たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

生命保険の複数契約で資産運用に支障が出ている家庭は少なくない

生命保険を複数契約して身動きの取れなくなっている家庭は少なくない

 生命保険は営業力に優れ、販売網も充実していますね。日本人は生命保険好きで知られますが、逆に言うと長年培われた営業力が金融商品の中で突出しているとも言えます。

 

 また、株式などと違い明確に損をするようなものは少ないため、資産の目減りを嫌う層からは根強い人気がありますね。かつてはそれなりの利回りがつき、契約が維持されるため、いわゆる「お宝保険」というものが存在しました。

 

 しかし、この20年、この10年は厳しいですね。低金利が直撃しています。そのため、保険は保険として、運用は運用として考えていかざるを得ない時代になっています。

 

 さて、今回は保険を多数契約したため、将来に不安を覚えるという方からご質問を頂戴しています。

生命保険の多重契約を見直し、資産運用をやり直したい

①家族

  • 私;パート勤務;年収約120万→今後も扶養の範囲で勤務予定。(65歳からの年金が毎年約100万円)
  • 夫;会社員;年収約1000万 夫の兄が経営する会社に勤務のため定年は特に決まっておらず、収入も変動の可能性あります。65歳からの年金が毎年230万円、70歳まで繰り下げで326万円)
  • 長男(現在公立高校2年生、大学は国公立医歯薬系志望)
  • 次男(現在公立中学3年生、高校、大学は国公立志望)
  • 長女(現在小学校5年生、大学まで国公立志望)

②住宅ローン

  • 夫80歳まで35年ローンです(団信あり)。毎月約9万円の返済で、ボーナス返済なし。現在2800万程残ってます。

③財形

  • 月2万円 夫25歳から現在まで掛けています。義母が管理のため、詳しい内容がわからず

④老後資金 年金以外に次のものを老後資金として準備しています。

夫の生命保険の個人年金 ☆60歳から10年間毎年90万円☆60歳から15年間毎年85万

  1. 低払い戻し金型定期保険 夫57歳まで支払い、60歳で途中解約だと1050万、65歳で1110万 86歳でピーク1320万(死亡保障1500万)
  2. 米ドル保険 2020年購入47000ドル→2030年114% 2035年126%で解約可能
  3. 米ドル保険 2020年購入90000ドル→2032年118%
  4. 米ドル保険 2015年購入25000ドル→2025年満期120円ほどで購入してしまったクズ保険。
  5. 豪ドル保険 2020年購入75000豪ドル→2030年80300豪ドル(67円で購入したので現在税引き後で90万程含み益)←早期売却予定

⑤教育費

  • 長女学資保険900万円(掛け金払い済)、

⑥その他

 対面型証券会社に4600万(4200万程投資信託で運用中ですが現在利益はほぼ出ていません)銀行預金等580万円があります。


 最近知人の勧めでオフショアの投資信託で月500ドル購入中(15年運用予定)


 ネット証券開設し月3万ほど投資信託S&P500購入中。また、日本株100万程購入しましたがほぼ利益なし。

 

【相談内容】

 対面式証券会社や、銀行等で勧められるがままに購入してしまったものばかりでたくさんの手数料を払ってきました。利益は少しは出せましたが。今後どのように資金を動かせばよいのか全く分かりません。対面式証券会社に置いてある資金を動かしてうまく運用できればよいのですが。


 また、外貨の保険や低払い戻し金型定期保険も早めの解約で他の運用に回した方が良いのでしょうか?


 夫の仕事がいつどうなるかわからないです。結婚してから社長の一存で月10万円給料減額を10年前ほどに一度、2年前に1度されました。会社の利益は出ているのに戻してもらえず、結婚当初から月20万の減額です。退職金も期待できません。

 

 失業保険も曖昧です。子供たちの進学資金も必要ですが、老後の資金も心配です。そのため、配当金などで収入を得られる仕組みを作りたいと思っています。


 こちらのブログを最近見つけ、勉強させていただいています。どうしたらよいかわからなくなってしまい、アドバイスをいただきたく連絡させていただきました。


 夫は、管理があまりできない人なので、家の資産管理はについては私がすべてやってきたため、家の資産を全く知りません。

生命保険は契約し過ぎると、他に運用資金を回せず身動きが取れなくなる

 生命保険は解約返戻金が低いものが多いでしょうね。ただし、このごろ始めたのであればまだ少額なため、勉強料としてスパッと切るという手もあります。返戻率が低すぎ切るのに抵抗があるならば、また払い止めができるならば、払い止めを検討してもよいでしょう。

 

 保険に入れたほうが得か、投資信託で運用したほうが得かというのはよく話題になります。しかし、ある意味では別の次元の話ですね。保険を付けつつ、年率1%程度で確実性を重視した運用をしたいということならば保険はマッチする可能性があります。

 

 しかし、昨今あまりにインデックスなどの運用が好調だったために見劣りするのですね。一方で投資信託を買えば必ずもうかる、大きな成績を確約されるというわけではありません。ここも勘違いしてはいけませんね。投資は当然ながらリスクがあるのです。

 

 2020年にまとめて購入した保険が多いですね。知らない業界の知らない商品は一気に買わないほうが良いですね。とはいえ、太陽光などは一気に買わないと基数がそろわなかったりしましたから、一概には言えないのですが、基本は避けたほうが良いです。


 また、利益の出ていない投資信託ですが、この地合いで利益が出ていないのはかなり弱い投信でしょうね。言うまでもありませんがオフショアもだいたいだめ、手出し無用です。解約も手間で、IFAの言いなりになってしまう例も多々あります。

生命保険の多重契約が連なり、資産運用に支障をきたす例も

生命保険の多重契約が連なり、資産運用に支障をきたす例も

 生命保険にしても、オフショア金融商品にしても、だいたいが手数料と歩合商売です。購入する前に、第三者的なセカンドオピニオンを求めたり、ネットで調べたりして資産を守るのが良いですね。

 

 生命保険に関しては、生命保険控除の枠内、なおかつ共済系で十分というのが一貫した私の考えです。保険で資産運用をする時代ではないということですね。保険がいらないということではありません。運用見込みを考えると、共済で十分ということです。

 

 幸いにして、基本となる収入とご資産が潤沢ですから、ここから切り替えですね。一見地味な積立投資から始められると良いですよ。保険に関しては関連記事も併せてみていただけると幸いです。

 

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 生命保険に関しての基礎基本の考え方はこちらになります。

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お金を効率よく増やす基礎基本を押さえておきたいですね。

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不動産も大変良いですが、陥穽があるのも事実です。

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