ジュニアNISAと定着したVTI投資
ジュニアNISAは以下のような縛りがありました。
- 子どもが18歳になるまで払い出しができない。
- 1年80万円、5年まで。
- つまり子ども1人400万円積み立てられる。
このような縛りです。
18歳まで80万円積立続けられるわけではない、5年間のみ可能というところに注意が必要だったのですが、23年の廃止に伴い、払い出しの縛りがなくなりました。
これにより、駆け込み需要が発生しています。とにもかくにも、制度設計というのは大事ですね。さて、そうしたことを踏まえてご質問を紹介します。
ジュニアNISAでは円建て投信VTIと米国市場VTIのどちらが最適か
たぱぞう様
はじめまして。
いつもブログを拝見させていただいております。たぱぞう様のブログに出会い、手探りながらも海外ETFの購入検討を始めている者です。
日本国内の投資信託・個別株での売買経験がありますが、コストや投資文化の面からアメリカETF(特にVTI)への投資を始めようと考えています。
そこで、もしよろしければアドバイス……というか、たぱぞう様ならどうお考えになるだろうか?と伺ってみたいことがあり、質問申し上げました。
ご回答はいただかなくても結構ですが、お手すきの際にブログなどでお考えをお聞かせいただけましたら幸いです。
VTIでの限度額80万円いっぱいを使い、VTI購入を考えています。
一方楽天全米インデックスやSBIV全米株式などの投資信託があります。
VTI→
- ジュニアNISAの年間限度額が80万円と少額で為替手数料や購入手数料負けしてしまうのではないか(※SBI証券はジュニアNISA買い付けで無料です)
- 少額のため月額でのドルコスト平均法の効果が得にくいのではないか
- 金額買い付けができないため、枠が余ってしまうのではないか
- 資金的には年の80万円を一括で購入することは可能です
楽天全米、SBIVシリーズ→
- 見た目のコストがやや高く、なおかつやや実質コストが不明確
- ジュニアNISAでの運用中に償還となる可能性も否定できない
という点が気になっています。
昨今では低コストなインデックスファンドや海外投資の環境がそろっていますが、投資信託の償還や国内ETFの上場廃止についても耳にします。
VTIは18年という間に廃止になどならないとは思いますが、投信に関しては…
18年という長期の投資(コストがマイナスの複利となる)、資金拘束がある点を考えると、どちらとも判断ができない状況です。
未来がどうなるのかは誰にもわかりませんが、ご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
ジュニアNISAへの取り組み方と姿勢
償還に関しては人気商品化しましたのでないでしょうね。評価が定まった感があります。
一方、学費に活用しようと考えた場合、難しいのは18歳になって払い出しするときにどのように価格変動しているか読み切らないところです。例えば、こういうケースもあり得ます。
- 極端な円高に見舞われている
- 極端な不況に見舞われている
こうなると、せっかく積み立てをしたのに思うようなリターンが得られないタイミングでキャッシュにしないといけないということです。
年限が比較的長いので、危険性は薄れていますが、例えば中学生の時点から積み立てる、となるとちょっと考えてしまいますね。期間が短いぶん、確実性が落ちるからです。
質問者様の場合は、お子さんが小さいということですから、様々なリスクは比較的低減されているのかとは思いますが、絶対ではありません。ですので、投資全般がそうであるように、リスクを頭に入れ、余裕資金で運用するのが望ましいです。
間違っても、ジュニアNISAの資金が半減したから大学進学ができなくなった、というような追い込み方はしないようにしたいものです。あくまで余裕資金での運用ということですね。
学費の原資と見込んでいるならば、ここはコンサバに判断して良いと思います。
おすすめは投資信託円建てVTIを直接買っていくということでしょう。やはり円建ては使いやすいですし、自動積み立ても仕組みが分かりやすいですからね。また、この数年で評価をゆるぎないものにした印象があります。
相場厳しき折ですが、初期から積み立てている人はプラスでしょう。これが積立投資の強みですね。おそらく、お子さんが進学される頃にはプラスでしょうが、断定的に書くのは避けておきますね。
ご質問ありがとうございました。
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