フルタイム共働きという、無理の続く毎日
フルタイム共働きが珍しくなくなって久しいですね。ダブルインカムは大きく、生活を豊かにしてくれます。しかし、同時に子育てを行うのは大変で、特に保育園の送り迎えが加わると忙しさはピークに達します。
子どもはかわいく、育児はやりがいがあります。しかし、一方で親御さんの多大な自己犠牲の上に成り立っていることはあえて書いておきたいと思います。子どもがかわいい、疲れが取れるというのは真実で共感を生みやすい言葉です。
しかし一方で、一人になりたい、子育てが大変、毎日が焦燥・・・。そういった本音も多々あって当然です。そこに仕事の圧力、量が加わると生活はほとんど余裕がない状態となります。
本来、育児は社会全体で担うべきものです。しかし、現状はまだまだ親御さんの双肩にかかっていることが多く、少子化の原因の1つになっていると言ってよいでしょう。日本の将来を考えるならば、最もリソースを割かなくてはいけません。しかし、そうはならないところに日本の将来に対する漠然とした不安が横たわるわけです。
私はこの時期にほとんど父子家庭で家を切り盛りしていましたが、確実に寿命を縮めた実感があります。きれいごとだけで家事や育児は語れないのですね。
さて、今日は育児に仕事に忙しくされている、フルタイム共働きの方からのご質問を頂戴しています。
激務な業界でフルタイム共働きを続けてきたが、いよいよ無理を感じる
たぱぞう様、いつもブログ楽しく拝見しております。とても勉強になっております。
現在2馬力フルタイム共働きですが、私(妻)が会社員を辞めたいと思っています。激務な業界で、第1子が生まれた時から、常に退職が頭にありました(笑)。
子供の教育費を十分確保してからという思いで、ここ数年は「あと1年だけ頑張れ」と自分に言い聞かせながら必死にやってきました。それももう限界かな・・・という状況です。
下記、たぱぞう様のご意見伺えますと幸いです。
【相談内容】
- 私(妻)が会社員を辞めたいが、現時点の資産と子供の私立進学を考えるとリスクが大きすぎるでしょうか。
- 副収入の柱を作ってから辞めることができない状況で、何が最適解となるでしょうか。(自分では後述の①-③を検討しております)
【家族構成】
- 都内在住夫:41歳 年収620万(公務員)定年まで働く予定
- 妻(私):35歳 年収1200万 (会社員)
- 子供:2人(9歳、4歳)※中学受験、私立中高予定。大学は国公立を目指してほしいが、私立進学もありえます。
【資産内訳】約5500万
- 投資信託 2400万(楽天VTI、S&P 500等。一般NISA120万x2人,ジュニアNISA 80万x2人の計400万/年を毎年使い切り投資済)
- 預金 1500万 (夫職場の共済(年率1%ほど)に入れていることが多いです)
- ideco 800万強 (妻55000/月、夫12000/月。外国株インデックス投資に全振り)
- 保険 800万強(学資保険400万、ドル建400万)←ドル建は為替のタイミングをみて解約予定
- その他、夫の職場で退職金として2000万ほどは見込めます。
- 負債:都内持ち家(マンション)ローン残債2200万
【前提】
- 夫が働けなくなったら・・・という最悪のシナリオは考慮しません(団信と掛捨て保険加入済の為)
- 副収入の柱を確保して退職したい所ですが、職場の規定上、私も家族もNISA枠を超えての投資信託の購入や、株式(ETF含む)投資、その他ブログ運営等副業も禁止です。また、不動産投資は、時間もないことから少なくとも在職中は難しいです。
- 子供の教育費以外は、必要最低限のお金のかけ方で良いと考えています。携帯はずっと格安SIM、外食も少なめ、服も買いません。車も手放しました。特にストレスなくできています。
- 家計を見直した結果、子供が小学校高学年で塾に行き始めるまでは、何とか夫の収入だけでやっていけそうです。塾代がかかり始めると、確実に夫の収入のみでは難しくなります。
- 大学卒業までの道のりは長く、そこを資産運用等によって補っていきたいと考えています。
退職後、2年以内には塾代等月々の教育費が重くなるので、それまでに月10万円程度の収入を得たいと思っています。そこで、退職後に①と②を行う予定です。③については私の性格上、難しいのかなと思っています。
