たぱぞうの米国株投資

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財政破綻、預金封鎖への対策。

財政破綻や預金封鎖は日本で起こるのか

 預金封鎖は、政府が借金で破たん状態になった時、銀行預金など国民の財産に財産税という形で課税するために、強制的に銀行から預金を下ろせなくすることを言います。預金が封鎖されるので預金封鎖です。

 

 いわば、財政破綻を避けるための手段が預金封鎖ということです。ですから、国民が破産しても国家は生き残るということです。戦争に負けても、財政が破たん寸前になっても、現に日本政府は生き残っています。他の財政破綻がちらついた国、政府も生き残っています。

 

 例えば最近30年で預金封鎖を行った国では、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、キプロスがあります。いずれも国家は今もあります。もっとも、国民は高インフレなどで資産の目減りを受け、辛酸を舐めました。

 

 なお、インドも銀行営業停止の預金封鎖を先日行いましたが、これは目的が異なります。

 

 戦時中の戦費が膨らみ、返済のめどが立たなくなったために日本は第二次世界大戦の終戦後に預金封鎖を行っています。ちなみに返済のめどが立たなくなったのは当時のGDPの2倍の国債を抱えたからです。

 

 そして、今の日本も2倍弱の国債を抱えています。よく、「日本は国内での円建て国債だから問題ない、国民の貯蓄や財産で十分償還できる」という話を聞きます。どうしてそんなに楽観的な解釈になるのか不思議です。

 

 実は第二次世界大戦の戦費もほとんど円建てで、諸外国は戦争状態だったために殆ど日本国債を購入していませんでした。友好関係にない国の国債を消化してくれるはずがありません。

 

 日露戦争の戦費がドル建て、ポンド建ての国債で賄われたのと大きく違うところです。このときは日英同盟があり、かの高橋是清氏がロンドンで起債に尽力しました。日露戦争の外貨建ての国債はきっちり返済されました。返済し終わったのは1986年です。

 

 それに対し、円建ての第二次世界大戦の戦費は新円発行とインフレで大幅に希釈されました。外国に不義理はできなくても、国内では政治的になんとかなってしまったのです。

 

 通貨発行権を持つ日銀と国債を発行する政府が共同歩調を取れば、他国に迷惑をかけずに既存の国債を減価させることができるという一つの証明です。

 

 繰り返しますが戦後の日本では新円を発行し、旧円の価値を大幅に減価させ、借金を減らしました。今の日本も同じことをすればたちまち財政は生き返ります。

 

 通貨の希釈は国債を実質的に減らすには非常に使い勝手の良いツールになります。

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  こちらの記事から貴重なコメント、ご質問を頂きましたので、僭越ながら返信という形でもうすこし焦点化して記事にしたいと思います。

 

 コメントはこちらです。

masamihashiさん

いつもためになる記事を有難うございます。預金封鎖への対策として、国内の証券会社を経由して海外株を所有することは役に立つでしょうか?インフレには役立ちそうですが、、、 宜しければご教授ください。

財政破綻を避けるための預金封鎖を日本は選択するのかは読めない

 政府が財政破綻に伴う預金封鎖をするのかどうかは経済学者やエコノミスト、政府関係者含めて議論し尽されているところがあります。一応憲法上は財産権は侵害されないことになっていますが、それも含めて結論は出ていません。

 

 これは、世界3位という経済大国、1000兆円を超えるという多額の国債発行額、こういった大きなスケールでの財政破綻が前例にないからです。そして多分に政治的で、恣意的です。つまり、読めません。しかし、最悪のケースを想定して対策を講じることは可能です。

 

 そのためここでは、財政破綻、あるいは預金封鎖の可能性を論ずることは他に譲り、どのように私たちは行動するべきなのかを記しておきたいと思います。投資行動の指針は不変であり、過去から未来を見ることができるからです。

分散投資の考え方を援用するしかない

 株式投資の世界では、投機的売買を除いて、資産運用としては単一銘柄を同時に買うことは避ける傾向にあります。とくに運用額が大きくなればなるほどそうです。一般的な給与では損害が補てんできなくなるからです。

