W.W.グレインジャー(GWW)はMROで全米最大企業
事業内容は工具を中心とする様々なものの維持補修に関わる資材販売です。アマゾンなどの小売りが一般的な物品を広く取り扱うのに対し、工具やDIYに必要な物品を140万点という他を圧倒する品揃えで狭く深く扱っています。
売上のおよそ4割は米国ですが、カナダや、子会社を通して日本でも事業展開をしています。
創業は1927年、上場は1975年です。近年ではインターネット通販に乗り出し、時代に合わせた事業展開をしてきました。今の経営の中心は通販サイトZoroの運営で、マイナーな分野での小売ながら、顧客は200万人を超えます。
日本では2000年に住友商事とW.W.グレインジャーの出資で株式会社MonotaROを立ち上げ、急成長させてきました。MonotaROはMRO(Maintenance Repair and Operations)からの造語です。
MROとは字のとおり、主にインターネットを使って、企業や個人が日常的に使う消耗品や備品を発注から納品までスムーズにするシステムのことです。
モノタロウのホームページを見ると、W.W.グレインジャーのイメージも湧きやすいと思います。
工具通販 MonotaRO(モノタロウ) 現場を支えるネットストア
※W.W.グレインジャーの本社ページから
W.W.グレインジャー(GWW)のチャートと配当
2006年11月 株価70.5ドル 配当0.2899ドル
2016年11月 株価222.15ドル 配当1.22ドル
株価はこの10年で3倍になっています。リーマンショックでは90ドル前半から60ドル台前半まで下げました。この下げ幅は少ないと言っていいでしょう。
その後2009年から2013年にかけて4年間で270ドル台まで駆け上がっています。事業内容も地味目ですが、その内容のしっかりさが見直された形です。ちなみに1996年で35ドル、1986年で10ドルでした。
30年で22倍です。長期投資をするならば、こういう株を買いたいですね。
配当はこの10年で約4倍になっています。連続増配44年であり、コカ・コーラやエクソンモービルといった連続増配で有名な企業よりも長く連続増配をしています。他の連続増配銘柄もそうですが、このW.W.グレインジャー(GWW)も増配は経営方針の1つになっています。
このブログで紹介してきた銘柄の中でも、この10年で最もパフォーマンスが高かった銘柄の1つと言って良いでしょう。
W.W.グレインジャー(GWW)の基礎データ
ティッカー:GWW
本社:アメリカ・イリノイ州・シカゴ
来期予想PER:19.30倍
PBR:5.90倍
ROE:27.83%
ROA:14.03%
EPS:11.12ドル
配当:4.88ドル
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
この3年の売上平均成長率は約3%ですが、逆に平均利益成長率は-2.7%です。成長は停滞気味と言って良く、2013年以降の株価によく表されています。
現在の配当は2%弱です。
上場来高値は2013年に記録されていますが、業績が伸長すれば株価もこの高値を抜きに来るでしょう。今の停滞を次の飛躍への調整と見るか、それとも事業モデルの停滞と見るかで投資判断が分かれそうです。