① 退職後、VYMなど高配当ETFに700万/年、3年程度に分散させ投資する(資金は預金800万・ドル建保険解約200万・NISA投資信託解約1000万等により確保)。それにより、約5万/月の配当金を得る。
→ 毎月の教育費を考えると、元本を取り崩すより、分配金で定期的な収入を得たいと思っています。積み立てしてきた楽天VTI等はできれば取り崩したくないのですが、月5万の配当金を得るには、2000万ほどの元手が必要とのことでしたので、まずはそれを優先させようと思います。
この案につき、たぱぞう様はどう思われますでしょうか。他に何か案がありましたら、ご教示いただけると幸いです。また、年700万というペースはややリスクが高いでしょうか。本当は月10万円ほどの配当金を見込まないときついかと思うのですが、4000万の元手が必要となり、難しいですね・・・
②webライター等、在宅でできる仕事をやる。(職場規定により、退職前に試せないので、どの程度の収入が得られる不透明です。経験もないので、月5万は難しいかもしれません)
③不動産投資を行う(融資は夫が引く)実はここ2、3年程ずっと物件探しをしてきましたが、残念ながら結局決めきれませんでした。慎重な性格上、専門知識のない分野にお金を投じたり、ローンを組んだりができないようです。えいやっと飛び込めればと思うのですが・・・
ご相談したい内容は以上となります。
比較的若い年齢で、このような給与をもらえている環境には感謝しています。例えば、今あと1年働くことにより、少なくとも500万は投資に回すことができます。それは将来の1000万になり、子供1人分の大学費用になります。
お金の現在価値・未来価値を考えると、今辞めてしまうのは賢明ではないと思います。ただ、相当な努力や犠牲の上にこの収入が成り立っているのも事実で、所得税の累進課税や児童手当の廃止もあり、もうこれ以上は本当に頑張れない、という気持ちも強いです。
今の資産5500万では心もとないのか、あと1年は何とか耐えた方が良いのか。それとも夫の収入があるのだから、何とかなるのか・・・考えても答えが出ない日々です。
長くなってしまいましたが、ご意見いただけますと幸いです。
人の数倍も働いてきた実績を信じて、新たな一歩を踏み出すということ
お若い年齢でそれだけのご年収を得たということは、人一倍努力をしてきたということですね。おっしゃる通り、相当な努力、犠牲の上に成り立っている収入であることが推察されます。
まず、ローン残債が少ないのは強みです。この残債ならば、公務員のご主人の収入だけでも問題なく返済できるでしょう。車を持たないなど、収入を今と将来に分けて考えていられるところも無難で間違いのない方向性です。
次に、貯めてきた金融資産があるのも強みです。常に増やし続けるのではなく、お子さんの中高生の時には取り崩すぐらいの気持ちであれば選択肢が広がります。
また、月に10万円ということでしたら、ETFの配当に合わせて数万円の労働収入を得ればよいわけで、リスクもなく、扶養も外れず、堅実に理想の生活が手に入ります。
最後に、現状の世帯年収が1800万円あるのも強みです。ご主人のご属性が公務員ブーストで1.5倍と考え、2000万円オーバーの世帯年収と考えてくれる金融機関もある、かもしれません。
そうなると、1億~1.5億円規模のアパートを個人で買い、退職後の個人所得につけるという考え方もあるでしょう。あるいは、法人化、複数棟の管理という道も無くはありません。ただし、この場合は買い付けが完了するまで属性を維持する必要があります。
まとめると、要は選択肢が多いのです。それは、今までの人生において堅実な選択をし、信頼を勝ち得、努力を積み重ねてきたからに他なりません。そのことに誇りを持ち、新たなフェーズに歩みを進める時期かもしれませんね。
ここではざっとアウトラインだけお示ししましたが、あとはメールで記したとおりです。むり、むだ、むらを極小化した生活はすぐそこです。
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副業、あるいは複業時代と言われますね。本業以外の収入源が求められる時代になりました。