所、妻も他の疾病で2カ所の医療機関に通院加療中です。
マスコミは人生100年と言っていますが実際男性の健康年齢は70過ぎ、女性は70代後半です。まして痴呆は80才の25%、90才では90%です。(こちらはほとんどが女性です。)男性は平均80才ではほとんど他界しています。
はっきり言ってもう残された時間は長くはありません。父も64才で亡くなっています。少しでも早く大きな資産を築くにはVGTが一番パフォーマンスが良く、今後もそうであると考えています。
よってコアで運用しようと思っています。
ご意見、アドバイス等ありましたらよろしくお願いします。
平均寿命と健康寿命を意識したお金の使い方をしていく
私は40代ですが、30代の時と比べて意識を大きく変えています。それは、貯蓄や投資一辺倒ではなく、相応に使っていくという意識です。やはり、健康寿命を意識しています。
個人投資家としてロナルド・リード氏は良く知られています。氏は、ガソリンスタンドで給油係をする一方で株式投資をし、およそ10億の資産を死後に地元の図書館などに寄付しました。最後まで倹約と投資に励み、最後に寄付をするという潔さは世界中の話題になりましたね。
一方で私も倹約は好きですが、生涯にわたって倹約ばかりで過ごすつもりもありません。そのため、趣味や旅行、生活にそれなりに使っています。
質問者さんは、ご病気をなさったにも関わらず5億円の資産を築き、病気、ケガ等で生活に困窮している人たちに貢献されたいということですね。志が大きく、私も考えさせられました。
個人の資産運用であれば、相続を意識した減らさない運用を心がけるところです。しかし、そのような思いがあるならば、止めることは私にはできないですね。S&P500のほうがリスク分散という意味でよいと思いますが、あえてリスクを取って加速させたいということですね。
いずれにしても自らの資産、自らの一生にどのように幕引きをしていくのか。それはほかでもない自分自身が決めていくことですね。あとはメールをした通りですが、私自身、生き方を考えることとなりました。ありがとうございます。
ともに悔いのない毎日を積み重ねていきましょう。
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こういった「どのように生きる」ということを話し合えるのも仲間の良さかもしれません。
資産運用にもゴールがあるのかもしれませんね。