劣後債投資とは
インカム、つまり配当や分配金に焦点を当てた投資は人気があります。もし元本が大きく毀損せず、安定した利回りが得られるならば将来設計もしやすくなります。目に見えて計算できる投資という意味で、特に日本人とは相性が良いように思います。
その中でも劣後債というのは、ハイブリッド証券とされます。株式と社債の両面の性格を併せ持つのでそのような表現になります。楽天証券さんの図を引用して見てみましょう。
劣後債は、倒産などの時に弁済される順位が低い、劣後するので劣後債とされます。劣後債に弁済がされるのは、社債や株式など優先順位の高い債務に対して弁済された後ということですね。
そのため、ある程度の利回りが付加されており、高利回りになります。同じハイブリッド証券の優先出資証券と似ていますね。
劣後債投資と米国ETF投資を並行しています。
たぱぞう様
はじめまして。ブログをいつも参考にさせていただいてるKと申します。今回、私のポートフォリオの組み方にご意見伺えないかと思いご連絡させていただきました。
私は現在40歳の独身男で、運良くアフィリエイトで一発当てて約4000万円の運用資金ができたため、それを少しずつ米国ETFや国内生保系の劣後債の購入にあてている最中です。
私はインカムゲイン狙いでの「自分年金」が長期的に欲しくて、目標は安定性重視で年利3%、債権や米国高配当ETF、高配当個別株などなるべく分散させながらこの数字を達成していきたいと考えています。
年利4~5%を狙っていく運用方法もあるかと思いますが、私はとにかく安定性重視、そしてできればあまり入れ替えをせずに済むようなポートフォリオを理想と考えています。
日々勉強していますが、まだまだ知識不足ですのでなるべく分散することでリスクを少しでも抑えていきたいと考えています。現在の保有資産は以下のとおりです。
<現在の保有資産>
- 住友生命劣後債(税引前で年利4%):5万ドル
- 第一生命劣後債(税引前で年利4%):5万ドル
- VYM:約400万円
- HDV:約100万円
- PFF:約100万円
- ウエストパックバンキング(利回り約7%):約70万円
- ナショナルグリッド(利回り約5%):約60万円
合計:約1800万円
<今後の購入予定>
- 日本生命劣後債(税引前で年利5.1%):10万ドル
- VYM、HDV、PFFをそれぞれ500万円までドルコスト平均法で徐々に買い増し
- 債券:株ETFの比率を半々程度として、年利3%のポートフォリオを計画しています。
そこで、たぱぞうさんにご意見伺いたいのは3点あります。
私のポートフォリオについて
安定性重視の年利3%、インカムゲイン狙いのポートフォリオとしてこの計画は適切かどうか
国内生保系劣後債の評価について
以前ブログで海外債券投資について「管理の手間があまりかからない」「発行体の信用が保たれれば元本が大きく毀損することが少ない」「生債券より集合体であるETFのほうがリスクを分散していておすすめ」「大きく10%20%を狙うような投資ではないが、元本を毀損させない投資術という意味では悪くない」などの見方をされていましたが、国内生保系劣後債についても同様の見方で良いでしょうか。
劣後債など以外のインカム投資先
「年利3%を安定、長期的に狙える投資先をなるべく分散させて多く持つ」ことを私は指向していますが、債券や株に限らず、他におすすめとして挙げられる投資先はありますでしょうか(特にブログでも言及されてた海外債券でおすすめがあるか気になります)。ご意見伺えますと幸いです。よろしくお願いいたします。
国内生保の海外劣後債商品
国内生保の海外劣後債商品は、国内で起債されるものよりも高利回りですね。インフレ分が乗っているというのもあるのでしょう。投資先として悪くはないと思います。ただし、利回りが高いというのは以下のようなリスクもあるということですね。
- 劣後債そのもののリスク
- 個別銘柄と同様に企業由来のリスク
- 為替リスク
この3つですね。とはいえ、今は経済も落ち着いていますし、特別な事情が無い限り償還できなくなるという可能性は高くないでしょう。最も安定しているのは米国債であり、期間が短くなればなるほど手堅くなります。
インカムで年率3%を狙っていくというのは、私は共感します。運用額が小さければ株式全力で行っても良いと思いますが、やはり5000万円ぐらいからアセットを多様化させるというのがテーマになります。もちろん、株式の期待リターンには劣りますけどね。
年率4,5%を狙わないというのも良いですね。3%というのは無理のない水準です。米国のインフレ年率が2%ですから、物足りないと言えばそうですが、無理をしない投資というのはそういうことですね。
最後に、海外債券ということに関しては、私はやはり鉄板のBND・AGGが最も良いと考えます。トッピング的に社債のLQDを入れても良いと思いますけどね。
これらの劣後債投資は、普通にネット証券で口座開設をすれば購入可能なものですね。国内生保のドル建て債はあまり取り扱い例をみたことがありません。ただ、海外企業も含めた劣後債の募集は常時行っています。利回りはやはり高いですね。
SBI証券、 楽天証券、 松井証券、 マネックス証券、 auカブコム証券、ネット証券トップ5社が劣後債などは取り扱っています。
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海外債券投資のメリットですね。為替相場が平時である限りにおいては、非常に安定した収入になります。リセッション時にはすべてのアセットが乱高下しますが、それは為替もそうですね。
外貨建て社債とほとんど同じですね。劣後債のぶん、利回りは高いですね。
債券ETFは流動性に富み、なにより中庸ですね。