ワンタップバイという手軽な株売買アプリ
ワンタップバイという手軽な株売買アプリがあります。スマホで手軽に米国株と日本株が買えるということで、今まで株式投資をしてこなかった層にもアピールするアプリです。
特に米国株というととかく難しく考えられがちですが、ロボアドバイザーのウェルスナビやテオを皮切りに、どんどん買いやすく、使いやすくなってきている印象です。今回はそのワンタップバイに関してご質問をいただきました。そこで、メリットデメリットについて考えてみました。
ワンタップバイのメリット
- 1000円から買える
- 3タップだけで買える
- 24時間売買できる
- 手数料が安い(0.5%)
- 銘柄が絞られている
- 積立投資ができる
ざっとメリットは以上のようになります。以下、順を追って説明します。
1000円から買える
ワンタップバイは、単元株で買いません。下図にあるように、端株という形で保有するので1000円から投資が可能になっています。
代表的な米国株の1つであるAmazonでしたら現在1株1000ドルを超えています。つまり、普通ならば10万円以上必要になるわけですが、ワンタップバイの買い方ならば1000円から始められます。
3タップだけで買える
シンプルに3タップだけで買うことができます。これは、銘柄を絞っているからできることですね。消費者によく知られた、初心者が買いやすい株に絞っているのはこういう意味があるのですね。
日本株の場合はETFも買えます。私はETFのほうが資産形成上は初心者向きだと思っていましたが、こうやって個別の優良株に絞ったおすすめの仕方もアリ、分かりやすいなと思いました。
24時間売買できる
ワンタップバイが買い付けた株をユーザーが端株として保有しますので、市場の空いている時間に関わらず売買ができます。つまり、24時間売買ができるということです。米国株市場の開いている、開いていないにかかわらず売買できます。
手数料が安い
売買手数料は0.5%です。1000円投資をしたら、5円かかります。これは、業界最安のSBI証券やマネックス証券の水準とほぼ同じです。
米国株投資は今まで大手3社での取引が基本でした。しかし、これだけ少額で簡単に買えるとなると、すそ野は一気に広がるかもしれませんね。私は自分の子どもに取り組ませてみようかと本気で思い始めています。
最低額が5円というのは端株売買ならではの強みでしょう。
銘柄が絞られている
株式初心者が最初に迷うのが銘柄選びだと思います。ワンタップバイの場合は、消費者に近い、有名な企業に絞っています。そのため、比較的迷わず投資先を選べるようになっています。
銘柄名 | ティッカー | 業種 |
---|---|---|
アマゾンドットコム | AMZN | オンライン販売会社 |
アップル | AAPL | パソコンメーカー |
アルファベット | GOOGL(classA) | サーチエンジン「Google」・プロバイダー |
ボーイング | BA | 航空機メーカー |
キャタピラー | CAT | 重機メーカー |
シスコシステムズ | CSCO | データネットワーク製品メーカー |
コーチ | COH | 総合ファッション企業 |
コカコーラ | KO | 清涼飲料メーカー |
コストコ | COST | 会員制倉庫型店舗 |
ウォルトディズニー | DIS | エンターテインメント会社 |
エクソンモービル | XOM | 石油化学メーカー |
フェイスブック | FB | ソーシャルネットワーク・ウェブサイト運営会社 |
ギャップ | GPS | 衣料小売専門会社 |
GE | GE | 技術・メディア・金融サービス会社 |
ゼネラル・モーターズ | GM | 自動車メーカー |
エイチピー・インク | HPQ | コンピューターメーカー |
IBM | IBM | ビジネス用途のコンピュータ関連の製品およびサービスを提供 |
インテル | INTC | 半導体メーカー |
モンデリーズ | MDLZ | 飲食料品会社 |
マクドナルド | MCD | ファーストフードチェーン |
マイクロソフト | MSFT | ソフトウエアメーカー |
ナイキ | NKE | スポーツ用品会社 |
P&G | PG | 家庭用化学品メーカー |
ファイザー | PFE | 医薬品会社 |
スターバックス | SBUX | 自社ブランドコーヒーの小売販売会社 |
タイムワーナー | TWX | メディア・エンターテインメント会社 |
ツイッター | TWTR | ミニブログサービス |
ビザ | V | 国際決済サービス |
ゼロックス | XRX | オフィス機器メーカー |
現在これらの企業を買い付けることができます。いずれも普通に買おうとするならば、1000円はもちろん1万円でも不可能です。しかし、ワンタップバイの端株という考えならば、すぐにでも買えるということですね。
また、ETFも購入できます。
- SPDR S&P 500 ETF(SPY)
- DIREXION S&P500 3X(SPXL)
