たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

米国ETFでポートフォリオを作る

ETFポートフォリオの考え方

 個別株には以下のようなリスクがあります。

  1. 決算リスク
  2. 事故リスク
  3. 訴訟リスク

 大きく分けてこのようなリスクがあります。

 

1「決算リスク」

 決算が悪いと株価は下がります。今はどこの企業も四半期ごとに決算を出しますので、株価の影響は限定的になりつつありますが、それでも好決算・悪決算を出すと大型株でも影響を受けます。

 

 さらに目を当てられないのが、粉飾決算です。日本でもオリンパスや東芝が実質的な粉飾決算で世間を騒がせましたが、粉飾されると私たち個人投資家はほとんど見抜けません。

 

 粉飾が分かった後に決算を見てみると、「ああ、ここが作られていたんだな」となりますが、それはだいたい後付けになります。個別株は決算による影響が非常に大きいです。

 

2「事故リスク」

 タカタのエアバック問題は直近の事故リスクの例になります。古くは三菱自動車のリコール隠しもそうでしょう。あれほどのインパクトはないにしても、ウェルズファーゴのクレジットカード契約を顧客に知らぬ間にさせていたというのも事故でしょう。

 

 個別株はこうした予期せぬ事故リスクはつきものです。

 

3「訴訟リスク」

 事故リスクに似ています。Googleが自社のショッピングサイトを検索上位に載せていたということで、欧州連合(EU)から制裁金を科されました。その額は24億2000万ユーロ、およそ27億ドルにも上ると言います。

 

 先のGoogleの決算はこれを受けて減益決算になっています。1株あたりの制裁金はおよそ3.9ドルにもなりますから軽くありません。盤石の成長企業とみられるGoogleでさえも訴訟リスクと無縁ではないということです。

 

 そういう意味では個別株リスクを無くしたETFは初心者からプロまで投資に活用しやすい比較的低リスクな金融商品になります。

 

 もちろん、市場の下落には影響を受けますから、元本が守られるようなものではありませんが、きちんとした裏付けのある商品ならばリスクは低減できます。

 

 そうしたことを踏まえて、ETFを中心としたポートフォリオについて考えてみます。

ETF中心のポートフォリオを組んでみる

たぱぞう様

 

 いつもお世話になります。先日「セゾンバンガードグローバルバランスファンド」の記事では大変お世話になりました。記事をもとに、米国ETFを購入することに決めました。


運用内容としては

  • 資産1,000万を24か月(月額42万円分)に分散して配分
  • その後は月額25万円づつ給料などによる追加投資を実施する

というものです。そこでまた再度質問がございます。

 

1、銘柄について
 20年後には、配当金が入るようになることが理想と考えております。

 VTI、VYM、HDVと合わせて組みます。


A案
VTI:45% VYM:15% HDV:15% BND:25%
配当比率:2.44%


B案
VTI:45% VYM:15% HDV:15% PFF:25%
配当比率:3.19%


C案
VTI:45% VYM:15% HDV:15% 個別株:25%
配当比率:2.8%


 この割合はいかがでしょうか。また、さらに付けるのであればどのETFがおすすめでしょうか。


2、買い方について


ドルコスト平均法で、年3、4回(11、12月を除く)購入を進めようとしております。


A案
購入費用を安くするために、各銘柄を126万/回×4回 購入する方法


B案
時間分散のため各銘柄を42万/回×3回購入する方法

 

3、ドル転タイミングについて


A案
毎月42万円づつドル転する方法
B案
購入時にドル転する方法
こちらはA案のほうがよいと感じますが・・・

 

以上3点を悩んでます。長くなりましたが、ご教授いただければ幸甚です。

ご確認の程よろしくお願いいたします。

ETFによる分散をどう考えるか

 ETFは分散が効きます。株式、債券、商品、さらには地域で分けることも可能です。1つの商品でこれらすべてを含むのが投信、バランスファンドということになりますが、信託報酬が高いことと連動指数が限られるのが難点です。

 

 いつものように私ならば、という観点でお話をします。

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※画像はMSCIから

 私ならば、PFF・個別株・BNDならば、銘柄はBNDを選びます。最もディフェンシブだからです。PFFは有事には値動きが激しく、個別株は先ほどのようなリスクがあります。弊ブログのご質問コーナーで個別株は触れないのはそういうことです。

 

 ですから、人にお勧めするのではあれば最もディフェンシブなBNDということになります。資産を伸ばすのか、守るのか。それによって変わりそうですね。慣れてきて、相場に親しんだら個別株というのもアリでしょうが、やはりリスクはつきものです。

 

 そして、個別株だとポートフォリオが株式のみで構成されます。ですから、リターンが甘くなるのは確かですが、ディフェンシブにBNDを組み込むのは良い選択だと感じます。

 

 次に買い方ですが、おすすめはB案です。時間の分散が効くからです。ただし、これも私個人では逆張りのA案の買い方のほうが経験上は多かったですね。米国株はこの10年近く順張り相場になっています。

 

 それでも、元の属性が逆張り投資家の私はついつい下落局面での集中投資をしたくなるというあまりお勧めできないクセがあります。

 

 最後にドル転タイミングです。為替は読めません。ですので、間違いなくA案がよいです。しかし、私はいつもB案で買っています。チャートはあまり信用ならない指標ですが、やはりここでも逆張りしたくなるのですね。

 

 なんだか人にお勧めするやり方と自分のやり方が違うのですが、これは私が多少なりとも相場の世界にそれなりに長くいるからですね。つまり、経験ということです。

 

 ここは、質問者様が上場商品であるETFを買い始めたばかりということで、安全安心に主眼を置いた記事を書いてみました。

 

 とはいえ、ETFも相場の下落リスクからは逃れられないですから、「投資は生活防衛資金で、無理なく行う」ということも最後に申し添えておきます。ご質問ありがとうございました。

 

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