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世界の食品・飲料業界ランキング【2023年】

世界の食品・飲料業界ランキング【2023年】

Food Engineering Magazineが公表している世界の食品・飲料業界ランキングです。2023年の発表ですが、2022年の実績に基づいています。


 まずはTop20をご覧ください。過去2年度の順位も入れています。

2023 2022 2021 Company 売上高($m)
1 1 2 Nestle スイス 96,244
2 3 1 PepsiCo 米国 86,392
3 4 3 JBS ブラジル 78,056
4 5 4 Anheuser-Busch InBev ベルギー 57,786
5 6 5 Tyson Foods 米国 53,282
6 2 7 Archer Daniels Midland 米国 47,970
7 9 9 Cargill 米国 46,200
8 8 8 The Coca-Cola 米国 43,000
9 39 14 Olam International シンガポール 40,600
10 - 22 CHS Inc. 米国 37,460
11 15 16 Heineken オランダ 37,099
12 7 6 Mars 米国 37,000
13 11 11 Mondelez International 米国 31,496
14 17 15 Lactalis フランス 30,950
15 12 10 Danone フランス 25,597
16 14 13 Smithfield 米国 28,136
17 16 12 Kraft Heinz Company 米国 26,485
18 21 21 Dairy Farmers of America 米国 24,000
19 19 17 Unilever 英国 23,327
20 25 23 Grupo Bimbo メキシコ 22,959

注:CHS Groupの2022年順位を確認できず

出典:Food Engineering Magazine

世界の食品・飲料業界の順位変動

 上位5社は大きな変化がありません。1位のNestleの売上上昇に寄与したセグメントはペットケアとコーヒーです。2022年10月にSeattle’s Best Coffeeをスターバックスから買収しています。

 

 6位のArcher Daniels Midland Companyは米国の穀物メジャーです。2022年はロシアのウクライナ侵攻に伴い、小麦価格が大きく上昇したことがプラス寄与して大きく順位を上昇させましたが、2023年はノーマルに戻ったと言ったところでしょう。

 

 9位に順位を上昇させたOlam Internationalは世界屈指の農産品の貿易企業です。傘下の企業がカナダ、ドイツ企業等を買収したことが、売上上昇に寄与しています。

 

 10位のCHSは日本でいえば農協に近い組織です。7位のCargillと共同でヒューストンで穀物輸出事業を2022年1月にスタートさせています。

 

 総じていえば、売上は上昇しているものの、減益になっている企業が多いとサマライズしています。

 

 ネスレのCEOすら「想像を超えたレベルのインフレ」と表現するような、原材料価格の上昇が利益にネガティブ寄与しているということでしょう。

為替の影響大、日本企業がランク外へ

 上位20社のほとんどは米国と欧州の企業です。日本企業がありません。2年前にはサントリーとアサヒGHDがランクインしていたのですが、2023年版ではサントリーの21位が最高です。

 

 理由はシンプルです。対ドルでの円安です。売上高は米ドル建てで評価されるため、円安はこのランキングにおいてネガティブに寄与します。

 

 こちらはユーロ/米ドル(赤)と円/米ドルの2年チャートです。2022年はどちらも下落基調でしたが、2023年は動きが違います。

ユーロ/米ドル(赤)と円/米ドルの2年チャート

ユーロ/米ドル(赤)と円/米ドルの2年チャート

出典:US版 Yahoo Finance

 ユーロは2年前比で-5%程度まで回復しましたが、円は-23%です。日本の食品メーカーが相次いで値上げをしていますが、値上げによる増収を得ても、為替で相殺されてしまっているのが現状です。

 

 昨年秋からユーロ圏は政策金利の引き上げを積極的に実施してきました。その結果米ドルとの金利差が縮小し、ユーロの上昇を呼んだ形です。次回のランキングでは欧州企業の順位がやや上昇するかもしれません。

ユーロ圏における政策金利

ユーロ圏における政策金利

 金利や為替が企業業績に影響を与える1つの例とも言えますね。

 

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