20代30代は広げ、40代50代は深める時期
もし10代で挑戦できるならばそれが理想です。しかし、多くの人は投資をするのに十分な資金を作れるのは20代になってからでしょう。その資金の使い道は自由で、人によっては旅行に行ったり、クルマを買ったり、様々な体験や消費に消えていきます。
そして、その1つひとつがその人の人生にかけがえなのない経験や記憶として残るのだろうと思います。定型化できるものではないですが、こういう言い方もできるのではないでしょうか。
20代、30代は人間の幅を広げる時期。
40代、50代は得た幅を深める時期。
私自身、広げる時期と深める時期というのを意識して過ごしたいと思っています。ちょうどその境目は40歳ぐらいになります。80歳まで生きるとして、ちょうど半分だからです。
人生という山を、ずっと登り続けることはできません。どこかで頂上を極め、粛々と下るという人生に転換します。下りきった時に、死を受け入れるということになります。
登るということに価値を置かれがちですが、それと同じぐらいに大事なのが下り方、人生の下り方です。何を大切にして下っていくのか、そのときにぶれない生き方をしたいです。誰もが勝ち続けることはできないし、全ての面で向上し続けるのも無理があります。
少々話がずれましたが、人生の幅を広げる一つとして、投資という選択肢を加えてよいと考えます。
20代の後輩から投資に関する質問を受けた
先日、20代の後輩に投資について相談されました。いろいろ話すうちに感じたことがあります。投資をしたことが無い人が投資をなぜ恐れるのか、ということが実感として感じられました。ちょっと話の内容を整理してみます。
- 損するのが怖い
- 間違った商品を買うのが怖い
- でも、貯金してもしょうがないので、挑戦してみたいと思う
- 最初は確定拠出年金はどうだろうか
- ついては確定拠出年金の本も読んでいるが、その本は適切か
ということです。確定拠出年金はどこの会社を通してどの商品を買うのが良いのか、というのは難しいところです。資金拘束もありますし、さらに米国市場の商品を見慣れていると、どうしても商品競争力の弱さが見えてしまいます。もちろん、税制上は魅力です。
ただ、確定拠出年金を入り口として投資を始めるという発想が素晴らしいと思いました。若くて所得がまだ低めならば控除のメリットもあるかと思います。さらに、自ら本を買って読んでいるというのがいいですね。
人は教えてもらうことも大事ですが、自ら学ぶのも同じぐらいに大事です。人からしか学べないこと、本からしか学べないこと、それぞれ貴重なものです。
投資を始めてみるということが大事
今は株高なので、時期としてははっきり言ってよくありません。しかし、始めてみるということに価値があると思います。
定年後に退職金をつぎ込むという投資方法が最悪です。なぜならば、経験無い中での投資には失敗がつきものですし、失敗したときにリカバーする収入が限られるからです。下手すると、リカバーできないということになります。
バッティングと同じように、投資も練習が必要です。
不思議なもので、人間とはフルインベストまで行かなくても、行き過ぎたポジションを取りがちなものです。投資経験のない人が退職金を手にしたら、よほど意識をしない限りポジションを取りすぎます。結果として、暴落時に手が出ず、買場を逃すということになります。
最悪のケースでは、減り続ける資産を見て精神的な安定を失い、底値で投げるということになります。
若いうちに失敗を重ねることです。若いうちならば投資額も知れています。つまり、損失額も知れています。さらに、働き続けるかぎり、収入から再チャレンジができます。
そうするなかで、自分にベストな投資方法が見つかると思います。年月を重ね、年取るときには、少々のことでは動じない投資経験が得られていることでしょう。それこそが、お金を払っても得難い、かけがえのない自分だけの投資スキルということです。
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