たぱぞうの米国株投資

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フィディリティの信託報酬ゼロファンド【FZROX】と【FZILX】

フィディリティのゼロ信託報酬ファンド【FZROX】と【FZILX】

 米国のフィディリティからゼロコストファンドがリリースされました。2018年8月上旬にリリースされたのですが、値動きも順調な様子ですのでここで記事にしてみます。ゼロコスト、つまり経費率がゼロということです。

 

 フィディリティは日本だとインデックスファンドの運用会社というイメージはあまり無いのですが、米国ではインデックスファンドを多く組成しています。今回のゼロコストファンドもインデックスファンドとして出しています。

 

 ただし、ETFではなく、ミューチュアルファンドというかたちです。他のミューチュアルファンドも現状日本の証券会社からは買えませんので、フィディリティのゼロコストファンドである【FZROX】と【FZILX】も当面買うことはできないと思われます。

 

 しかし、もし楽天シリーズのように投資信託化して販売するとか、そういう裏技が無くもないということで、取り上げておきたいと思います。

信託報酬ゼロにするための試みと事情

 信託報酬がゼロというのはなかなかハードルが高いです。まず、自社での運用経費がかかります。さらに、指数使用料がかかります。この2つの必要経費をゼロにしなくてはいけないということですね。

 

 フィディリティの場合は、ベンチマークに関しては自社で組成することによって、使用料を抑えるという方法を採用しました。ベンチマークと言えば、MSCIやSPGIが有名です。例えばS&P500が非常によく知られた指数ですが、これも連動投資信託あるいはETFは使用料を払っているのですね。

 

 バンガードもMSCIやSPGIの指数を使っていますが、1部のETFに関しては、より安価なものに乗り換えて運用するということをしています。低コストファンドの運用者としては、証券会社でもあるチャールズシュワブのETFが有名です。

 

 チャールズシュワブのETFはバンガードを意識し、バンガードよりもわずかに低コストで組成しています。そのチャールズシュワブも指数は安価なものを積極的に採用しています。

 

 この指数使用料はなかなか高額で、一定以上の低コストにしようとすると必ず突き当たる問題です。日本の投資信託でなかなかS&P500連動のものが生まれてこなかったのは、資料料が高価だからという側面もあります。

 

 もう一つの自社での経費ですが、これは様々な憶測が出ています。1つは他の売買手数料などに乗せて回収するのではないかという見込み。もう1つは顧客の囲い込み戦略の1つで、他の商品に誘導することで回収するのではないかという見込みです。

 

 

 さて、前段がいささか長くなりましたが、フィデリティにより設定されたのは2本です。以下、紹介していきます。

・フィデリティ ZERO トータルマーケット・インデックスファンド【FZROX】
・フィデリティ ZERO インターナショナル・インデックスファンド【FZILX】

 フィデリティ ZERO トータルマーケット・インデックスファンド【FZROX】とは

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 トータルマーケットの名の通り、【VTI】のように全米への投資を目指したものです。Fidelity U.S. Total Investable Market Index という指数を自社で作っています。

 

 まだ20日前後のデータですが、殆どVTIと同じ動きをしています。このクオリティが続けば、強力な選択肢の1つになりえますね。

フィデリティ ZERO インターナショナル・インデックスファンド【FZILX】とは

 こちらは、米国外株式のファンドです。新興国も含みます。先のFZROXと組み合わせて使用すると、全世界ファンドとなりますね。Fidelity Global ex. U.S. Indexという指数を使用しています。

 

 米国外株式ということで、バンガードETFでいうところの【VEU】が近いですね。

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 やはりよく近似した動きを示しています。ただ、【VEU】は米国外投資なので、あくまでサテライトですね。

フィディリティに限らず、低コスト志向は時代の流れ

 日本も最近になって急速に低コストのインデックス投資信託が拡充されてきています。とはいえ、米国のほうがまだまだ選択肢が多く、低コストな商品が多いです。今後、日本も低コスト商品の選択肢が広がればよいですね。

 

 コストは目に見える固定費ですから、パフォーマンス以上に比較するのに容易です。もし【FZROX】や【FZILX】が日本でも販売されれば、ちょっとしたインパクトを生むことは間違いないですね。

 

関連記事です。

  VTIも今は投資信託で買えるようになりましたね。楽天・全米株式インデックスファンドがそれです。

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  こちらがVTIの記事です。もともと記事で書いたのが2016年ですから、およそ50%の値上がりになっていますね。ただ、毎年このようなパフォーマンスで上昇し続けることは無いでしょう。

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  米国株25年の振り返りを、ウェルスナビのデータを借用して書いています。

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