たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

SPDRハイイールド債券ETF【JNK】は高利回り債券のETF

SPDRハイイールド債券ETF【JNK】とは

 JNKはSPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイイールド債券 ETFといいます。スパイダーから出しているハイイールド債のETFです。ジャンク債も扱うということで、ティッカーはJNKです。覚えやすいですね。

 

 ハイイールド債というのは、名前の通り高利回り債です。JNKは格付けが低く、その分高利回りになっている社債で構成されるETFということです。

 

 ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド・ベリー・リキッド指数への連動を目指しています。指数名が長いですが、簡単に言うとハイイールド債券の指数への連動ということです。PFFやBNDなどと同じく、毎月分配をしています。債券系のETFは毎月分配金を出すものが多いですね。

 

 ブラックロックの【HYG】と性格は似ています。資産規模は【HYG】のほうが倍近く大きいですね。ハイイールド債に関してはこの2つが人気を分け合っていると言ってよいでしょう。

 

 信託報酬は0.40%です。年ごとの変動があるとはいえ、HYGが0.5%前後、PFFが0.48%前後ですから債券系高配当ETFでは信託報酬の面ではやや優位です。PFFは優先出資証券ETFなので、ハイイールド債のJNKやHYGとはちょっと性格は違いますけどね。

JNKの分配金とチャート

JNKの分配金とチャート

JNKの分配金とチャート
  • 2007年12月 取引値143ドル 分配金1.05ドル
  • 2016年11月 取引値106ドル 分配金0.53ドル
  • 2018年 7月 取引値104ドル 分配金0.48ドル
  • 2021年 3月 取引値108ドル 分配金0.45ドル

 

 取引値は全く伸びていませんね。分配金も漸減傾向です。分配金の利回りが高いので、分配金込チャートならば伸びています。取引値ベースだと投資するのに躊躇するチャートですね。高利回りの債券ETFはこういったチャートが多いですね。

 

 とはいえ、高利回りが際立ちます。債券利回りが全体的に上昇する中、JNKも利回りはおよそ5%です。組み入れ銘柄数は800超ですから、ジャンク債の集合体と言えどもリスクはほとんど最大限に分散されていると言えます。

 

 ここがこのETFの最大の魅力です。個別では買えないようなリスクある債券も、もしくは個人投資家では入手しにくい債券もETFでは買うことができます。

 

 大きく落ち込んでいるのはやはり、2008年リーマンショック、2016年チャイナショック、2020年コロナショックの時ですね。リセッション時には高リスク債券は株式と同様に売られますね。ここが低利の短期債、国債とは違うところです。

 

 JNKは設定日が2007年11月28日とリーマンショックの直前期でした。140ドル前後で取引されていましたが、その時は80ドルまで落ちています。コロナショックでも80ドル台まで落ちました。初値で買った人は未だにその値を超えていないということになります。

 

 ただ、高利回りですから長期、分配金再投資で持っていれば報われる可能性が高いETFです。スパイダーの説明によると、2007年設定日からのパフォーマンスは年率5.5%程度になります。

 

 米国株投資で意識されるのが年率6%~7%ですから、まずまずでしょうか。ただし、この10年でS&P500は年率およそ10%の上昇を示していますね。

 

 連続増配銘柄のようにジワジワと持っていれば配当金が増えてくるということではなく、その時の金利動向に左右される要素が大きいのが債券系のETFの分配金です。連続増配銘柄などと違い、分配金が右肩上がりではないことは留意しておきたいですね。

SPDRハイイールド債券ETF【JNK】の構成

JNKの構成銘柄の格付け

JNKの構成銘柄の格付け

 ファンドに組み入れられている債券の格付けです。BB、B、CCC格というのは個人で抱え込むにはちょっと躊躇するレベルですね。

 

 他の高利回り債券ETFと同様に金融危機には高い感受性を示すことは知っておきたいです。基本はコアではなくサテライトとして活用するタイプのETFですね。

 

 株式やビットコイン、あるいは金のリターンがこの数年は優れたため、高利回り債券ETFはあまり組み入れる人がいなくなりましたね。金利上昇局面を迎え、やや難しい立ち位置になっています。

 

 関連記事です。

 こちらはブラックロックのHYGです。HYGもハイイールド債を扱うETFとして非常に知られた存在です。JNKと人気を分け合っています。HYGのほうが運用総額は大きいですね。

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 こちらはPFFです。優先出資証券ETFです。PFFは平時は殆ど値動きがありません。しかし、リーマンショック後に半値になっていることからも分かるように、ディフェンシブな働きというのは殆ど期待できません。

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 ビットコインについてです。この数年で価値が改めて見直された感がありますね。ただし、大変ボラタイルです。

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