たぱぞうの米国株投資

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グロース株投資と高配当株投資をどのように考えていくか

グロース株投資と高配当株投資をどのように考えていくか

 米国株投資をするうえで、グロース株投資と高配当株投資のどちらがよいのでしょうか。ETFでいうと、以下のETFが代表的なものになります。

 

  • グロース株投資:QQQ、VGT
  • 高配当株投資:VYM、HDV、SPYD

 

 S&P500への投資は時価総額に基づいて投資額が異なります。そのため、現状ではややグロースに傾いた形になっています。

 

 今回は、グロース株と高配当株投資に関してのご質問を頂戴しています。

高配当株投資が気になりつつも、グロース株も無視できない

たぱぞう様
 いつも興味深い、そしてわかりやすい記事をありがとうございます。2018年10月ころから拝見し、いつしか日課になりました。


 さて、私は、都内で士業を営んでおり、たぱぞう様のブログに行き着いてから、米国株投資を開始しました。


 現在、VTI、VYM、BNDを中心とするETF投資をしています。ちょろちょろと勉強のために個別株を持って、2019年の銘柄の様子をうかがっておりました。概ね、株式で700万円弱(ETFだけで500万円程度)程度で、相場によることなくVTI、VYMあたりは定期買付をしていこうと思っています。

 

 家族は、私(36歳)、妻、子の3人で、二人目も将来ありうるかもしれません。世帯年収は、概ね2000万円程度で、特に3000万、3500万を目指したいという野望はありません。

 

 今回のご質問は、投資のスタイルといえばいいのでしょうか。戦略についてです。幸い、定年がない職業ですので、元気である限り、70歳、75歳まで仕事を続けることはできます。もっとも、そこまで精神を削って頑張るのも一度しかない人生どうかなという考えをもっています。

 

 もともと投資を始めたのは、厚生年金がないことから、将来の年金をと考えたことがきっかけでしたが、最近は、銘柄分析なんかも楽しくなってきましたので、投資を続ける余裕がある限りは、続けて、それなりの資産を形成できればと思っています。当面、毎年300万円から350万円程度を投資に回すことを考えています。

 

 たぱぞう様の過去のポートフォリオや著名ブロガーの方のそれを拝見すると高配当といった投資スタイルが実に魅力的で、月平均10万円などうらやましい限りと感じ、自分も個別株をいくつか(JNJやTなど)保有してみました。

 

 もちろん、株数が少ないので,配当はさほど大きくはないのですが、確かに配当があるとうれしいと思いましたが、よくよく確認すると、VTIと比較してあまりにトータルのリターン(額面というよりは、損益の率でみてみると)に開きがあるように感じています。それが当たり前なのは理解していますし、ある程度、その仕組みも理解しつつあります。またそういう年だったと言われればそうなのかもしれません。


 そうであるならば、自分としては、今、配当がほしいわけではありませんから、時代や相場の流れ、トレンドといいますか、そういうものに乗って、資産形成を加速化した上で、将来、本当に隠居するときに、そのときの高配当株に振り替えれば良いのかなと思っていますが、いかがでしょうか。なお、ある個別株やセクターが相場の流れに逆行して下落した場合は、損切りすれば良いと思っています。

 

 ひとまずは、VGTとかQQQとか、これに加えて少しだけ個別株をもつのはどうかなと思っています。何か、ご意見をいただけますとうれしく思います。

グロース株無しに米国株は語れなくなっている

 本質的なご質問をありがとうございます。もともと、成熟株中心の高配当株は市場平均に劣後するものです。また、だいたいにおいてアンダーバリューしがちなのですね。私が以前高配当株を持っていたのは以下の2点で気に入っていたからです。

  • 割安だった
  • 数年後のセミリタイアに向けて安定したインカムが欲しかった

 しかし、近年の債券高、公益株高に伴い、割安性は薄れています。特にこの公益株高は珍しい傾向です。

 

 また、個人的には安定したインカムは太陽光投資によって解決しました。そのため、現在の私はあまり高配当株投資ということを推していません。しかし、リタイアを考える場合には、高配当株投資は有効な生活費の手段になるでしょう。インカムが安定的で、元本の売買を頻繁に行わなくて済むからです。

 

 同時にグロース株の現状についてもお話をしておきます。何度か掲示している資料になりますが、おおよそ20年間にわたる米国株の伸長を支えているのは、インターネットを中心とするイノベーションです。

グロース株のキャピタルゲイン

グロース株のキャピタルゲイン

 そのため、米国株は過去25年、10年いずれにおいてもキャピタルゲインによるリターンが非常に大きくなっています。高配当株投資をするということは、この水色の部分の大部分を「見逃す」ことになりかねません。

 

 そういう意味で、中庸なのが時価総額に沿って投資ができるS&P500やVTIということになります。私が2016年にブログを始めて以来、VTIを多くの人にお勧めしている理由はここにあります。

 

 VGT、QQQへの投資というのも悪くないですね。もちろん、ボラタイルな面はありますが、王道は押さえた投資ということになります。

 

 短期的には、高配当系の株式がオーバーバリューする中で、逆にAmazonやFacebook、Google、などの銘柄に割安感が感じられる環境になっています。昨年末より是正の動きはありますが、まだ良い水準ですね。これらをまだグロースと呼んでよいものかという議論はさておき、そのような環境ですね。

 

 いずれにしても、質問者さんはお若いですから王道のセクターを押さえた投資をしていくのが望ましいのではないかと考えます。米国株の王道は、ハイテク、ヘルスケア、銀行ではない金融、半導体です。

 

 ちなみに、残念ですが日本のグロース株のほとんどはダメです。世界に通用するようなビジネスモデルをもった銘柄はまだほとんどありません。思惑で大きく動きます。不確かなビジョンに踊らされて、種銭を減らす人が多い世界です。そういう意味では上級者向けの相場といってよいですね。

 

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