40代を生き抜く仕事術と心構えをどう考えるか
30代後半から40代にかけては自分が見えてくる頃ですね。仕事上での向き不向き、キャリアがかなりはっきりしてくるころです。
右も左も分からず突っ走ったころは過ぎ去り、かなり周囲が見えるころでもあります。さて、そのような時にどのように仕事に向きあい、自分と職場に資する仕事をしていけばよいのでしょうか。
資産形成も含めてご質問を頂戴しています。ここで紹介します。
40代で仕事を多く任されているが、夢と希望を管理職に見いだせない
たぱぞう様へ
はじめまして。Kと言います。いつも楽しくブログを拝読させて頂いております。
教職をしながら、たぱぞう様のブログを参考に、わずかばかり投資を積み立てているものです。突然の連絡申し訳ありません。
資産運用の勉強をするなかで、貴ブログと出会いました。書籍も3冊ほど読ませて頂きました。
お陰様でアメリカ株への一歩を踏み出すことができ、利益と金融知識も少しずつ増やすことができています。
ブログでは沢山の学びを得ましたが、特に、ある記事での奥様への介護の体験の記事に読んでいて胸が熱くなり、涙しました。自身も妻が体が弱く、3歳の娘を抱え、多忙な仕事に向き合う日々です。
前置きが長くなりました。
今回、メールをさせていただきましたのは、自分の目標とする60までの定年と月5万の配当金に向けて、自分の運用方法の変更について御意見を頂きたいからです。
以下、長文になることご容赦ください。
なお、現在の家族構成、資産等はこのようになります。
家族構成
- 自身 44歳
- 妻 37歳
- 娘 3歳
年収
- 自身 780 (手取り、約630ほど)
- 妻 100(扶養内。ただし、病弱のため、今後も継続は期待できず。)
◎資産
- 現金 200万
- 財形 450万
- 株 660万ほど
株内訳
・個別株
- 三菱商事 50万
- モーニングスター 36万
・投資信託
- M資産設計ファンド 230万
- 楽天・全米株式インデックス 150万
- SBI S&P500 60万
- VGT 20万
- .ideco 三菱S&P500 60万
- JrNISA emax20万
〇現在の運用
- 毎月、NISAで楽天全米株式
- 毎月 1万 M資産設計ファンドを積立
- 毎月 2万 財形貯蓄を積立中(利率0.015~0.02)
- 毎月 JrNISA s&P500(娘の将来の進学用)
- ボーナス時にVGTを積み増し(現在は利益ないが、将来性あると見込んで。)
☆以下、今後の運用方針について質問です。
定年(65以降になると見込んでます。)前の60までにFIREしたく、退職時に年金+配当金の生活収入で5万円ほど得ることを考えています。
現在NISA 、idedoで積み立ていている楽天、S&P500はあくまで生活防衛資金として考えています。そこで、現在の運用を以下のように改めるか考えています。
ご助言頂ければ幸いです。
〇変更案
- 財形を100万ほどおろし、積立もやめて、毎月の積立(NISA枠外に、VYMもしくは1655)に充てる。
- M資産設計ファンドの積み立を中止して、①の積み立てにする。
- VGTもやめて①を増額、合わせて月3万ほどを、配当金増額を目標としているのでVYMか1655へ。
以前、1655の今後の成長性も見込むと配当金も上がる可能性があることをブログでご指摘されていたので、VYMより1655を買い足していくことを検討しています。
特に、現在の
A 財形の継続
B M社資産設計ファンドの継続
C ボーナス時のVGT積み増し
の3点について御指導いただければ幸いです。
Aの財形貯蓄も教員になった当初より、金額の幅はありますが、継続しています。強制貯蓄機能の良さから続けていましたが、利率の低さと換金の面倒から検討しています。
Bについては、たぱぞう様のブログで、改めて信託保有率に注目したことがきっかけです。株を始めた当初より、積み立てを続けておりますが、50万ほどの利益があります。
しかしながら、運用管理費用が0.55 信託財産留保0.3 かかります。これから約15年預ける先として、将来の配当金収入を見込みVYMや1655の方がよいのか、ご意見を伺いたいです。
以前、FPの方に現在の信託商品を買い続けることについて相談したところ、一度積み立てを始めたのなら、あまり変えずに、とにかくギリギリまで買い増しをつづけた方がよい」とのアドバイスを受けました。
Cについては、VGTの商品性に注目をしてボーナス時に買い増ししていますが、目立って利益がないため再検討しています。
追伸
退職後の進路について
様々な職業の方がみられており、甘いことを言っていると思われるかもしれませんが、以前に、たぱぞう様もTwitterで触れていましたように、教員の仕事は激務を極めています・・・。
現在、様々な主任業務等を任せられております。管理職からも、昇進試験を受けるよう勧められることもあります。しかしながら、身近にいる管理職の姿などを見て、どうしても、昇進の意欲がわきません。
