S&Pコア10種とは
S&Pコア10種という投資手法があります。これはS&P100を対象とした投資方法です。ここで改めてフィルターのかけ方を紹介したいと思います。
- S&P100のうち、15年以上連続増配している銘柄を抽出
- 配当利回りの高い順に並び替え
- トップ10をコア10種とする
こういうシンプルな手法です。米国の時価総額の大きい企業を対象にした、比較的確実性の高い投資方法と言えるでしょう。
具体的なやり方は、Twitter仲間のkabuloveさんがまとめてらっしゃいますので、併せてここにご紹介します。
米国株投資家必見!S&Pコア10種のリスティング法 | 米国株投資で手に入れる経済的自由ライフ
ネット証券の海外株スクリーナーは今のところSBI証券が一番優れています。ただ、そのSBI証券でもダウ30種、ナスダック100、S&P500の3種のみです。指数でのフィルターが増えると、こういった投資手法にも国内サイトで対応できるようになります。
そうなるとさらに使い勝手が良くなるでしょうね。
これらのことを踏まえ、S&Pコア10種に関するご質問を紹介します。
ETFとS&Pコア10種
たぱぞうさん いつも素敵な記事を読ませていただいてます。
毎朝通勤電車でたぱぞうさんのブログを見るのが日課となりました笑
先日バフェット太郎さんのブログにて紹介されていたS&Pコア10種というものが気になり、色々調べていました。先日の記事内容(スマートベータETFとは)が少しかぶる部分がある気がしたため、たぱぞうさんのご意見を聞かせていただきたいです。
私は現在100万をウェルスナビにて運用しています。今後、年間100〜150万を米国株へ追加投資しようと思っていて、割振りは下記になります(無リスク資産は別) ・高配当株40% ・VTI60% 当初高配当株をVYMにしようと考えていましたが、S&Pコア10種もありでは?と思い始めている次第です。
理由は、
- 指数を超えるリターンが見込める
- 急な出費があった時、損だしに使える
たぱぞうさんも高配当個別株を何点か購入されていますが、やはりETFに任せきりよりリターンが見込めるからでしょうか?
私は現在30代前半で、セミリタイヤ等は考えていませんが、20年後の豊かな生活を夢見て株式投資を始めました。それを踏まえてコメントいただけるととても嬉しいです。
VTIの優位性は確か。S&Pコア10種は個別株投資の入り口としておススメ
バフェット太郎氏は明確な投資方針がありますね。迷いない個別株投資ということでは大変参考になる部分があると思います。芸風?は私と全く違いますが、実は私たちは仲良しで、いつか飲もうと誓い合っている仲だったりします。お互い住まいが遠いので実現には時間がかかりそうですけどね。
「Twitterで一回やり取りしただけで、仲良しとまでは思っていないよ!クソダサいたぱぞうめ!」
と言われればそこまでなのですが、まあそういうことです。単に「クソダサい」を使ってみたかっただけじゃないのか、というツッコミはなしでお願いします。
さて、投資で手軽に分散できるETFは万人にお勧めできる優れた金融商品です。もちろん、株式の集合体ですので市場が下落した時には同調する懸念はあります。しかし、個別株と違って、倒産リスクが殆どゼロであるのは大きい利点と言えるでしょう。
反面、この指数に基づいたETF投資、あるいは投信投資というのは安定的ではありますが、同時に地味でもあります。投資好きの人の多くが個別株にも手を染めているのはそういうことです。
ただし、純粋にリターンで考えると個別株投資というのは、ETF投資よりも一段レベルが上がると思っておいたほうが良いでしょう。株式投資というのはある種の未来予想であり、マクロのほうがたやすいですが、ミクロは難しいです。
この場合、マクロというのは市場全体を指します。国レベル、地域レベル、世界レベルの予想、規模が大きくなればなるほど予測がしやすくなります。どこの国が伸びるのか、どこの地域が伸びるのか、世界経済はどうなのか。
今後、世界人口が増え続ける限りにおいてかなり高い確率で世界経済は成長し続けます。それはどのレポートを読んでもそうです。それに対し、どこの国が伸びるのか、という問いはもう少しブレがあります。これは局所的になるからです。
マクロの予想に基づく投資の弱点は、リターンが小さいということです。これは、上昇する国や地域を、停滞する国が足を引っ張るからです。平均化されるために、リターンが落ちるのです。
言い換えると、リターンの大きさよりも確実性を優先する投資と言えるでしょう。
ミクロは個別企業を指します。どの企業が伸びるのか。これが予測できれば大きく勝つことができます。ただし、この予測が難しいため、個別株投資というのはレベルが高いのです。
予測が当たれば大きくリターンを得ることができます。株式投資で大きな富を築いた人が、すべからく個別株投資をしているのはそういうことです。インデックスETFや投信を使って、短期間で大きく資産を築くのは殆ど不可能と言ってよいでしょう。
ここでいうS&Pコア10種は世界的な大企業を投資対象とするために、リターンは限られています。しかし、配当という確実性の高いファクターを対象にしているので、比較的計算しやすい利益を定期的に得ることができます。
もちろん、個別株特有のリスクはありますが、比較的安定した大企業が多いので投資対象としては敷居が低めと言えそうです。そういう意味では、ETFだけでなく個別株投資もしてみたい、という場合には適した投資先でしょう。
ちなみに私が高配当株に投資をしているのは、キャッシュフローを大きくしたいというのが理由です。将来の年金づくりです。想定は10年で1.5倍程度です。純粋なリターンに関しては、VTIなどのETFのほうが大きいかもしれません。
ただ、リターンというのはなかなか予測しにくいものです。自分が投資によって何を目指し、どのように利益確定させていくのかというビジョンを大切に相場に向き合っていくというのが私の方針ですね。
ご質問ありがとうございました。
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ご質問の文中にあったウェルスナビに関してはこちらです。米国ETFの長期保有ということですね。
高配当株で得たドルを再投資するというのが今の方針です。これを再投資しなくなる時、それがリタイヤということですね。
どこの国へ投資をすべきかということですね。インフレに注目して書いた記事です。