たぱぞうの米国株投資

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つみたてNISAが変えた投資信託の世界

最初は魅力を覚えなかった「つみたてNISA」だったが

 つみたてNISAが2018年の1月から始まりました。年間積立額は40万円と多くは無いのですが、20年積立できるという使い勝手の良さが特徴です。

 

 今までのNISAは120万円の枠が使えましたが、期間が5年間でした。商品が自由に選べる、買えるというメリットがあります。しかし、今思えば投資を始めようという人にとっては、逆に悩ませる結果になっていたのかもしれません。

 

 つみたてNISAの事前説明会では、実は私は使わない制度かなと思っていました。理由を書いておきます。

  • 米国ETFを買えない
  • 金額が年間40万円で限りがある。
  • 投信しか買えない

 説明会に参加する中で続々こういう事実が判明したわけです。米国ETFと個別株が買えないならば、利用することは無い制度かな、と思っていました。

つみたてNISAが投資信託をガラリと変えた

 その後、大きな変化が短期間で投資信託業界に起こりました。

  • 楽天バンガードの商品の誕生
  • 低信託報酬のS&P500連動商品の誕生
  • 信託報酬の安い投資信託の誕生

 こういうことです。

楽天バンガードの商品の誕生

 バンガード商品の信託報酬が安く、使い勝手が良いのは米国ETFを買っている人の共通認識でしょう。これに+0.12%の信託報酬を乗せて投資信託化するという極めて分かりやすい投資信託が楽天バンガードの商品です。

 

 VTI・VT・VYM・VWOといった、ETF保有ランキングでも、運用総額ランキングでも上位に来る、優れた人気のあるETFが円で簡単に買えるようになりました。

S&P500連動商品の誕生

 ifree S&P500がそれにあたります。つみたてNISA説明会でも

「なぜダウ平均連動はあってもっとメジャーなS&P500連動が安価でないのか」

「何故外国株式だとMSCIコクサイ連動一辺倒なのか」

 という質問があったわけですが、それを解決するような商品が出ました。

低信託報酬の投資信託の誕生

 emaxis Slimシリーズやexeiシリーズなどがしのぎを削っています。おおよそ0.2%あるいはそれ以下というのが主戦場になっています。かつての投資信託というと

  • 各種手数料が高い
  • 信託報酬も高い

 というイメージでしたが、一部のインデックス投資信託がイメージを変えつつあります。そして、これらの商品がつみたてNISAの中心になっています。

つみっぷという全国行脚が始まっている

 その後、その説明会は「つみっぷ」という形で引き継がれています。「地方にも来てほしい」という声に応え、東京だけでなく各地方都市にまで説明会を広げています。いまだかつて、省庁が音頭をとって投資を、NISAを周知するというのは記憶にありません。

 

 一般NISAの時もあったのでしょうか。いずれにせよ、投資に対するイメージが地味ではありますが変わりつつあるのかなという印象を持っています。

 

 ちなみに、今日東京で250人を集めて行われる、金融庁主宰の「つみたてNISAフェスティバル」では私も少し登壇します。会場に来られる方、どうぞよろしくお願いいたします。

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そもそも個人投資家というのは非常に軽く見られてきた

 そもそも日本においては個人投資家というのは非常に軽く見られてきました。それは銀行や証券会社の窓口でもそうでしょう。銀行の商売というのは大口の何千万、何億、何十億という資産を持つ人を対象とした、ウェルスビジネスのような側面があったわけです。

 

 これが例えば不動産投資であったり、地場の社長さんであったりすると、融資のつながりがあるので多少は尊重されることもあったでしょう。しかし、コツコツと投資信託やETFを買うような、株式を中心に少額投資をする個人投資家は殆ど些末な存在だったのです。

 

 それを考えると、昨年からのこの流れというのは民間金融機関もそうですし、金融庁という行政も含めて非常な変化だと思っています。こうやって市井の意見を取り上げてもらえるということは投資の本場の米国でもそうそうないのではないでしょうか。

 

 良いことですが、個人的には勘違いしないように戒めたいと常に思っています。

つみたてNISAは入り口に過ぎない

 このつみたてNISAは投資の入り口にすぎません。個人にとっては年間40万円という金額は現実的ではありますが、多くはありません。老後の資産形成に十分かと言われれば、「不十分」ということになるでしょう。

 

 しかし、投資初心者さんにとっては、ここで成功体験を積めば、次のステップへとつながる可能性があります。「投資は怖い」と思われがちですので、そうではないことを証明できるような結果になれば良いと願っています。

 

 つみたてNISAが始まった2018年1月は相場が高値だったところです。そういう意味では厳しい環境で始まったとも言えます。だからこそ、毎月コツコツの成果が20年後にどうなっているのか、ということです。そこに逆に価値があると思います。

体力のない金融機関にとっては厳しい流れ

 逆に、つみたてNISAというのは金融機関にとっては利の乗りにくい難しい商品です。信託報酬や手数料が低いからです。そもそもインデックス商品というのは薄利多売な面があります。

 

 そういう意味では、説明時間ばかり割かれて旨味の無い商売ということになります。利が乗らないので、窓口で積極販売するようなものではないでしょう。

 

 また今に始まったことではないですが、顧客が勝てるようなファンド組成、つまり外国株投資はどこかで結局米国系の運用会社に頼らざるを得ません。TOPIXや日経225のような指数が長期で強ければ別ですが、日本オリジナルの良い商品というのが難しくなっています。これはこれで寂しいですね。

 

 いずれにせよ、つみたてNISAの提案というのは、金融機関の販売する商品の在り方、流れに大きな一石を投じる結果になったのは事実ですね。

 

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  全世界か、米国か、日本か、新興国か。何か核になる投資先を決めて投資をするというのも手ですね。

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