たぱぞうの米国株投資

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コロナショックのまとめと投資の展望を語ります。

リセッションはいつも思わぬ角度から来る

 コロナショックはリーマンショック以来のリセッションとなりました。20%以上のドローダウンを示したのはおよそ11年半ぶりというわけです。今回は感染症であるcovid-19由来ということで、過去にあまり例を見ない形です。

 

 2019年12月末に中国は武漢で症状が確認されて以来、どこか楽観しているところがありました。中国の衛生状態に起因するという見方もありましたし、どこか東アジアの風土病のように見られていた節もあります。

 

 それが崩れたのがイタリアでのパンデミックでした。結果的には全世界的に外出制限、あるいは自粛ということになり、特にいくつかの業界に大きな影響を与えています。

 

 それは、対面が必要な業界ですね。外食、ホテル、リゾート、カジノ、スポーツクラブ、学校、いろいろあります。3密という言葉で表現されます。

 

 同時に、需給がますますだぶつく原油の暴落も見逃せないところです。WTI原油価格で1バレル50ドル割れがニュースになっていたのはつい先日、今では20ドル割れが珍しくありません。

 

 リセッションは、常に思いかけない形で訪れます。予測可能ならば対処できるわけで、予測できないからリセッションとなるわけですね。 

債券の暴落も思わぬ形で来た

 ハイイールドであるジャンク債がリセッション時に暴落するのは当然の流れです。デフォルト懸念が生じるので、高利回りを当て込んでいた資金が逃げ出すからです。コロナショックでも当然のようにジャンク債が暴落をしました。

 

 それと同時に、社債市場も動揺を見せました。国債ほどではないにしても、比較的手堅いとみられていた社債が下記のような値動きを示したのは印象深い事象でした。

社債ETFが示す、マーケットの動揺

 原油価格の下落や手元のドルを確保する流れがセットになったものですが、米国債、日本国債とは明らかに異質であることを再確認することになりました。

 

 しかし、FRBの手当ても素早く、あっという間にマーケットは落ち着きを示しました。中央銀行が暴落時には債券の買い入れに動くという前例を作りました。

意外に冷静だったドル円相場

 リセッション時には安全資産とされる円や日本国債が買われる傾向があります。そのため、リーマンショックの時は株価の下落とセットで円高が訪れ、米国株投資家は大ダメージを受けました。

 

 米国株投資家にとって最大の懸念の1つである、為替リスクですね。

ドル円は過去のリセッションと比べると落ち着いた動き

ドル円は過去のリセッションと比べると落ち着いた動き

 101円台まで円高が進みましたが、すぐに冷静さを取り戻しています。ベテラン投資家でも108円より円高が進行したと同時に、過去を想起して円に替えたという人がいました。

 

 しかし、今回は過去のような極端な円高にはなっておらず、今のところ杞憂で終わっています。

 

 これが今後起こるリセッションでもそうなのか、それともコロナショックのみの事象なのか、見極めたいところです。為替リスクの増大は、リセッションとセットで見られていましたから、いずれにしても日本人の米国株投資家にとっては胸をなでおろす結果となりました。

リセッションを織り込む銀行と評価を確固たるものにした情報技術

 米銀がリセッションを織り込み、貸倒引当金を積み増しています。そのため、銀行決算は悪化、ウェルズファーゴ【WFC】などは赤字寸前のレベルで決算を着地させています。百貨店のJCペニーがデフォルトしましたが、やはり厳しい業界は厳しく、銀行は難しい経営を迫られています。

 

 この流れは邦銀も必ず来るはずです。押しなべて高配当な各行がどのような配当施策を採用するのか、決算と並んで注目されてよいでしょう。

 

 同時に強さを見せているのが情報技術セクター各社です。新高値を示したAmazonなどは好例でしょう。昨年秋口ぐらいから、セミナーなどではAmazonは割安と言い続けてきましたが、ここにきて思いかけない時期ではありますが、評価に株価が追いつきつつあります。

リセッションを織り込む銀行、金融といつでも強い情報技術セクター

リセッションを織り込む銀行、金融といつでも強い情報技術セクター

赤=VGT(情報技術セクターETF)

緑=SPY(S&P500連動ETF)

青=VFH(金融セクターETF)

 

 これに対して金融セクター、とくに銀行の戻りは極めて鈍いです。情報技術セクターETFであるVGTはすでに高値から10%台まで値戻ししています。QQQも年初の位置に戻りました。

 

 ITバブル時の評価から一転、米国の情報技術セクターは米国経済を支える存在に変容したと評価してよいでしょう。同時に、セクターでの強弱はより一層鮮明になっています。

太公望のような心境で相場に向かう

 米国株式市場でいうと、2018年末に株価が下がり、2020年3月にも株価が下がりました。個人的にはこのごろ長期資金と短期資金で分けて運用しています。

 

 2018年末は比較的読みやすい相場だったためVTIが120ドルに下がったときに大きな単位で買いました。135ドルで売ってしまいましたね。

 

 2020年3月の時点では円でS&P500連動の1655を1888円の時点で買い、先週すべて売っています。

 

 いずれにしても早すぎるのですが、まあいいでしょう。年間で必要な生活費分はこれで十分得ていますから、ありがたいことです。短期資金は欲をかかないようにしています。

 

 最近の相場はスピード感があり、かつてのようにだらだらと下値を探る展開が少ないように思います。これは、政府、中銀の政策決定が適切で早いからです。2000年代との違いはここにあります。

 

 そう考えると、社債市場の暴落のように極端な流れがあったときに短期資金を入れ、回収するというところに、今はそれなりの旨味のようなものがあります。1,2年に1回市場に参加し、まとまった金額を回収するという投資も有効なのかもしれません。

 

 太公望の気持ちで、必要な釣果を得たら深追いしない、そんな投資も面白いかと考え始めています。常に相場に参加する必要はなく、限られた局面だけに参加する。野球ならば、好球必打、すべての球を振る必要はなく、ボール球には手を出さないということです。

 

 これも、セミリタイアの余裕かもしれませんね。もちろん、積立投資は長期目線、別枠で続けています。

 

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  結局のところ、リスク管理をしつつ正しい市場参加をしていれば、リセッションはチャンスに過ぎないということです。

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