分散投資の基本は投資対象と時間の分散
資産額が大きくなってくると、リスクヘッジに対する意識も変わってきますね。1株集中投資をして資産の最大化を図る人もいれば、個別株からETFや投信へ乗り換える人もいます。
また、債券やゴールドなどを組み込む人もいますね。王道はETFを活用して、ポートフォリオを組成していくということになります。流動性が担保されていますから、ポートフォリオを組みやすいのですね。
一方で、ハードアセットを組み込む人もいます。よい投資ですが、株式とは違ったリスクがありますね。しかし、税金も含めて買った時点である程度数字が読めるのが良いところではあります。
いずれにしても、資産を最大化するという攻めのマインドから、資産を守るという意識に変容するということですね。それは人によっては数千万円ということもあれば、数億円になってからという人もいます。
正解はなく、ずばり個々のリスク許容度ということになりますね。私の場合は1億円までは株式1本でした。その後、太陽光や不動産を組み込んだ、資産管理会社という器を活用した投資スタイルになっています。
さて、今日は6億円近くの資産ができたため、より安全な分散投資を心がけたいという方からのご質問です。
分散投資をして、6億円近くの資産を大切に守っていきたい
たぱぞう様
いつもブログ拝見しております。たくさんの事例とまた投資だけでなく長期視点での人生の捉え方など参考になります。
思い切ってご相談してみたくなりご連絡させていただきました。
現在米国駐在中で日米含めて1億3000万ほどの現金があります。(うち約9000万円が日本円、日本非居住者は証券口座が開設できないため残念ながらキャッシュで寝かしてる状態。)それ以外に勤務先の持ち株が約4億5000万円ほどあります。
もう米国で生活も5年以上となりそこそこ資産も貯まってきたので、両親が元気なうちに帰国して時間を一緒に過ごしたいと考え始めました。最近はコロナで行き来がままならないことも影響してますね。
現在45歳、独身子なしの女性です。会社が上場したこともあり予定より早く目標としていた5億に達し、帰国後は時間と精神的にも自分のペースが維持できる仕事を探そうと考えています。
一億円前後のマンションを買い、数千万を医療費などの緊急資金として手元に残し、残りを運用にまわし生活費の足し老後資金にしたいと思っています。生活費としては年550万を見ています。
長い前置きになりましたがここで相談です。
運のいいことに持ち株がここまで上昇しましたが流石にリスクが高いので投資先を分散する必要を感じています。プライベートバンクなどに任せる手もあるかと思うのですが、手数料1%としても400万円の価値があるのか疑問で。
できれば自分で運用したいと思っております。投資経験は持ち株以外にはさほど多くなく、現在米国でVOO、QQQといったETFを積み立てている程度です。どれくらいの期間でどのように持ち株を別の運用方法に切り替えて行くのがアドバイス頂けると幸いです。
投資対象の分散と時間の分散が分散投資の基本となる
基本は以下になります。
- 投資対象の分散
- 時間の分散投資
これだけです。投資対象はおっしゃる通り、持ち株をETFや投資信託などで分散していくということですね。ただし、投資先によっては分散したことによって投資効率が落ちる可能性はあります。
集中投資というのは、うまくはまれば大きなリターンを生むからですね。それを承知の上で、リスク分散を優先させるということになります。
ちなみに下記は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオですね。かつては7割近くが日本国債でしたが、利回りの低下を受けて外国株式と外国債券の割合を増やし、国際分散投資を是とする方向性になっています。
ある程度の底が見えてきた中、とくに価格変動の無い生債券はアセットとしての価値を取り戻した感がありますね。
とはいえ、為替が難しいですからひとまずキャッシュでヘッジしてもよいでしょう。つまり株式のみの積立を継続するということです。
時間の分散はだいたい5年程度を見ておけばよいですね。その間、投資の知識も身に付きますし、考え方も変わってくるかもしれません。いずれにしても、急な投資、急なスイッチングをするような時期でもありません。
プライベートバンクは、知人が海外の金融機関で勤務しています。しかし、やはり手数料が高く、相続などの目線を含めてのコンサルになりますね。金額も大きく、一般的には大きな資産を持つ資産家さんなど、そういった層への訴求になります。
マンションを買った後でもおよそ5億円あり、使途も目的も明確ならば、ご自分でも十分運用できます。今は優れた金融商品がたくさんありますね。
ややハードルは上がりますが、不動産などを絡めて法人化して独立というのも難しくありません。これだけのご資産があれば、有利な条件を引き出せるでしょう。そこまでやらずとも、いろいろと自由が利くのが5億円という数字です。
ご年齢からすると、就職氷河期のころに社会に出られていますね。社会に出てから不況期間も長く、苦労も多かったですが、お互いにようやく回収する時期に来ているのかもしれませんね。
せっかく培った大事な資産ですから、焦らず急がず、時間をかけて分散をしていけばよいですね。すでに経済的自由は余裕をもって手に入れられています。あとは守りということになりますね。
ご質問ありがとうございました。
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