たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

変額保険というエグい金融商品

変額保険など複雑化した保険商品

 金融庁がつみたてNISAを導入した最大の功績は何でしょうか。私たち国民の資産運用の機会を増やした、非課税の投資枠をつくった、など様々あります。その中でも私が最大の功績だったと感じていることがあります。

 

 それはズバリこういうことです。

つみたてNISAにより「良い投資信託」の定義がはっきりした

 これが一番大きかったのではないかと思います。ほとんどのアクティブ投信がダメ、手数料が高いのはダメ、使えるベンチマークはこれとこれ、こういうことを金融庁がはっきりと示したのは大きかったと思います。

 

 たとえつみたてNISA対象の投資信託でなくとも、つみたてNISAに選ばれた基準を他の投資信託に援用すれば大まかに良し悪しが分かります。これは大きな功績だったと思います。

 

 翻って、保険はどうでしょうか。これはいまだに手が入っておらず、非常に複雑怪奇な商品がいまだに跋扈しています。複雑怪奇にするメリットは、複雑だと初心者が分かりにくく、経費や手数料をどれだけ取っているのか不透明になるからです。

 

 ただ、これは返戻率を確認することで見当がつきます。多くの変額保険、外貨建て保険といった謎の付加価値がついているものは、びっくりするほど諸経費がかかっています。つまり、ぼったくり保険です。

 

 

 初心者は迷ったらとにかく掛け捨てというのが基本で、保険で資産運用は考えないというのが保険選びのミソだと私は思っています。さて、この基本路線を示したうえで、変額保険についてのご質問を紹介します。

生命保険の変額保険に入っております。

 たぱぞうさまいつも楽しく拝見しております。

 私は2016年の8月から「とある生命保険」の変額保険というものに入っております。


 その保険は日本株、世界株、国債など8種類の投資信託から選択し、その運用益によって保険金額が変動するものです。


 私が保険に入っているのは世界株というもので、MSCIワールドインデックスをベンチマークに運用されるものに入っています。


 またこの保険には死亡保険が付いており、運用がマイナスになっても死亡保険金は一定です。

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 保険屋の話では過去実績で2000年から平均14.5%の運用実績があるということで入りました。

 

 そこでたぱぞうさまに質問ですが、昨年の騰落率は19.8%とs&p500をアンダーパフォームしています。また手数料も3%と高いため、楽天VTIで運用したほうがいいのではと考えております。掛け金は毎月4.5万円です。ご参考までにイデコは満額1.2万円、積立ニーサは1万円かけてます。

 

 たぱぞうさまならどのように考えられますでしょうか。ご見解お願いします。

保険選びのコツ

 まず、なんの視点もなしに保険屋さんに相談に行くのはよくありません。保険選びの視点を持ってからいくというのが大事です。そうしないと、買わなくてよい商品を買うはめになります。

 その視点はこのようなものになります。

  • シンプルな保険、例えば掛け捨てか
  • 5年、10年、20年、30年の返戻率はどの程度か
  • 死亡保険金、高度障害保険金、がん保険をどうするか

 こういった視点です。何か軸を決めていかないと、百戦錬磨の担当者に乗せられて、買わなくてよい商品を買うことになります。窓口の保険屋さんは保険を売るプロであり、顧客の人生をプランニングするプロではありません。

 

 この特性を踏まえておかないと、かみ合わないことになります。

保険はシンプル、掛け捨て

 保険は掛け捨てで良いのです。日本だと遺族年金、障害年金、高額療養費という困ったときの制度も充実していますから、無理して全てを保険でカバーする必要はありません。また、保険で資産運用というのも割高でよくありません。

 

 様々な特約は要りません。シンプルなものが一番です。そういう意味では勤務先が契約している団体保険などは良心的なものが多いです。

 

 こうしたことを踏まえて、死亡保険金や障害保険金の受取額や月々の支払い額を決めておくと良いでしょう。

返戻率はどの程度か

 こちらも良くご相談を受けます。多くの商品は、例えば10年以内の解約をするととんでもなく低い返戻率で、払い込みを続けるしかないというような状態になっています。こうなるともう取り返しがつきません。

 

 月払いならばまだ「捨て金」とすることで逃れられますが、最初に大金を入れてしまうと身動きが取れなくなります。保険料の積み立てを続け、解約あるいは満期になったらどの程度の返戻率になるのかよく検討してから契約をすることです。

 

 返戻率は株式の世界で言うところの「利回り」になります。返戻率150%というと「スゴイ!」と思うかもしれませんが、単年利回りにすると大したことがない、というのが多くの商品です。「返戻率」を顧客に見せ、リターンを大きく見せるという仕組みを考えた人は賢いと思います。

 

 5年払い込み、10年払い込み、20年払い込み、30年払い込み、それぞれの時点での返戻率を聞いてみることです。外貨建て保険や変額保険はこの時点で「ダメだ」と気づくはずです。もう契約されている方も含めて確認されることをおすすめします。

死亡保険金、高度障害保険金、がん保険

 夫婦ならば不要でしょうが、子どもがいるならばある程度の保険金額が必要になります。それでも、厚生年金に入っていれば遺族年金が大きいです。家族四人、子ども二人でも1000万円程度あれば十分ではないでしょうか。

 

 ただ、これは住んでいる環境、地域が大きく左右しますから、ご家族で話し合って決めるべきですね。間違っても保険屋さんに聞いてはいけません。事前に調べて、決めて、そのうえで保険屋さんに聞かないと、向こうのペースになってしまいます。

変額保険のまとめ

 変額保険は月払いならまだ日も浅いので解約して良いと思います。契約時に一気に払い込むタイプの場合はおそらく鬼のような返戻率になっており、逃げられない仕組みになっているでしょう。痛すぎますが、そういう仕組みなのです。

 

 エグすぎてブログでご紹介していない例も実はあるのですが、金融庁が次にメスを入れるべき聖域は保険だと私は思っています。

 

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