たぱぞうの米国株投資

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英国株、生活必需品株、高配当株が値下がりしている

英国株、生活必需品株、高配当株、が値下がり

 高配当株が値下がりしています。特に下げが際立つのが、英国株です。およそ1か月、2016年10月から11月11日までの比較チャートです。

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※画像はいずれもグーグルファイナンスから。

NGG=-15%(イギリスの送電、発電業者。高配当。ナショナルグリッド)

DEO=-13%(イギリスの酒造メーカー。ディアジオ)

UL =-16%(英蘭の生活必需品メーカー。ユニリーバ)

GSK=-9%(イギリスの製薬会社。グラクソスミスクライン)

BTI=-15%(イギリスのタバコ会社。ブリテッシュアメリカン。BAT)

 グラクソスミスクライン(GSK)の下げ幅が「マシ」なのは、クリントン氏当選による医療費抑制リスクが回避されたことによる上げがあったからです。それでも10%近くの下げが見られます。

 

 これら英国株が15%程度仲良く値下がりしています。トランプ氏の保護主義的な経済政策が懸念されていることが理由の一つにあげられます。EU離脱に伴う貿易上の不利益も織り込まれつつあります。

 

 しかし、理由はそれだけではありません。

生活必需品株、高配当株も値下がりしている

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2016年9月末からの比較チャートです。

PM=-9%(世界最大の上場タバコ会社。フィリップモリス)

D=-5%(米国大手電力会社。ドミニオンリソーシズ)

VDC=-4%(バンガード生活必需品ETF)

KO=-3%(大手飲料。言わずと知れたコカ・コーラ)

BND=-3%(バンガード米国トータル債券市場ETF)

 

 トランプ氏が大統領選に勝ったことを受けて、軒並み下落しています。分かりやすいです。

 

 これは、トランプ氏の政策として掲げられている企業や富裕層への減税策やインフラ投資が大規模な財政出動を招き、金利上昇へとつながると解釈されているからです。

 

 金利が上昇すると、国債や社債の利回りと高配当株式の利回りが競争するようになります。ボラティリティが低い分、金利が近似すれば債券のほうが有利に働きます。一方、今までの低利で起債された債券は売られるので、債券価格も下がります。

 

 それが、高配当株式全般の値下がりにつながっています。BNDも下がっています。BNDはボラティリティが低いですから、3%の値動きは激しいほうだと言って良いでしょう。

配当狙いの投資家にとっては市場の正常化とも取れる

 2015年末からの高配当株式の値上がりは異常事態で、世界的低金利で行き場を失った資金が流れ込んでくるという現象でした。配当狙いの投資家にとっては買場を失った時期でした。

 

 それが、共和党が上院下院で勝ち、一応共和党のトランプ氏が大統領になったことで流れが変わりつつあります。

 

 トランプ氏の主張と共和党の過去の政策を鑑み、市場の見込みは大規模財政出動、公共投資、インフレ、金利上昇がセットになっています。

 

 こうした事態を受け、4~5%の利回りを回復させる高配当株も散見され始めています。

 

 私は地味にこのところ売られていたブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)とドミニオンリソーシズ(D)を買いました。

 

 他にもVDCやBND、DEOやULも魅力に思いましたが、欲をかいてしまい指値がささりませんでした。さらに下がる局面があれば買いたいところです。

 

 自分がどういうスタンスで投資をするのか、市場が動いたときほど基本に立ち返ることが大事だと思います。

 

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常に株が下がった時のことを考えて投資をしたいと思っています。

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