夫婦で資産運用の意見が違う
ご夫婦で一緒の家計だと、良くあるパターンが「夫のお小遣い制」ですね。私たち日本在住の家庭には人気のある制度です。
なんとおよそ半分の家庭がお小遣い制なのですね。
やや古いですが16年9月オウチーノ調べ
— ペーパー先生@外国株投資家 (@papercapinfo) January 28, 2021
【家計の管理方法】
🥇夫が妻に給与全額を渡し妻が管理 49.6%
🥈夫が給与の一部を生活費として妻に渡し妻がやりくり 18.9%
🥉項目別に役割分担しそれぞれが管理 8.6%
④夫婦ともに一定額を家計に入れ妻が管理 3.8%
⑤夫婦ともに一定額を家計に入れ2人で管理 3.5% https://t.co/plfsD6Fa6Y
また、最近よく見るパターンとしては共働きでそれぞれ別会計というのがあります。これは、お互いが生活費を折半などで出し合い、余った分をそれぞれ使うというものです。
一見お互いが尊重しあえてよい制度です。しかし、最大のデメリットはどちらかが、あるいは両方が浪費癖があるとお金がまったく増えないというところです。片方が貯めて増やし、片方が浪費、となると投資のモチベーションにも関わります。
お互い働いてお互い投資をするというのがベストな選択に思いますが、なかなか難しいものです。勤勉さと倹約を無理のない範囲で兼ね備えている、つまりお互いの価値観が合っていないと成り立ちません。
結婚前にお互いの金銭感覚をすり合わせておくというのが大事に思います。ただ、これはそんなに難しいことではなく、食事の時に割り勘かそうでないか、どういうお店が好きで、どういう服やブランドを好むのか、それで分かります。
人によっては、料理は必ずコースでシャンパン祭り開催必須、お寿司もこだわりの熟成ものしか食べない、寒くなれば全身すっぽり自分と子どももモンクレール炸裂祭り、こういうパターンもありますね。
大きな稼ぎがあれば全く問題になりません。しかし、人並みの稼ぎならばこういう生活に関わるところを無視できません。付き合っているときの1つひとつの「ちょっとした違和感」が結婚をすると大きな違和感になります。
「あれ?」と思う瞬間をそのままにせず、向き合ってみると良いでしょう。
いささか話が飛躍しましたが、ご夫婦での資産運用に関しての質問を紹介します。
夫婦でのちょっとした資産運用に対する考え方の違い
はじめまして。いつもたぱぞうさんのブログを通して勉強をさせてもらっています。
ありがとうございます。
私は今まで10年間、国内の株式・REITに投資をしてきましたが、たぱぞうさんのブログに出会ってから米国株投資に興味をもち、VTIを中心としたポートフォリオへと変更するために、現在、保有株式を売却し、少しずつドル転をしている所です。
【保有キャッシュ】
- 3,800,000円+9,100ドル
【保有国内株式】
- 1,400,000円相当
国内株は順次売却予定です。
上記すべてを円換算すると約620万円相当で、これでVTIもしくは楽天VTIを購入していこうと考えています。
妻も米国株投資に共感してくれているので、私と妻と二人分のNISA枠を使って米国株を買っていくつもりです。しかし、ポジションの取り方について私と妻で意見が異なっており、判断に迷っています。
たぱぞうさんならどう判断するかをお聞きしたく、メールをさせて頂きました。
- 私の意見(ご主人)
米国株は近年ハイペースで上昇しているので、数年中にふたたび大きな調整があるのではないかと踏んでおります。暴落時に一気に資金をつぎ込めるようキャッシュを確保しておきながら、NISA枠120万円×2人分で備えるのがいいのではないかと思っております。
この場合、ドルでVTIを購入することになります。
- 妻の意見
暴落がいつ来るかも分からないし、そもそも来ないかもしれないのだから、つみたてNISA 40万円×2人分で毎月均等に購入していった方がよいと考えています。この場合は、つみたてNISAなのでドル転はせず、楽天VTIを買っていくことになります。
中間案として、妻はつみたてNISA枠を使って楽天VTIを買いつつ、私の枠を通常NISAとしておいて暴落が来たら買い出動する、というやり方も考えております。たぱぞうさんの意見はどうでしょうか?
ちなみに参考までに、私の家庭の状況は、下記のようになっています。
- 現在34歳
- 年収約320万
- 妻はパート
- 子供1人(3歳)
- 35年ローンで戸建てを購入、65歳で完済。月々6万、ボーナス払い無し
- 投資に回せるお金 620万円相当
- 普通預金 550万円(こちらは、投資に回す予定はありません)
子供が生まれる前は、妻も正社員で働いており順調に貯蓄が増えていましたが、現在は、貯蓄を保つことが精一杯なので追加で投資資金を確保するのは難しい状況です。また、もう1人子供を予定していますので、妻が正社員に戻れる可能性は低いです。
私としては、550万円の貯蓄も投資に回したいと思っていますが、妻が反対しており、今のところ実現できていません。なお、年収が少ないので、何かあった際には投資資金を切り崩して生活資金に充てることになる可能性もあるため、イデコを使うことは考えておりません。
以上よろしくお願い致します。
資産運用は税制優遇制度をフルに使う
ご夫婦とも今の相場はやや高いと思われているのですね。ただし、暴落は読めませんので、気にせず少額を買っていくのが基本になります。リーマンショック以後は常に割高と言われています。
私ならばつみたてNISA+ジュニアNISAを推します。ご夫婦で年間80万円、なおかつジュニアNISAで80万円、そうすると年間で160万円使えます。投資に使えるお金が620万円ならば、単純におよそ4年かかります。もっとも、ジュニアNISAは途中で制度が終わりますので、特定口座になりますね。
ジュニアNISA部分はキャッシュポジションを高めてもよいでしょう。そうすれば、希望の「暴落時に買い付ける」というニーズも満たせます。
分散期間としては悪くないでしょう。また、投資対象もVTIということですからこれもまた悪くありません。非常にシンプルに投資ができると思います。金額が多くはないので、無理して債券や金を入れなくて良いと私は思います。
一般NISAも悪くないのですが、奥様の「守り」の意識がかなり強いようにお見受けします。そうすると、運用期間が短いだけに最初の投資が成功体験に繋がらない可能性があります。これは避けたいところです。
また、奥様が正社員に戻る可能性が低いということは、今後投資資金を作るのがなかなか厳しいことを意味します。今ある資金を大切に、時間をかけつつ投信・ETFで分散を図るといいですね。
ご夫婦で将来のことを踏まえて資産運用のことを話し合える。
素晴らしいと思いました。全くかみ合わないケースも少なくないのですね。ともにがんばりましょうね。
関連記事です。
お小遣い制についてです。もっとも、夫婦のありようは様々ですからね。お互いに話し合って、よりよい未来を志向できれば良いですね。
こちらも夫のお小遣いに関しての記事です。平均額は2.5万円です。この金額だと投資をすることも難しいですね。ひたすら貯蓄をして家族の家計を支えていこうとすると、1馬力では老後がなかなか難しい時代になっています。
こちらは、キャッシュポジションについてですね。守りの意識も同時に大事ですね。