たぱぞうの米国株投資

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S&P500を改めて中期目線で評価してみる

S&P500が高値チャレンジをしている

 2018年の年末に大きく下げたS&P500ですが、ここに来て大反発をしてきました。反発をした理由としては以下のようなことがあります。

  • FRBパウエル議長の態度の軟化
  • 良くもなかったが、崩れなかった企業決算
  • 悪くない各種経済指標
  • 米中貿易交渉への期待感

 このようなことが挙げられます。特にインパクトが大きかったのが、FRBパウエル議長の態度の変化です。2018年12月に株式市場が下落した際には、FRB資産の削減と利上げにこだわる姿勢を見せていました。端的にいうと金融引締めということになります。

 

 これに米中貿易交渉が加わり、実際にアップルの決算のアラートが出たこともあり、市場が大きく下げたのは記憶に新しいところです。

 

 この結果、年末にこの1年間のサポートラインであった2600を大きく割り込む水準まで下げました。この時に記録した2350ポイント前後は当面意識されて良い、下値のサポートラインということになります。リセッションが意識されるのは、このラインが割れてからということになるでしょう。

 

 その後、市場の動揺を見て取ったトランプ大統領の圧力も功を奏したのか、パウエル議長の態度はかなり軟化します。利上げが当面停止になったのはインパクトが有りましたね。従前では2019年中に2回の利上げが見込まれていました。

 

 3月の全人代に伴う、米中貿易交渉への期待も大変高まっており、相場の空気は一変しています。習近平氏にしても、トランプ大統領にしても、なんらかの外交上の成果を求めて来るのではないかという期待感ですね。

 

 また、大反発の途上で2600がレジスタンスになりましたが、もたついた末に抜いてきました。そうなると意識されるのが2800ポイントということになります。この水準もおよそ1年間に及ぶボックス相場の上値のレジスタンスになっています。

S&P500のチャートを改めて中期目線で見てみる

 2018年の1月と9月に上値のレジスタンスである2800ポイントを抜いてきましたが、長続きしませんでした。いずれもその後、2600ポイントラインまで落ちています。

S&P500は2800のレジスタンスを抜けるか、どうか

S&P500は2800のレジスタンスを抜けるか、どうか

 上値のレジスタンスは2800近辺にあり、下値のサポートラインは2600近辺にあるのが確認できます。2800を抜ければ次に意識されるのが2930ポイント近辺であり、そうなると新高値も現実味を帯びてきます。

S&P500のPEレシオはやや落ち着いてきた

 参考までにS&P500のPEレシオも見てみましょう。直近の半年は確定値ではなく、見込みですね。

S&P500のPEレシオ推移

S&P500のPEレシオ推移

 かつては17±3ぐらいが適正と言われていましたが、レンジが切りあがっていたのが2015年以降でした。特に2017年は25倍に達しており、やや割高感があったのは否めないところです。

 

 2018年末の調整を経て、このところは20前後とやや落ち着きを取り戻しています。

 

 とはいえ、これも基本的には過去のことであり、参考値の1つですね。リーマンショック時には企業業績が落ち込んでおり、PEレシオが100オーバーという異常値でした。じゃあ買えないのかというとそういうわけではないですからね。

 

 もし、米中貿易交渉がうまくいき、対中貿易が良化すればEPSが切りあがってきますから、株価を押し上げる大きな要因になるでしょう。

投資の選択が増えた状況であることには変わりない

 米国債10年ものの金利水準は2%半ばから3%というところで落ち着いています。当面FF金利の切り上げはないわけですから、債券系のETFの下値リスクは同様に当面ほとんどなくなりました。

 

 これは資産がある程度大きく、プール先を探している投資家にとっては朗報でしょう。日本と違い、米国は国債投資が投資先として機能していますから、分散投資としては魅力ということです。キャピタルが無く、金利がほとんど付かないものに投資しても意味がありません。

 

 株式に軸足を置きつつ、国債でリスクヘッジをしていくという流れは変わらないですね。

 

 テクニカル的には年末からの上げ相場でやや過熱感を示していますが、今の相場は多分にポリティカルな要素を含みます。参考程度にチャートを見つつ、今後の動静を見極めたいところですね。

 

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