たぱぞうの米国株投資

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イリノイ・ツール・ワークス(ITW)は産業機械製造の多国籍企業、増配44年。

イリノイ・ツール・ワークス(ITW)は連続増配44年の機械製造業者

 イリノイ・ツール・ワークス(ITW)の事業ポートフォリオは、自動車などの輸送機器部品事業、エレクトロニクス事業、食品機器事業、建設用品事業、ポリマー・流体事業の6つの事業からなります。

 

 2014年まで工業包装事業も傘下に持っていましたが、ワシントンに本拠をおくプライベート・エクイティ・ファンドであるカーライル・グループに売却しています。

 

 カーライル・グループは日本でも東芝セラミックスやイー・アクセスへのバイアウトで知られています。

 

 また、2016年にはアクティブセーフティシステムとパッシブセーフティシステムの開発・製造大手であるZF TRW社から自動車用のファスナー事業を買収しています。

 

 親和性の高い事業や採算性の高い事業を買収すると同時に、シナジー効果の薄い事業を売却する経営手法を採用しています。

 

 後述する高いROEが達成されているのはこのような効率経営の積み重ねであると言えます。

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 一般的には日本ではあまり名前が知られていないかもしれませんが、従業員は48000人、58か国で事業展開をする多国籍企業です。ちなみに、機械翻訳ながら日本語対応サイトも持っています。

イリノイ・ツール・ワークス(ITW)のチャートと配当

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2006年9月 株価44ドル  配当0.21ドル
2016年9月 株価118ドル 配当0.65ドル

 

 株価は3倍近くになっています。11月のトランプ大統領の当選で株価は125ドルまで上がっています。2016年初頭のチャイナショック時に80ドル前後でした。

 

 リーマンショックでも5割以内の株価変動だったことを考えると、ボラティリティが高い企業ではありません。それが近年じわじわと株価変動幅が大きくなってきているように見受けられます。ベータ値は1.05です。

 

 配当は3倍まで成長しています。連続増配歴は44年を数え、以前に紹介したジェニュインパーツなどと同じく連続増配企業として一部投資家から人気があります。株主還元に熱心な企業と言って良いでしょう。ただ、株価の成長もあり、配当は2%弱というところです。

イリノイ・ツール・ワークス(ITW)の基礎データ

ティッカー:ITW
本社:アメリカ
来期予想PER:22.03倍
PBR:1.35倍
ROE:31.5%
ROA:11.42%
EPS:5.60ドル
配当:2.29ドル
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)

 

 連続増配銘柄ですが、配当性向はおよそ40%と配当余力は十分です。また、ROEは30%を超えており、産業機械を主に扱う企業としては高いほうだと言えます。

 

 売上高は近年停滞気味ですが、それでも営業利益は地味に上昇を続けており、事業内容の精選が進んでいることを窺わせます。

 

 現在は高PERで買いが進んでいますが、調整局面では指値を入れたい企業のうちの1つと言っていいでしょう。