「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」という投資信託
「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」は農林中金バリューインベストメンツ株式会社の常務取締役・最高投資責任者(CIO)の奥野一成氏の運用で知られます。
長期銘柄厳選投資を是としたファンドですね。属人性の高い投信で、ひふみ投信などと同じくファンドマネージャーの顔が見えるファンドといえます。
「長期厳選投資おおぶね」の特色
ファンドの特色として以下をうたっています。
- 圧倒的な競争力を有する企業への長期厳選投資により投資信託財産の中長期的成長を目指すアクティブファンドです。
- 米国の上場株式を主要投資対象とします。
- 徹底した深い海外企業調査を通じて、①付加価値の高い産業、②圧倒的な競争優位性、③長期的な潮流の 3 つの基準を満たす「構造的に強靭な企業®」に長期厳選投資を行います。
- 組入外貨建資産については、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。
- 農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)が投資助言を行い、ポートフォリオを構築します。
平たく言うと、奥野氏が長期投資にふさわしいと判断した経済的な濠の存在を感じられる企業に投資する、為替ヘッジなしのアクティブファンド、ということになります。
「長期厳選投資おおぶね」の組み入れ銘柄
組み入れ銘柄は以下の通りです。
大きな特徴は組み入れ銘柄の少なさです。インデックスファンドの組み入れ銘柄と比べると圧倒的な数の違いがあります。また、GAFAMが組み入れ上位に入っていません。
ベクトンディッキンソン、マコーミック、コルゲートといった「渋め」の銘柄が組み入れ上位に入っているのが大きな特徴ですね。
成長系企業を語る際に使われるPSRなどを重視するよりも、基本的にはバリューよりの組成となっているといってよいでしょう。
「長期厳選投資おおぶね」のリスクリターン
まず、おおぶねのリターンです。楽天VTIなどとほとんど同じ時期にローンチされています。リターンも似ています。また、おおぶねは分配金を出しています。
運用レポートも読みごたえがあり面白いです。これはおおぶねに限らずですが、ファンドマネージャーの顔が見えるファンドレポートを読み、プロがどのような目線で銘柄を選んでいるのかを知るのは有用ですね。
投資はどうしてもトレンドがあり、都度飛び乗るということになりがちです。それだと目線がころころ変わり、腰を据えた投資ができません。自分がどのようなスタイルで投資をするのか、柱が決まっていない人にはお勧めしたいところです。
また、おおぶねの最大の特徴は株式投信でありつつ、非常に守りに強いところですね。コロナショックでも2017年売り出し時点の基準価額を割れなかったところは評価されるべきでしょう。リターンもさることながら、守り思考の投資家さんには合っているファンドといえそうです。
さて、長くなりましたが「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」に関してのご質問を紹介します。
「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」に関しての評価を知りたい
たぱぞう様はじめまして。
たぱぞう様の様々な投資分野に渡る知識とご経験、示唆に富んだ数々の記事と新鮮な視点。読んでいても答えの出ないことのほうが多いのですが、考えさせられる点で勉強させていただいているのだなと実感、そして感謝の日々です。
私は現在45歳。
田舎で両親、妻、大学生と高校生の子どもとの6人暮らしです。
投資状況は次のとおりです。
- 預金1,000万円(現在積立なし)
- つみたてNISA 33,333円、毎月積立(全世界株式)
- 特定口座 50,000円、毎月積立(全世界株式)
- iDeCoも少々ですが毎月積立(全世界株式)
定年による退職金は1,500万円くらいでしょうか。この退職金の他に、あと20年で3,000万円を作れれば、子どもが巣立ったあとの夫婦二人で慎ましい老後生活が送れると思っています。
そこで、上記投資にプラスして米国株式を強化したいと考えております。投資先としては、最近注目度が上昇しつつあり、Fund of the Year 2020の10位にも入った農林中金のアクティブファンド「おおぶね」を候補の一つとしています。
米国インデックスファンドの場合は、組入銘柄の上位にGAFAMに代表されるIT関連銘柄が多く含まれています。
これに対し「おおぶね」は上記と異なる銘柄構成で、20数社くらいに厳選されており、米国インデックスファンドとの分散にも多少はなるのかなと思っています。たぱぞう様の「おおぶね」というファンドに対する所感をお聞かせ願えればと思います。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
投資の方向性、考え方にはかなり共感をします。
おおぶねの投資方針は、僭越ながら私も共感するところが多いです。よいファンドだと思います。おっしゃる通り、時価総額加重平均のインデックスファンドとは違った目線で組成されていますね。
よく知られる銘柄以外にもパッカーやローリンズなどさらに渋い銘柄も組み込まれています。これらは私も過去に購入を検討したことがあります。
そのため、情報技術偏重を避けたい人にはよい分散となるでしょう。また、個別株投資をする際にも、どのような目線で長期投資家が銘柄を選定するのか、参考にするところは大きいと思います。
コアとして組み入れる人は多くありませんが、サテライトで組み入れている投資家さんはいられますね。銘柄は極めて限られており、成果は奥野氏の手腕によるところが大きいですね。
結論としては、アクティブなので各種信託報酬は気になるものの、応援したいファンドの1つということになります。どのような銘柄をどのような考えで組み入れているか、それを知るだけでも学ぶところが多い、そのようなファンドになっています。
報告書に目を通すだけでも自然と投資の素養が深まる、そのようなファンドです。
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米国株投資の世界はこのような世界だったということですね。
自分がどのような目線で投資をするのかというのは大事にしたいですね。
おおぶねはネット証券だとSBI証券で取り扱いがありますね。