IHSマークイット【INFO】はPMI指数で知られる情報サービス会社
IHSマークイット【INFO】は2016年に米国コロラド州のIHS Inc.と英国のMarkit Ltd.の合併により設立されました。ただし、ここに至るまでに数々のM&Aを経ており、祖業自体は1800年以前までさかのぼることができます。
現在の拠点はロンドンにあります。グローバルな情報サービス提供を社業としており、経済界においてはよく知られています。有名な仕事としては、製造業PMIや非製造業PMIの算出があります。いずれも50より上であれば好況、下回るようであれば不況度を推し量る1つの指標として活用されていますね。
社員数は約1.3万人ですが、そのうち5000名がデータサイエンティストとして所属しています。高度な分析に定評があり、自動車業界や銀行業界のほとんどはこのIHSマークイット【INFO】と契約、情報提供を受けています。
これらの指標はマクロの経済指標よりも発表が迅速であり、速報性が期待できるためによく利用されています。
IHSマークイット【INFO】の株価チャートと配当
IHSマークイット【INFO】は無配銘柄です。データの取れる2014年以後のチャートですが、業績を反映して極めて好調な株価チャートになっています。
バリューで判断していく銘柄ではなく、年率20%前後の売り上げ成長率などを加味しながら見ていく銘柄になります。グロースの範疇に属しますね。
なお、2020年2月から配当金を出す予定です。
IHSマークイット【INFO】の基礎データ
IHSマークイット【INFO】の基礎データを簡単に見てみましょう。
IHSマークイット【INFO】の売り上げと利益
IHSマークイット【INFO】の売り上げですが、非常に順調なのが見て取れます。
データ分析とその販売を収益源にしている、情報サービスプロバイダという位置づけになります。大きくセグメントは4つに分かれていますが、収益の40%は金融関連から生じており、特に金融情報に強みを持っていることがわかります。
ほかにも祖業に近い海運関係をはじめとする輸送業なども強いですね。
IHSマークイット【INFO】のBPSとEPS
2016年の合併後、EPSに比較してBPSが大変大きくなってるため少々見にくいグラフになっています。EPSは2.85ドル前後、10年前と比べると5倍近くにまで成長しています。
IHSマークイット【INFO】のキャッシュフロー
キャッシュフローは潤沢で、高い営業マージンに裏付けられたキャッシュフロー推移をしています。
大きな懸念材料は当面ありませんが、金融関連に強みを持つということで、経済動向の影響は比較的影響を受けやすいと思われます。とはいえ、この10年は景気が安定していましたので、ベータ値はむしろ低めです。
IHSマークイット【INFO】もスイッチングコストなどを考えると、独特の強みを持った企業のうちの1つと評価してよいでしょう。2020年から配当金も出すということですから、今後も気になる企業の1つではあります。
優れたビジネスモデルを持つ、たぱぞう好みの銘柄の1つです。しかし、押し目待ちに押し目無しの状態が続いています。70ドル割れをするような局面が来れば妙味ありですが、果たしてどうでしょうか。
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こちらはADP雇用統計を算出するADPですね。
こちらもたぱ好みの銘柄ですが、ひふみ投信に組み入れられており、少々びっくりしました。
金融サービス企業として最も知られる企業の1つ、MSCIです。