リーマンショックから10年が過ぎた
2018年9月でリーマンショックから10年が過ぎました。あまり自分の資産を記録していないのでうろ覚えですが、リーマンショックの頃の自分の資産は1000万ちょっとだったと思います。
毎年2回ほど海外旅行へ行き、冬はしょっちゅうスノーボードをし、子どもが保育園へ通い始め、そして当時の奥さんも最初の大手術、退院というころでした。もともと体力には自信がありましたが、充実はしていましたね。
仕事もようやく脂が乗り始め、毎月数万単位で専門書を買い、読み漁っていました。知らないことが多く、読めば読むほど力がつく実感が面白かったのです。しかし、今はそのペースでの読書というのはありません。
私の知識欲というのは、ある程度満たされるとしぼむのですね。違う分野、知らない分野の知見を求めるようになります。これが1流と2流の境目だと実感しています。私は2流なのです。
いずれにせよ、今仕事で忙しく、出費も多く、資産運用がままならない人もいるでしょう。しかし、かつての私がそうだったように、続けていればそれだけで積もっていくものです。あきらめないこと、続けることに価値があると実感しています。
リーマンショック前夜を思い出してみる
当時、全く投資を知らなかった母が突然投資を始め、アグレッシブなモメンタム投資で私の運用成績を瞬間で上回っていました。その後の信用収縮に伴う惨状は言うまでもありません。
思えば、誰もが投資に興味を持ち、そして重い腰を上げたのが2005年ごろではなかったかと思います。その後、ジェイコム誤発注事件があり、かつてのエッジ、ライブドア株に関係したマネックスショックがあり、リーマンショックへと続きます。
思えば、独特の高揚感、長く続いた不景気からの解放感がありました。しかし、リーマンショックはそれらの事件のインパクトを当然ながら上回るものでした。
昔を知る投資家の何割かがどうしてもディフェンシブに偏りがちなのは、こうした体験の積み重ねであると言ってよいでしょう。高揚した空気、誰もが参加している風潮、こうしたものに対してぼんやりとした危機感を本能的に持つのですね。
そういう危機感を持っている投資家が経済危機を乗り越え、多く生き残ってきたとも言えます。さて、ここでご質問を紹介します。
リーマンショックのような大暴落がきたらどうするのですか。
以前1度質問させてもらいました、ほそです。その節はありがとうございます。初心者な質問で申し訳ありませんが、ご回答頂けると幸いです。
大暴落が来た時の投資行動について。当方積立NISAなどで楽天VTIをメインに積立投資しております。
大暴落が来た時にも楽天VTIを余剰資金でガンガン買い増そうと思うのですが、やはり暴落時は個別株や米ETFのがよいのでしょうか。
たぱぞう様は大暴落がきたらどのような投資行動をとりますか?宜しくお願いいたします。
リーマンショック級の大暴落はしばらく来ないとは思いますが
リーマンショック級の大暴落はしばらく来ないとは思います。理由は、非常に単純で、あの当時のような金融機関の野放図な融資というのが無いからです。日本もそうですが、米国もドッドフランク法などで過剰融資、不可思議な証券化が規制されていますね。中国は一時期騒がれましたが、中央政府の干渉力が圧倒的に違いますので対応も迅速でしょう。
やや楽観にすぎるかもしれませんが、そう考えています。しかし、大暴落に備えるということでいくつか記しておきます。
- 金融株を買う
- 資産を分散しておく
- キャッシュフローをしっかり作っておく
シンプルですが、こういうことです。
金融関連株を買う
金融関連株を買うというのは人によっては失笑ものかもしれません。ボラティリティが高まる金融関連株を買うのはリスクが大きいからです。ただ、2003年の日本の金融危機時、2011年ごろのギリシアショックで、私は金融株を買って資産を増やした経験があります。それに倣うということです。
今はその当時とスケールが違いますので王道の銀行株などには手を出せないでしょう。買いたいと思っているのは、比較的ワイドモートな、それでいて連れ安するような銘柄です。
- ブラックロック【BLK】
- パッシブの【MSCI】【SPGI】
- 先物で独占的な【CME】
- カードの【V】【MA】(ハイテク要素が強いですが)
この辺りは注目していたいと思っています。信用情報関係を扱う会社、前にご紹介したエキファックスも面白いでしょうね。ただし、これらは多分に値動きが激しくなりますから、初心者は手出し無用になると思われます。
暴落の時というのは、ナンピン買いが続きます。資金が尽きたらそこで手が打てなくなります。文章では簡単に書けますが、意外に難しいです。底が事前にわかるわけではないからです。
模範解答も示しておくと、やはり今積み立てている商品を変わらず積み立てるというのが精神的には最も優れた方法でしょう。淡々とVTIやS&P500連動商品を買うということです。あえてリセッション時に金融関連株を買うのはやんちゃな投資です。
資産を分散しておく
もう一つはオーソドックスですが、資産を分散しておくことです。最もわかりやすいのは債券です。場合によってはインカム要素の強い不動産、あるいは固定で買取価格の決まっている太陽光、こういった株式以外の資産を持っておくとよいです。
広い意味では現金も含まれるでしょう。機関の投げ売りが出るようなときに、株や不動産を買いたいと思っても、フルインベストだと身動きが取れません。
私はリーマンショック時には資金を引き揚げ、しばらく社債や不動産会社が物件を債券化した商品などをコツコツ買っていました。今思えば、あえてリスクを取りに行っても良かったですね。今ほどの投資の知識がなかったので、効率の悪いことをしていたという反省があります。ただし、大きく減らなかっただけで良しとしなくてはいけませんね。
投資に「タラレバ」は付き物ですが、未練というのは次へのステップになる可能性があります。切り替えは大事ですが、同じぐらいに経験から学ぶ教訓も価値があるということです。
キャッシュフローをしっかり作っておく
理想は給与もしくは+αでキャッシュフローをしっかり作っておくことです。そうすれば、暴落時に追加入金できます。このキャッシュフローも給与以外に分散できていると理想です。
- ブログ&広告収入
- レポート納品
- 講演
- 配当収入
- 不動産収入
- 太陽光収入
あくまで例ですが、いろいろありますね。ただし、これらは不景気になると減る可能性もあります。ブログや広告収入は真っ先に減るでしょう。広告というのはそういうものだからです。また、最近は競争が激しく、労力に見合った収入を得られている人はわずかです。
※サラリーマンショック。
夢を見すぎることなく現実的な範囲で作っていくということです。投資と一緒で何か一つに依存しないキャッシュフローを作っておくのですね。こうしたことを積み重ねていけば、リセッション時でも乗り越えることができると信じています。
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ボラティリティが高いときにはレバレッジはすさまじいうねりになります。白黒はっきりした展開になるでしょう。
2018年2月は久しぶりの調整らしい調整でした。
こちらはレバレッジをかけたCFDの記事ですね。良くも悪くも大きく動くということです。