たぱぞうの米国株投資

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世界の軍需産業売り上げランキング

世界の軍需産業売り上げランキング

 世界の軍需産業売り上げランキングをまとめました。今まで、軍需産業というと中国の実態がなかなか浮かんでこず、ランキングでも外れることが多かったですね。

 

 英国のIISS(国際戦略研究所)が中国の軍需産業企業も含んで調査をし、まとめたランキングがありますのでここに引用してご紹介します。

順位 社名

売り上げ

(US$億)

国名
1

ロッキード

マーティン

40.5 米国
2 ボーイング 29.5 米国
3 レイセオン 22.9 米国
4 BAEシステムズ 22.8 英国
5 CSGC 22.1 中国
6

ノースロップ

グラマン

21.4 米国
7 AVIC 20.9 中国
8

ゼネラル

ダイナミクス

19.2 米国
9 NORINCO 13.2 中国
10 エアバス 12.5 仏独英西
11 CASIC 9.8 中国
12 L-3 8.9 米国
13 レオナルドS.p.A 8.5 伊国
14 CSIC 8.4 中国
15 CETC 8.4 中国
16 タレス 8.2 仏国
17

ユナイテッド

テクノロジーズ

6.9 米国
18 CASC 6.9 中国
19

ハンティントン

インガルス

6.7 米国
20

ユナイテッド

エアクラフト

5.2 米国
21

BECHTEL

(ベクテル)

4.9 米国
22 CSSC 4.8 中国

なお、中国企業は非常にシンプルな名前が多いですが、英名は下記のとおりです。

  • China Aviation Industry Corporation (AVIC)
  • China Electronics Technology Enterprise (CETC)
  • China North Industries Group Corporation (NORINCO)
  • China South Industries Group Corporation (CSGC)
  • China State Shipbuilding Corporation (CSSC)
  • China Shipbuilding Industry Corporation (CSIC)
  • China Aerospace Science and Technology Corporation (CASC)
  • China Aerospace Science and Industry Corporation (CASIC)

ほとんど国営企業です。

世界のトップ軍需産業の一言解説

 特に個性的な企業に一言解説を加えていきます。

ロッキードマーティン

 米国の軍事力を支えるロッキードマーティンです。ボーイングなどと違い、売り上げのほとんど、8割が軍需という企業です。圧倒的な技術力を持ちます。

ボーイング

 大型旅客機業界においてエアバスと勢力を二分します。軍需と民需の売り上げは半々です。Bシリーズの爆撃機が歴史的にも有名です。

レイセオン

 トマホークやパトリオットといったミサイル製造で知られます。9億円を株式で貯めたガソリンスタンド店員、ロナルド・リード氏の主力株でも知られています。

BAEシステムズ

 英国きっての軍需産業です。2000年代にはロッキードやボーイング以上の売り上げを記録、世界一になったこともあります。

CSGC(中国兵器装備集団公司)

 中国南方工業集団または中国兵器装備集団公司が中国名です。自動車で知られる長安汽車の親会社でもあります。中国政府が直接管理監督する国営企業です。中国人民解放軍装備部とも密接な関係があります。特殊製品、自動車、新エネルギー、装備製造の4つの産業分野があります。

ノースロップグラマン

 ノースロップが航空機で有名だったグラマンを買収して1994年から社名変更しています。軍用艦船の製造では世界一の規模です。伝統的な艦船、航空機はもちろん、レーダーにも強みを持ちます。

AVIC(中国航空工業集団)

 中国名は中国航空工業集団です。中国航空工業第一集団(AVIC I)と中国航空工業第二集団(AVIC II)が合併して2008年に設立されました。エンブラエルやエアバスと合弁で中国国内に工場を建設しています。合弁の他に、米国の航空機メーカーを買収するなど規模の拡大に熱心です。

ゼネラルダイナミクス

 航空宇宙・軍需に強みを持つコングロマリットです。米国の主力戦車であるM-1エイブラムスの製造元で知られます。かつてはF-16の製造元でもありましたが、航空機事業はロッキードマーティンに売却しています。

世界の軍需産業界で増す中国の存在感

 世界の軍事大国と言えば米国とロシアが浮かびますが、昨今急速に力をつけているのが中国です。中国はこの圧倒的な軍事力と経済力をもって、習近平国家主席の経済圏構想である一帯一路構想を具現化しつつあります。

中国の一帯一路構想と関係国

中国の一帯一路構想と関係国

  例えば、スリランカはインドの南に位置する戦略上重要な地位にあります。ちなみに、中国とインドは中印国境紛争などにみられるよう関係は良くありません。2017年にもブータンのドグラム高原で小競り合いをしています。

 

 スリランカはスリランカ国内3位の規模であるハンバントタ港の港湾整備にかかる対中債務が返済できず、救済という名の実質差し押さえの憂き目に遭いました。中国国営企業が向こう99年間港湾施設を借り上げる形になっています。

 

 一応はスリランカのインドへの遠慮から人民解放軍の大っぴらな使用は制限されています。しかし、すでに中国の潜水艦などの艦船が寄港する様子が確認されています。

 

 主力港であるコロンボ港に比べるとハンバントタ港は辺境であり、道路などのインフラが整備されておらず収益性が低いことが返済が滞った原因の1つです。その上、返済金利も途上国への貸出金利としては極めて高く、案件にもよりますが6、7パーセントということもよくあります。

 

 「債務の罠」とされる所以です。簡単に言うと収益性の低い物件を高い金利で借り入れして整備したため、返済に困り、物件を貸し出すことになったということです。開発途上国ではこの借り入れのスキームやコンプライアンスの詰めが甘いことがあり、このような事態が珍しくありません。

 

 同様のインフラ建設からの巨額の債務返済に苦しむ事案はモルジブ、エチオピア、バヌアツなどでも発生しており、それに伴う政治的な影響力も無視できないものになっています。

 

 米国政治も変わりつつありリベラルな民主党時代には見過ごされてきたことも、保守である共和党右派のトランプ政権では大きな問題としてとりあげられています。いわば今ある米中貿易交渉はこうした背景が積み重なった結果とも言え、今後も関係には注目したいところです。

 

関連記事です

  レイセオンの記事です。

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  ロッキードマーティンの記事です。株価は2018年後半にかけて軟調で、もう一段の下げがあれば妙味が出てきそうです。

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  ボーイングです。トランプ政権になり、大きく株価を伸ばした企業の1つです。

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