ローリンズ【ROL】の銘柄分析、米国最大の駆除会社
ローリンズ【ROL】のシンプル銘柄分析です。
ローリンズ【ROL】はジョージア州アトランタに本社を置く、米国最大の害虫駆除会社です。S&P500採用銘柄です。
北米、オーストラリアを中心に中米、カリブ海、中東、アジア、地中海、ヨーロッパ、アフリカ、メキシコで、住宅や商業用施設に害虫やシロアリ駆除サービスを行っています。ホテル、食品サービス、食品メーカー、小売、運送会社など各業界でも事業を展開しています。
発祥は創業から100年以上経過している「オーキン」です。ローリンズの初期は、1948年にJohn W.RollinsとO.Wayne Rollins Srによって創立されたラジオなどのブロードキャスティング会社でした。
1964年にローリンズがオーキンを買収し、害虫駆除ビジネスに参入します。その後は積極的なM&Aで成長してきました。
現在世界に220超のフランチャイズを有し、800か所以上で240万以上の個人・商用のカスタマーがいます。最大の特徴は、害虫駆除というプロに依存する傾向があり、景気動向に需要が左右されず、今後も持続可能な廃れないであろう事業であることが強みです。
例えば住宅との契約であれば、家の中に入って作業することになるため、ブランド力と顧客からの信頼が必要です。結果、一度作業してもらうと、次もまたお願いしたいということになりがちです。
ローリンズでは一度契約を結べばその約80%が継続契約ということです。よって、収益基盤が非常に手堅いといえます。
ローリンズ【ROL】の株価チャートと配当
足元はやや軟調ですが、株価は5年で約3倍になりました。
2020年に2:3の株式分割を実施したため、現時点で35ドル程度と比較的買いやすい株価です。直近の配当利回りは1%弱です。
ローリンズ【ROL】の基礎データ
- 本社:アメリカ ジョージア州アトランタ
- ティッカー:ROL
- NYSE上場
- 決算期:12月31日
ローリンズ【ROL】の売上高と利益
売上高は順調に成長しています。ここには10期分しか掲載していませんが、23年連続増収中です。営業利益率は16%~18%といったところです。
増収は前述したように、近年はほぼ毎年実現している積極的なM&Aが大きく寄与しています。企業が拡大した結果、「規模の経済」が効いています。
Fy2020の売上の構成比は、商業施設向け36%、住宅向け45%、シロアリ駆除19%です。COVID-19によるロックダウン等もあり、この1年は商業施設向けより住宅向けのシェアが大きかったのが特徴となります。
ローリンズ【ROL】のBPSとEPS
BPSの成長が著しいです。これは前述したM&Aの結果でしょう。事業領域と規模の拡大でEPSもおおむね右肩上がりで増加していますが、EPSの絶対値として高いわけではなく、結果として比較的枯れた産業ながらPERの水準は決して低くありません。
<ローリンズ【ROL】のキャッシュフロー>
M&Aで買っているのは客と人材とノウハウです。よって設備投資が少なく、結果としてフリーCFが潤沢な企業です。設備投資が不要な代わりにフリーCFをM&Aに使うことで経営資源を拡大しています。
グローバル米国害虫駆除市場調査レポート2020-2023によれば、米国の害虫駆除市場は過去数年間高い成長率で推移しており、レポートの予測期間である2023年までは、可処分所得、家計資質の増加、都市人口の増加、気候条件の変化などにより成長が続くと見込まれています。
世界的にみても地球温暖化に伴い、当面害虫駆除の需要は増えることはあっても減ることは無いでしょう。ローリンズ【ROL】は、事業領域も投資家へのアピールも業績も地味な企業で、ハイテク企業のようにニュースもほとんど飛び込んではきません。
裏を返せば難しく考えず、比較的安心してホールドしていられる銘柄ということになります。
長期銘柄厳選投資を是としたファンド、農林中金バリューインベストメンツ株式会社の常務取締役・最高投資責任者(CIO)の奥野一成氏の運用で知られる、「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」の投資先であることも付け加えておきます。
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