オプション取引とは
オプション取引とは、将来ある時点のある商品を買い付ける権利を買うことです。信用取引の一種で、レバレッジも利かせることができます。これだけだと少々意味が分かりにくいので、例を示します。
たとえば、ある年の6月の時点で12月に大雪が降ると予測します。そのために除雪機を1日2万円で借りる予約をします。その時に、予約券として1000円払います。オプションとはこの予約券のようなものです。これに対し、先物は売買そのものの権利です。オプションと先物はこのような違いがあります。
果たして思惑通り、大雪が降り、町中の除雪機が足りなくなります。除雪機レンタルの値段がぐんぐん上がり、6万円が相場になったとします。
すると、借り手は2万円で借りる予約券を8月に購入していますから、権利を行使し、また貸しすれば差額の4万円がそのまま利益になります。非常にザックリとした説明なのですが、これが買いのオプション取引、つまり「コールオプション」ということになります。
もし、2万円で借りる予約券を買っていて、全く雪が降らないでレンタル料が1万円になってしまった場合、1000円で買った予約券を放棄することで損失を限定的にすることができます。予約券を放棄することで、実際に借りなくて済むのです。
実際にはレバレッジを利かせることになるので、このような単純な構図ではないですが、理解するには実物が分かりやすいと思います。
これに対して売りのオプションもあります。いくらで売る、という権利を買います。これを「プットオプション」といいます。
また、コールもプットも権利を買うだけではなく、売ることもできます。ただ、この売りは信用取引もそうですが損失が大きく膨らむ可能性があります。
日本で良く取引されているのは「日経平均株価」「東証株価指数(TOPIX)」「日経株価指数300」などの株価指数や「国債先物オプション」など債券指数があります。
ざっくりとまとめるとこのようになります。
- 数十倍のレバレッジが効かせられる
- コールかプットの買いならば権利放棄で損失を限定できる
- 売りは損失が膨大になる可能性もある
こういうことです。ですから、これからオプションもやってみようかな、という人はコールオプションの買いが最もオーソドックスなオプション取引ということになるでしょう。この基本を踏まえてご質問を紹介します。
オプション取引で勝率を上げられるのでは?
たぱぞう様
いつも楽しく拝見しております。一つ質問です。
私は米株のETF投資の魅力を理解し、かれこれ5年間投資しているのですが、リスクリワードやシャープレシオを更に引き上げられないかと考え、最近は米株を原資産としたオプション取引(低ボラのJNJ等の株式を原資産としたLEAPSカバードプットの売り)の魅力を感じております。
又、VIX投資(具体的には、VXXショートorVXXプットオプションの買い、やSVXYコールオプションの買い)等の魅力にも気付き、少額投資をしながら研究中でございます。
上記は前者はSP500投資よりもリスクが減少するにもかかわらずリターンは年率10~15%程度、後者のVIX投資は年率50%は安定的に出せる投資であると評価しております。
たぱそう様はマネーの投資先について、多元的多層的にあらゆる可能性を棚卸した上で米株ETF(現在は、融資を活用した不動産現物の魅力にも興味あるとのこと)とのことですが、上記のようなオプション取引やVIX投資は検討されたことはございますでしょうか?
こんなに安定的に儲かるのに、米株ブロガーの誰も取り上げていないので、不思議に思い質問させて頂きました。オプション取引やVIX投資の日本語ブログがもっと増えて欲しいとの趣旨でおりまして、もしよろしければこの質問を取り上げて頂き、ご見解ご披露頂ければ幸いでございます。
オプション取引が上手い人の特徴
オプション取引の上手い人の特徴があります。それは、相場の波を読むのが上手い人です。これを言ってしまうと身も蓋も無いのですが、そうです。端的に言うと、オプションはレバレッジを利かせてうねりを取りに行く取引だからです。
相場の上下が無くとも、レバレッジ幅を大きくすれば大きく利益を得ることができます。読みと違っても権利行使をせずに放棄してしまえばよいわけですから、損失もある程度は抑えることができます。ただし、売りはそうはいきません。
ただ、これの基本はやはり相場をある程度読めるというのが前提になります。オプション取引ができて、個別株取引ができない人というのはあり得ず、個別株売買が上手く、さらに利益を大きくしたい人がオプションに手を染めるということになります。
オプション取引が上手い人はほんとうに上手です。レバレッジが利いていますから、利益も大きいです。ある意味では飛び級できる取引です。インデックス投資やインカム狙いの投資というのはコツコツ型です。
私の知っている中でも、債券オプションを駆使して億り人になった人もいます。自分の適性を見極めつつ、相場に関わっていくという基本は同じですね。なお、似たような取引でCFD取引というものがあります。
これは実際に商品を買っていくものですが、これも使いようだと思っています。
2020年~2021年は分かりやすい上げ相場でしたから、こちらのCFDでも資産を何倍にした人がいますね。また、売りで入ることができるため、腕に自信のある投資家さんは良く活用されています。
上級者向け投資の1つであるCFDに関しては、また別記事で考え方を述べたいと思っています。
ご質問ありがとうございました。
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こちらはカバードコールに関しての記事です。こちらも中級以上の投資になりますね。