たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

高齢社会における資産形成・管理を考える

高齢社会における資産形成・管理を考える

 先日、金融審議会市場ワーキング・グループ から「高齢社会における資産形成・管理」報告書が出されました。この報告書が大変よくできていますので、引用しつつ考えを述べてみたいと思います。

 なお、引用の資料は全て「高齢社会における資産形成・管理」報告書からです。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190522/01.pdf

人生100年時代はあながち不可能ではないが、生活の質が問われる

男女の平均寿命の伸び

男女の平均寿命の伸び

 20年前の推計と比べて分かるように、寿命は右肩上がりです。注目されるのは、95歳以上まで生存する人の割合ですね。1995年時点では14%に過ぎませんでしたが、現在は25%、実に4人に1人が95歳まで生存することができるというデータです。

健康寿命と平均寿命の10年の差をどのように埋めるか

健康寿命と平均寿命の10年の差をどのように埋めるか

 しかし、健康寿命と平均寿命の差はおおよそ10年あります。つまり、晩年は何らかの健康問題に悩まされ、しかもその期間がおおよそ10年も続くということですね。健康寿命に関しては、男女ともに70歳~75歳となっています。

 

 定年が65歳となり、年金支給が仮に70歳となると、どうでしょうか。人生のほとんどを仕事で終えることになります。自分の好きな仕事が続けて長くできると思う人もいるでしょう。一方でようやく自由を得たと思ったら健康問題で自由を満喫できない、という現実もありそうです。

今後予想される、介護のあり方の変容

増える独居老人世帯

増える独居老人世帯

 一方で、年齢別未婚率も上昇をしています。また、持ち家比率の低下も目立ちますね。従来積極的に自宅を買っていた世代が買っていません。30代~40代ですね。この世代は未婚率も増えていますから、将来的には賃貸に住む、独り世代予備軍となります。

 

 報告書内の「結婚後、夫婦と子供、親と同居し、持ち家を持ち、老後の親の世話は子
供がみるというようなかつて標準的と考えられてきたモデル世帯は空洞化してきている。」という指摘はその通りです。

 

 老後の過ごし方、介護のあり方は今後大きく変容し、社会問題化する可能性もあります。私も介護の経験がありますが、簡単な問題ではないですね。

「オレオレ詐欺」はなぜ無くならないのか

8割を超える認知症有病率

8割を超える認知症有病率

 95歳まで生きる女性の8割、男性の5割において認知症症状を抱えるというデータです。現役世代は以下のような発想をしがちですね。

  • 「なぜオレオレ詐欺なんかに引っかかるのだろう」
  • 「なぜ、得体のしれない金融商品を契約してくるのだろう」
  • 「昔だったら考えられない不要なものを騙されて買うのは、なぜだろう」

 これの根源は、加齢にともない正しい判断ができなくなっているというのが真相です。よく、「さみしいから話しかけてくれる人を信頼してしまうんだよ」という人もいますが、一面では正しく、一面では違いますね。

 

 95歳まで生きる女性の8割が認知症症状があるということですから、やはり制度として守っていく仕組みが必要ですね。せっかく貯めた預貯金が思いかけず引き出されたり、浪費されたりする理由はここにあります。

 

 かつて、毎月分配型投信に関しての議論の時に、「金融商品に限らず、怪しい商品はたくさんある。そのギャップが商売になるケースもあるのに、なぜ金融商品だけがやり玉に上がるのか。一種のアービトラージはどこにでもある」という主張を目にしたことがありました。

 

 これもある意味では、元気な自分、しっかりした自分の目線しか認識していないから生まれる主張ですね。

平均すると、毎月5万円の不足が出る年金額

各世代別の支出の平均値

各世代別の支出の平均値

 子どもへの教育費などがかかる35歳~55歳の世代が如実に支出が減っていますね。もう、削れるところまで削ったという印象です。このことは、将来高齢層になる現役世代が十分な貯蓄を作れないことを意味しますから、今後高齢世帯の貧困問題がクローズアップされてくることが予想されます。

平均すると5万円の不足が毎月発生する高齢世帯

年金世帯における毎月の不足は5万円

年金世帯における毎月の不足は5万円

 社会保険給付、年金を始めとする高齢夫婦世帯の収入と実際の支出は乖離があります。平均して5万円ということですね。資産運用をして、この5万円を埋めていくのが1つの目標になります。余裕を見て+10万を資産運用で補えると理想ですね。

減りゆく退職金

減りゆく退職金

 減りゆく退職金です。かつては大卒で3203万円ももらえていた退職金ですが、この20年で1000万円以上も減ってしまいました。今後も増えることは無いでしょうね。現在の大卒の退職金は、20年前の高卒よりも少ないですね。ただし、2007年以降は対象企業を広げた影響がありますので、同じ条件にすればこの差はもう少し埋まると思われます。

安心安全な老後を迎えるためには適切な投資を

海外投資、米国株投資をするのが投資の王道

海外投資、米国株投資をするのが投資の王道

 公的な審議会文書でこの資料が示されたということに重い意味を持ちますね。日経平均株価への投資とNYダウへの投資の比較です。常々、非効率な企業を多く含むTOPIXや日経平均に投資をする意味は薄いと言ってきましたが、このリターンを見れば明白かと思います。

 

 将来が厳しいというのは今になって言われたことではなく、もう20年以上から自明でしたね。米国株インデックス投資が誰でもできる資産運用というのははっきりしていますから、コツコツ淡々と収入を投資に振り向けていくことが大事です。

 

 フローをストックに置き換えていくというアクティビティを、愚直に続けていくこと。自分の未来は自分で作るということですね。年金は大きな心の支えであり、収入源です。しかし、それだけでは不十分な時代を迎えつつあるのは明白です。

 

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