楽天・全米株式インデックス・ファンドの登場
楽天・全米株式インデックス・ファンドが楽天・バンガード・ファンドシリーズとしてリリースされました。リリースされて3年になります。改めて、その特徴をまとめるとともに、振り返ってみたいと思います。
まず、楽天・全米株式インデックス・ファンドはVTIを円貨で買えることを意味します。バンガードのVTIは信託報酬が最低水準の0.03%です。買付対象は米国市場ほとんどすべて、およそ4000株を対象にしています。つまり、米国経済を丸ごと買うようなものです。
これをそのまま投信にしたのが、楽天・全米株式インデックス・ファンドになります。信託報酬は0.157%です。北米一本に投資する投信・ETFは急速に充実、ここにきて大きく事情が変わり始めています。
楽天前米株式インデックスファンドの基準価額
基準価額は3年でおよそ30%増ですね。ざっくり年率10%です。ややできすぎ、年率4-5%を見込んで運用していけばよいでしょう。もちろん、その間は浮き沈みがありますから、冷静に積み立てていきたいですね。
楽天前米株式インデックスファンドの構成銘柄
GAFAMが強力なのは既知として、テスラが入っているのが注目されてよいところですね。ここがS&P500とVTIとの明らかな差異となって表れています。組み入れ比率は大きくはありませんが、ベンチマークの考え方の違いとして面白いですね。
楽天・全米株式インデックス・ファンドのベンチマークと仕組み
楽天・全米株式インデックス・ファンドのベンチマークはCRSP US トータル・マーケット・インデックスです。これに連動するバンガードの低コストETFであるVTIを買い付けていくことになります。
私たちが直接買うのはここでいうベビーファンドです。ベビーファンドは私たちのお金をマザーファンドに集約し、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を買い付けます。そして、VTIはベンチマークに沿って米国個別株を買います。
このような仕組みをファミリーファンド方式と言います。ファミリーファンド方式は、マザーファンドで資金を大きく管理することによる効率化を狙ったものです。具体的にはスケールメリットや売買するときのコストの削減が得られます。
似たような方式に、ファンドオブファンズがあります。これは、複数のマザーファンドを買い付ける、まさにファンドの集合体のようなものです。自社だけではなく、他社のファンドも買うというところが大きな違いになります。
楽天・全米株式インデックス・ファンドは為替ヘッジが無い
楽天・全米株式インデックス・ファンドは為替ヘッジがありません。為替ヘッジとは為替変動によるリスクを低減するものです。
ちょっとややこしいですが、先渡し取引つまり、決められた時点・価格・数量で商品を取引することをある時点で決めておく契約を結んでおくということです。つまり、将来的な為替を予約してリスクをヘッジするということです。
これは円高においては効果がありますが、反面外貨高での利益も得られないことになります。つまり、円安時に得られるメリットも消すことになります。また、為替ヘッジを持たせた商品は為替ヘッジ無し商品に比べてコスト高になります。
そういう意味では、ドル円との関係において為替ヘッジ商品というのは、個人的には特に必要を感じません。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドも同時にリリースされた
楽天・全世界株式インデックス・ファンドも同時にリリースされました。こちらはVTと同じベンチマークです。つまり、円貨で買えるVTということになります。新興国も加味した、全世界への投資を志向するならばこちらということになります。
なお、VTは日本人には非常に人気がありますが、ETFランキングではさほどではありません。北米一本のVTIやS&P500連動ETF、あるいはNasdaq100連動のQQQのほうが人気があります。
さて、ここでご質問を紹介します。
楽天・全米株式インデックス・ファンドとVTIはどちらが良いのか
初めまして30代の会社員です。いつもブログを楽しく読ませて頂いております。
現在、国内株に200万円程投資していますが、たぱぞうさんのブログに影響されまして今後は米国株への投資を検討しております。
たぱぞうさんがおススメされている、VTIへの投資を検討しているのですが、楽天証券でVTIをひたすら購入していく投信信託「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が2017年10月より販売されることを知りました。
VTIとどちらを買うべきか迷っています。
楽天・全米株式インデックス・ファンドについてたぱぞうさんのお考えをお聞かせ頂けないでしょうか。
【メリット】
①購入する際の手数料がゼロ
②円建てなので為替手数料もゼロ
→米国株投資をするならば、ドル建てで運用するべきでしょうか?
③少額(100円から)の購入が可能
【デメリット】
VTIに比べると信託報酬が高い(0.157%)
尚、私が投資に使える金額は毎月3~5万円程度しかありません。
宜しくお願い致します。
楽天・全米株式インデックス・ファンドは最適解の1つ
結論から言うと、どちらを買っても良いと思います。ただ、外国税額控除、自動積立などを考えると手間がかからないのは楽天・全米株式インデックス・ファンドでしょう。ほかに個別株などドルでの投資をしないならば、円建ての投資信託に軍配が上がります。
また、楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合はおっしゃるように信託報酬こそややVTIより高いです。しかし、分配金を出しませんので、そのまま国内分の税金を先送りする効果があります。
そうすると、この信託報酬の差というはほとんど気にならないレベルになります。eMaxis Slim米国株式と楽天・全米株式インデックス・ファンドというのは、弊ブログでも一押しの投資信託と言えます。
ちなみに楽天証券は、この楽天・全米株式インデックス・ファンドがiDeCoで積み立てられる証券会社です。ほかには、松井証券もありますね。ご質問ありがとうございました。
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