たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

老若男女問わずできるようになった株式投資

老若男女問わず株式投資ができるようになった

 情報はインターネットを通じて簡単に手に入るようになりました。その最たるものはスマホでしょう。ipodやiPhoneが出始めた時に、「いつかパソコンと置き換わる時が来る」と誰もが思ったのではないでしょうか。

 

 入力がパソコンに比べると不便で、一覧性に乏しいというデメリットはあります。しかし、パソコンのライトユーザー層に深く浸透し、インターネットアクセスの需要を掘り起こしたという功績は非常に大きいですね。いつでも、どこでも、手軽に、を全て備えています。

 

 結果として、情報革命が起きました。つまり、既存のメディアである新聞やテレビに割く時間よりも、スマホに割く時間のほうが多くなったということです。広告も情報も、スマホを始めとするインターネットがますます力を持つようになりました。

 

 そういう意味では、株式投資を始めとする投資情報へのアクセスも随分と良くなりました。かつてはちょっと突っ込んだ株式情報は専門誌や証券会社の店頭、各種セミナーなどに足を運んで手に入れるものでした。

 

 今では、日本だけでなく世界中の企業情報をネットで得ることができます。企業情報だけでなく、評価も目にすることができますね。ほんの20年、30年前とは様変わりしました。

 

 そういう意味では、老若男女に広く開かれた株式投資の世界です。今回は、70代半ばの方の投資というテーマでご質問を頂いています。

70代半ばの方に米国株投資をお勧めしたい

 いつも大変参考にさせて頂いております。説明が論理的で納得して読むことができる方は決して多くないと思います。

 

 さて、1つ悩んでいることがあります。70代半ばの方が2000万円を普通預金に入れており、利息はすずめの涙であり、運用希望です。

 

 この金額はすぐ必要になるものではないですが、年齢的に今後使うアテもあるでしょう。

 

 私自身は大型米国株一択で運用しており、この方にも米国株を推薦したいと思います。この方は売買益よりは既存の利子以上を希望するものの、元本を大幅に下回る可能性が高い商品は絶対にダメなようです。

 

 現状の社会情勢を踏まえて、たぱぞう様のご意見をお聞かせ願えますか?

気を付けたほうがいい、高齢者のインカム重視の投資術

 まず、70代半ばの投資というのは現役世代の投資と大きく異なることがありますね。一般的な特徴を箇条書きにします。

  • 収入が限られる
  • より保守的な投資を好む
  • 便利になったとはいえ、情報格差がありがち

 こういうことですね。

 70代で新たに投資を始めるならば、上記の3点を押さえておいたほうが良いです。退職金の分割払いなどを採用していない限り、収入が限定されるケースが多いですね。このことは、2000万円の価値がより重いことを意味します。

 

 そのため、「増やす」よりも「減らさない」ほうにプライオリティが置かれることが多く、それは当然の心理と言えます。ややもすると、安定したインカムを求めるあまり、毎月分配型などでやられるということになります。

 

 毎月分配型は、複利が効かないだけでなく、税金面でも非常に不利になる、投資する側にメリットが殆どない商品です。いわば、こうした心理を上手く突いた金融商品と言えるでしょう。

 

 また、今までの経験の蓄積なしに始めるとなると、先述のように便利になったとは言え、情報格差は否めないということです。場合によっては、質問者様からの情報のみが頼りということになります。

 

 そういったもろもろを考えると、以下のような段階の提案になります。

  1. 米国株投資信託【Slim米国か楽天VTI】への投資
  2. 米国株高配当ETF【VYM】への投資
  3. 米国株高配当株への投資

 数字が増えるほど難易度が増します。1,2の差は大してありませんが、外国税額控除ができるかどうかがポイントになります。ただし、1の場合はインカムが出ませんので、そこは説明を尽くしておく必要があります。

 

 3はうまくいけば理想ではありますが、個別株特有のリスク、値動きがあります。私の家族ならばおススメしません。個別株は、どうしても決算を意識しないといけないですし、値動きも激しいからです。

高齢者の投資初心者さんはとにかく無理をしないことです。

高齢者の投資初心者さんはとにかく無理をしないことです。

 無理して投資を始めなくてはいけない年齢ではないことを踏まえつつ、「そろりそろり」と投資信託から始めてみてはいかがでしょうか。

 

 最後に裏技を書きます。もし、ご親族ならば金銭消費貸借契約をして、資金を預かって自分で運用してしまうという手もありますね。なお、貸主へは利息でお返しとなりますので、適宜確定申告が必要になります。

 

 相続税などと比較の中での結論になりますが、将来的に自分が引き継ぐ資金ならば、現在価値と将来価値の比較として、今預かったほうが成果を出せる確率が高いと判断する人もいますね。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  国際分散投資と米国集中投資の考え方です。米国抜きという選択はあり得ず、その割合の話になりつつあります。

www.americakabu.com

  収入が限られるということは、今までの貯蓄がモノを言うということです。Cash is kingはここでも生きてきます。

www.americakabu.com

  私たち米国株投資家が頭の片隅に置いておきたい、最悪のシナリオです。しかし、行き過ぎた市場は一時的な動揺に過ぎず、ブレずに投資し続けることが大事なのは歴史が証明しています。

www.americakabu.com