何より、精神的にも体力的にも限界を感じることが多く、退職金が減額することによる家族の防衛資金は不安ですが、定年(65?)ギリギリまで働くより、あと15 年ばかり働き先に述べたように50代後半~60で退職を考えております。
少しばかりの論文、書籍への執筆もあり、四苦八苦して現場で働いた経験と合わせて、この経験を生かしたいという希望があります。
大学で非常勤講師をしながら、わずかばかり収入を得て、次世代の教員を育てることに貢献しつつ、仕事と家庭にゆとりを持ちたいと考えています。
年金+配当金で生活をしつつ、心穏やかに先述の生活を過ごすことを願っています。
駄文を長々と大変に失礼しました。日々、たくさんの業務を抱え、また質問も多数来られるかと思います。もし、お時間許す気があり、ご意見をうかがえる時がありましたら、何卒宜しくお願い致します。
40代にとっての理想の人生は必ずしも仕事、管理職ではない
まず、運用についてお答えしますね。
最初にAの財形の扱いです。
財形は3種類あります。一般財形、住宅財形、年金財形です。このうち、一般財形は利回りが低すぎ、保険機能もないため不要です。住宅財形は保険機能があるものがあり、使いようです。ただし、用途が住宅購入に限られ、使い勝手はよくありません。
年金財形は悪くありません。解約が自由で保険が付帯しており、利回りが1%近いならば継続を検討されてもよいでしょう。重度障害、死亡時に積立額の5倍が保険として戻ってくるというものもあります。職場で確認されてみてください。
特に大きな保険に入っていないならば、住宅購入時の団信と含めて良い選択になる可能性があります。
次にBです。これはリスクリターンはうまく設計されていますが、不要です。一言で言うと、信託報酬の高いバランスファンドです。
FPさんはどこかと紐づいている可能性があります。他に似た商品でより安いものがあるのに積立継続させるFPさん、その背景に思いを寄せてもよいでしょう。
新しく良い商品や、信託報酬の低い商品が出たら積み立てのスイッチングをするのが常識です。そうしないのは、そうされるとFPさんに何らかの不利な条件が発生するからです。
日本のFPは直接フィーが出ず、商品販売のバックマージンで生活しているケースが多いです。そのため、このようなお互いが不幸になるケースが発生しがちです。誰が悪いというより、制度が悪いのですね。
3つめにCです。VGTはよいETFです。とはいえ、セクターETFですからS&P500やVTIのように盤石というものではなく、当然ながら濃淡がつく投資です。また、金額が少ないと、確定申告の手間に見合わないことになります。
まとめますと、変更案の1を検討されてよいでしょう。お考えの方法を採用されてみてはいかがでしょうか。
最後にお仕事についてです。
身近にいる管理職に希望が持てないというのは深く共感するところです。私は「次はあなたが〇〇の立場だよ」と言われた1週間後に退職を申し出た、という経緯があります。みんながずっこける展開です(笑)
その立場、連絡調整の強化型のようなポジションに魅力を覚えなかったからです。私は管理するのもされるのも好きではないタイプの人間です。自分を弁え、自分の特性を踏まえた生活を実現していくことが大事ですね。
ちなみにその後その立場の人は、心のトラブルで療養休に入っています。完全に復活はせず、今ではやはり早期退職をされています。やはり大変なことなのですね。
制度の歪み、組織の歪みをマンパワーで乗り切っているケースがあります。40代とはそういう歪みを任せられる年齢でもあります。
現状に全力と最善を尽くしつつ、次なるステップを描いていられる。これはとても大事なことですよ。当然ですが職場と私たちは契約関係で成り立っています。私たちの生活、もっというと人生そのものを契約以上に担保してくれるものではありません。
これは逝去した家内が職場から受けた扱いから痛感したところです。契約以上に守りようがないのですね。しかし、組織や制度と違い私たちには情がありますから、ついついそのことを忘れがちです。結果的にそれは職場への依存に他ならないのですが、時々原理原則を振り返りたいところです。
目の前の仕事をきちんとしつつ、自立した社会人として、人として、どのようにでも生きられる心づもりと経済力を持っておくということです。
結局投資と同じで、自分のことは自分で守る、自分の生き方には自分でしか責任が持てないのです。
40代は同時に体力気力が落ちてきます。がむしゃらに突き進んで解決する時期は過ぎつつあるのです。
しかし、同時にこれはチャンスです。自分や家族と向き合い、老後へ向けてどのような過ごし方をしていくか。持続可能な生活を冷静に見極めていく時期なのですね。
共に頑張りましょう。応援していますよ。
関連記事です。
いつまで走り続けるのか、ということです。
面白ければ、永遠に走るのもありでしょう。
資産は人生の選択を増やします。