 

 「卵を一つの籠に盛るな」という投資の格言があります。卵は1つ2つ割れても被害は軽重ですが、籠ごとすべて割れると被害甚大です。

 

 そのため、投資では「投資対象の分散」と「投資時期の分散」が大事になります。

 

 国家が財政破綻、あるいは財政破綻をしそうになると、その国家の中央銀行が発行する通貨も大暴落します。国の信認を得ていることが前提で通貨の価値が発揮されるからです。紙幣はもとはただの紙です。それが通貨として尊重されるのは、国家による価値の裏付けがあるからです。

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  そのため、国家の財政破綻が近づけば、最も減価する資産の1つは現預金ということになります。国家による価値の裏付けが無くなるからです。

 

 それでも、現在多くの人にとって現金が未だに信頼され、金融資産として保有され続けるのはなぜでしょうか。それは、数字という一見絶対的な尺度で計れるのが現金だからです。

 

 例えば不動産は時価であり、流動性の低いものです。金や株式も同様です。相場の動向に左右されます。価値は日々変わります。しかし、ドルや円といった安定した国の通貨はめったなことでは極端な減価をしません。

 

 そのため、現金の数字が増えることイコール資産が増える、と理解されやすいです。

 

 とくに戦後の日本は安定していましたし、このところ30年近く通貨が減価する、つまりインフレも収まっていますので、現金至上主義ともいえる信頼を得てきました。

 

 しかし、これは海外では違います。インフレの激しい国では自国通貨だけではなく、ドルが流通しています。むしろ、ドル払いが喜ばれます。年単位、ひどいと月単位で通貨の価値が下がることが自明だからです。

 

 また、中国やその影響を受ける東南アジアでは金がよく流通しています。町中に金を扱う商店があります。金の価値はゼロになることは決してありません。これらの国の人たちは日本人ほど国家と言うものを信じていないように見えます。それは民族や国家が栄枯盛衰を繰り返し、ひしめき合う大陸の歴史的背景と無縁ではないでしょう。

 

 そう考えると、せっせと預貯金だけで資産運用をしているのはこれからは危険極まりない、現在の日本だから安全に見える世界的にはマイノリティに属する運用ということになります。

具体的な分散運用の方法

 具体的な運用の方法。それは資産を土地、建物、金銀、株式、外貨などに分散させることです。

 

 日本円だけで資産形成をしないことです。給与と退職金ですでに十分に日本円ポジションを持っていることを認識すると、違った景色が見えます。

 

 預金封鎖、インフレ時に不動産が絶大な威力を発揮するのは森ビル創業者の森泰吉郎氏が証明しています。ただ、高度成長期のモデルと今の縮小経済社会は違います。むしろ不動産賃貸経営は話題になりすぎて、国内優良物件はほとんどなくなり始めています。素人が無理に多額の借金をしてまで行う時期ではないのは明白です。

 

 それでも、低金利で長期借入をし、住宅ローンを組むのは有効と考えます。多くの人にとって自宅購入の金利、つまり住宅ローンはは事業金利より安く、また郊外であればそれほど値上がりもしていないからです。私も賃貸派から自宅派に切り替えました。

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 金銀、株式、外貨は相場ものですので、円が安くなれば当然相対的に高価値になります。ただ、金銀、外貨は金利を生みません。そう考えると、株式や債券を組み入れるのは必須と言って良いでしょう。

 

 特に、外貨建てで株式や債券を購入するのは非常に有効な手段と考えます。私が米国株投資を運用のメインに据えるのもこういった理由です。同様に海外不動産での運用ができるならばこれも魅力でしょうが、流動性に不安があるのとメンテナンスがほぼ不可能なのでこれは行っていません。在住なら強みがあります。

 

 現預金の数字は絶対的に見えますが、それは数字のトリックです。というより、いつの時代も絶対的な価値を持つ資産というのはありません。資産価値というのは変動するものだからです。

 

 分散投資こそが、先の見えない日本においてのサバイバル術です。

 

 ドル建て投資のメリットについての記事もよろしければご覧ください。

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 インドの銀行営業停止についての記事はこちら。

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