共働き家庭の投資戦略、貯蓄と投資のバランスを考える
気が付けば多くの家庭で共働きが定着しています。共働きをしていると、子どもが小さいうちは大変です。本当に時間が無く、保育園の送り迎えや日々の身の回りのお世話で時間が過ぎていきます。
忙しくても、若いから体力勝負で乗り切れるという面もありますね。良い面としては、生活が仕事100%にならない、いやなれないので多様な価値観が身に付くことでしょうか。悪い面としては、忙しすぎて日々に余裕が無いということです。
こういうことを経験して、人は親になり、そして強くなるように思います。共働きだと、それほどに時間と心に余裕が無い生活が続きます。
育児はかつては地域コミュニティなど社会全体で担う仕組みがありました。今は殆ど親に依存していますね。この負担は大きく、税制面や行政面での支援が必要なのは間違いありません。その支援の薄さも、少子化に拍車をかけていると言って良いでしょう。
その代わりといってはなんですが、共働き世帯の資産形成は非常にはかどりますね。単純に年収500万円として考えてみても、世帯年収1000万円と、世帯年収500万円ではやはり大きな違いがあるのです。単純に2倍働くわけですから、セミリタイアも視野に入ります。
1人で40年働くことと、2人で20年働くことは、ほとんど同じです。厳密には昇給があるので、1人で40年のほうが効率的に収入は伸ばせます。しかし、気持ちの面ではそういうことですね。
そういう意味では、これから結婚する人は専業主婦・主夫になるか、それとも共働きで過ごしていくのか、このあたりの価値観も含めてすり合わせておくと良いでしょう。結婚した後にこの価値観がずれていると、大変なことになります。
さて、今回は共働きの投資戦略ということでご質問を紹介します。
貯蓄と投資のバランスをどうするか、悩んでいます。
たぱぞう様、毎朝楽しみにブログを拝見しています。
今回、共働きの投資戦略についてご教示願いたく質問させてください。
現在結婚1年半、私(24歳/公務員)妻(27歳/看護師)の二人で地方に賃貸住まいをしています。
資産は現在
- 貯金 530万
- 財形貯蓄 140万
- 投資信託 70万(イデコ、積立NISA)
があり、世帯年収900万(税込み)の内400万を
- 貯金 276万
- 投資信託 64 万
- 財形貯蓄 60万(年利1.2%、令和4年より毎年3万6千円の拠出、60歳で550万)
に振り分けています。
去年から二人分のイデコと私のつみたてNISAをSBI証券で開設しており、今年の末から妻の積立NISAも開設するため非課税枠に年間108万を投資できます。
投資信託は
- emaxis slim米国株式 65%
- emaxis slim先進国株式 15%
- emaxis slim国内株式 15%
- emaxis slim新興国株式 5%
で投資していますが、これから現金比率を更に高めるか他の投資に振り分けていくかで悩んでいます。
私は転勤の多い地方公務員のため持ち家は考えていませんが、社宅は老朽化が激しいため民間の賃貸住宅(月2.7万補助)に退職まで住み続け、妻には子供を授かった際も仕事を続けてもらおうと考えています。
投資経験は、結婚前に日本個別株投資をしていましたが、私には向いておらず断念しました。
追伸、私は読書が趣味で最近はシーゲル教授の著書を読み返してますが、おすすめの著書を教えてください。
共働きの20代ならば、投資というリスクは大きめにとれる。
大変しっかりされていますね。24歳からそれだけ将来のことを考え、貯蓄と投資をされていることに驚きを覚えました。大体において、もうちょっと遊びたい年代ですからね。
また、奥様のお仕事も素晴らしいですね。引く手あまたのお仕事で、忙しい時期に退職したとしても、再就職がいつでもどこでも可能というのが素晴らしいです。1つ2つの偏差値の違いで大学を血眼になって選定するよりも、将来にわたって使える現実的な資格を取ったほうが良いですからね。
資格として使える学歴は、学士・修士が溢れかえる日本ではほんの一部の大学に過ぎません。進学費用も投資ですから、それに見合ったリターンがあるかどうかは考えたいところです。
さて。話が横道にそれました。おっしゃるように、貯蓄の比率が高いですね。16%が投資、財形ふくむ貯蓄が84%ですね。お若いですから、なにか喫緊に使う用途があるならば別ですが、この比率は逆でも良いと思いますよ。わたしならばそうします。
理由は、若いので長期積立投資戦略が取れるからです。40年近くの年数が取れるわけですから、これは生かしたいですよね。投資先の比率に関しては、おそらく考え抜かれた結論なのでしょう。
相場のボラティリティが高いので慎重になりますが、40年の中での一コマならば、リスクを取りに行って良いと思います。
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基礎基本ということではこちらの考え方になります。
最悪のリスクに備えて、こちらの記事もご紹介しておきます。為替変動はよろしくない方向に振れるとそれなりのダメージが短期ではあります。
将来に備えて分配金を取りに行くという発想もありますが、若いうちはVTIやVOOのほうが良いでしょうね。