- DIREXION S&P500 -3X(SPXS)
この3種類です。この中でおすすめは1のSPDR S&P 500 ETF(SPY)です。これは、S&P500という米国を代表する企業を500企業集めた指数で、パフォーマンスに優れています。バフェットもこの指数ETFの購入を家族に勧めています。
また、このSPYは世界で最も安定的な成長の見込まれるETFの1つであり、多くの機関投資家も使っています。世界最大の運用総額であり、その額は30兆円を超えます。米国の経済成長に合わせ伸びていく指数とも言えます。
2のDIREXION S&P500 3X(SPXL)はこのS&P500の値上がり時に3倍の値動きをするETFです。
3のDIREXION S&P500 -3X(SPXS)はこのS&P500の値下がり時に3倍の値動きをするETFです。
2,3はレバレッジをかけていますので、より大きく値動きを感じたい人や、相場上級者向けですね。
積立ができる
積立にも対応しています。毎月1000円ずつAmazonに投資をしよう、ということが可能なわけです。個別株への積み立てというのはちょっと記憶にありません。面白い試みですね。
まず、初心者にも買いやすいということが第一ですね。スマホ専業証券というだけあり、少ない手間で簡単に買うことができます。口座数はすでに10000口座を突破したそうですが、そのうち70%が投資経験が無いということです。
ワンタップバイでは銘柄を30銘柄程度に絞っています。銘柄数が多くて分かりにくいという人にとっては、ワンタップバイのように絞った銘柄を選んで買うというのもアリなのでしょうね。
ワンタップバイのデメリット
デメリットは、ヘビーユーザーになると逆に投資先が絞られて困るということですね。まあ、ターゲット層にヘビーユーザーは入っていないのでしょう。
株式投資の敷居の高さは初期投資額の大きさというのが1つですから、それを解消するサービスとしては非常によく考えられていると思います。
ウォーレン・バフェット氏は11歳から株式投資を始めたと言います。すでに株歴75年です。誰も勝てません。株式は経験が必要ですから、早く始めるに越したことはないと思っています。
実践金融教育としてはこれ以上分かりやすい、しかも投資額が限られて管理もしやすいツールは無いですね。とにかく1つひとつの発想が新しい。既存の証券会社の発想にとらわれないところ、非常に応援したくなります。
株歴が長いと、買い付けや銘柄選びが当然のルーティンになるので、初心者に寄り添った発想がなかなか生まれなくなります。自分に欠けていた視点がいくつも盛り込まれていると思いました。
ということで、長くなりましたが今回のご質問を紹介します。
ワンタップバイから株式取引を始めてみるのはあり?
たぱぞう様
いつもブログを楽しく学びながら拝見させて頂いております。さて、現在ワンタップバイという証券会社が、少数ながらも少額で米国株を買えるサービスをやっています。
少額の積み立てを継続しどこかのタイミングで売却、その貯まった資金でsbi証券などで、買うことを考えてみているのですが、如何お考えでしょうか?
あるいは、普通にキャッシュとして貯めておいて、貯まった時点で普通に買う方が有利なのでしょうか。ご意見賜りたく、宜しくお願いします。
少額から株式投資を始めるのは大いにあり
私はまず始めてみるというのが大事だと思います。もちろん、少額でです。
仕事でもそうですが、私たちはとにかく何かを始める前に計画性を重んじて、ミスの無いように練り上げることに時間を割いてしまいがちです。そして並行して合意形成の会議をやたらと積み上げます。
しかし、やりながら考える、その場で修正していく、というスピード感がこれからはさらに必要になると思っています。世界中の誰もがそんなに丁寧に計画を練り上げていないからです。ノロノロしていたら勝てません。
私は生産性向上の大切な要素にスピードがあると思っています。
株式投資も似たところがあります。やはり実践に勝る計画はないのです。幸いにして1000円からワンタップバイはできてしまうわけですから、早速やってみるとよいと思います。
証券会社で投資をしようと思うならば、おっしゃるようにまとまった金額が必要です。理想は100万円、最低20万ぐらいでしょうか。いずれにせよ、まとまった金額を貯めて、いざ投資をしたら経験が浅くて痛い目を見る。
こんな切ない話はありません。
それならば、ワンタップバイのような少額投資を始めておいて、同時に貯蓄をしていくというのが理想だと思います。株式投資の実戦経験を積むのに最適なツールだと思いました。ご質問ありがとうございました。
関連記事です
同じように、手軽に投資が楽しめるツールとしてはロボアドバイザーがあります。投資額は大きくなりますが、リバランスも含めて最適なETFを組んでくれます。
ロボアドバイザーの比較をする基準についての記事です。前提はやはり米国株投資ができるかどうかというところに尽きると思います。
ワンタップバイではETFも買えます。個別株が難しく感じるならば、ワンタップバイで買えるSPYから入るというのも手ですね。