たぱぞうの米国株投資

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MSCI.inc【MSCI】の銘柄分析。株価指数の算出、高収益で知られる金融サービス企業

【MSCI】はSPGIと並んで株価指数算出で最も有名な企業の1つ

 今日はMSCI.incの銘柄紹介です。たぱぞうの最も好きな銘柄の1つですね。

 

 MSCIは、米国・ニューヨークに本拠を置きます。株価指数算出やポートフォリオ分析で知られています。日本人が好んで投資をするMSCIコクサイなど、数々の株価指数の算出で知られます。

 

 もともとは1965年に現在のキャピタル・グループの子会社として設立されました。その後、1985年にジュネーブの支社が指数算出を担うようになり、Capital International Perspective S.A.(CIPSA)として独立をしました。

 

 翌年1986年にモルガンスタンレーに買収され、【MSCI】モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルと名称を改めました。その後、モルガンスタンレーは2009年に全株式を売却、MSCIは独立して今に至ります。

 

 今では、米国やヨーロッパ、アジアといった国々の経済的な主要都市で、網羅的に展開しています。

【MSCI】の基礎データ

 一部の米国株投資家に圧倒的な人気があるMSCIですが、その人気の秘密は圧倒的な収益性の高さにあります。それでは、早速【MSCI】の基礎データを見てみましょう。

【MSCI】の売り上げと利益

 最初にMSCIの売り上げと利益です。

MSCIの売り上げと利益

MSCIの売り上げと利益

 ビザ【V】やマスター【MA】などと同じく、金融系の高収益企業ということになります。この10年の売り上げは右肩上がり、さらに粗利益率は80%、営業利益率は40%から50%を狙える位置にあります。

 

 営業利益も良く伸びており、まさに押し目待ちに押し目無しを体現する業績推移になっています。手数料商売の利益率の高さが如実に出ていますね。しかも、ライバル企業も多くなく、現状ではS&P500指数を算出するSPGIぐらいです。

 

 理想的なビジネスモデル、業界地図と言えるでしょう。

【MSCI】の配当と配当性向

 一応配当と配当性向を掲載しておきます。どちらかというと成長株であり、配当履歴もこの数年というところです。

MSCIの配当と配当性向

MSCIの配当と配当性向

 配当を始めたのが2014年以降ということですね。その後の増配率の高さは素晴らしいものがありますが、配当性向は良くコントロールされています。基本的にはインカムよりもキャピタルを狙いに行く銘柄ですね。

【MSCI】のBPSとEPS

 続いてMSCIのBPSとEPSです。

MSCIのBPSとEPS

MSCIのBPSとEPS

 MSCIのBPSとEPSの推移です。EPSの伸びは驚異的と言ってよく、米国経済の好調さをよく反映したものになっています。また、パッシブ運用全盛の流れにあって、その恩恵を最大限享受しているとも言えます。

【MSCI】のキャッシュフロー

 MSCIのキャッシュフローを見てみましょう。

MSCIのキャッシュフロー

MSCIのキャッシュフロー

 MSCIのキャッシュフローです。極小の投資CF、潤沢な営業CF、それらから生まれる豊かなフリーCFですね。年ごとに多少の増加幅はあるものの、安定的と評価してよいでしょう。

 

 最も好まれるキャッシュフロー表のパターンであり、ビジネスモデルが非常にうまくいっていることを表しています。

【MSCI】の株価とチャート

MSCIの株価とチャート

MSCIの株価とチャート

 やや見にくいのですが、リーマンショック時には以下のような値動きを示しています。

  • 直近高値36ドル→底値12ドル

 金融株ですので、リセッションには弱いですね。それを改めて認識させられたのが2018年末の株式市場の調整でしたね。直近180ドルから140ドル前半まで調整していました。

 

 リセッション時に銀行株に買い向かうのは勇気がいりますが、MSCIのような特殊性ある金融株はやや悠長に構えて買い向かうことができますね。この、特殊性ある金融銘柄というのは、CMEやSPGI、広い意味ではVやMAも入りますが、収益性が高く、妙味が出やすい銘柄です。

 

 ただ、このボラタイルな側面をどうとらえるかで投資方針が変わりそうですね。

 

 基本的な流れとしては、世界的な潮流であるアクティブからパッシブ運用への資産変動の恩恵を最も受ける企業の1つです。指数の乗り換え、スイッチングコストもかかることから、継続する契約率も高く、安定的な手数料収入を得ています。

良く知られる株式指数、MSCI・ACWI

良く知られる株式指数MSCI・ACWI

 ただし、営業利益率で言うとSPGIのほうが幾分高く、まだ改善の余地はあります。MSCIのIRでも50%越えを2023年までの達成を目指すというアナウンスがありました。

 

 営業面でのリスクは、運用各社の指数のスイッチングでしょう。2012年にバンガードがMSCIからパッシブ運用のETFのいくつかを他の指数算出会社に変更しましたが、そういう流れになると厳しいということです。

 

 また、運用会社トップのブラックロックからの収益は非常に大きく、収益の10%以上を占めます。これらの運用会社あっての高収益ですから、既存運用会社との良好な関係を保ちつつ、企業活動を継続していくことが求められますね。

 

 とはいえ、唯一無二の企業であり、知識や経験の集積が無いと参入も難しい業界です。このMSCIもまた米国株らしい銘柄の1つと言えるでしょう。この10年、押し目待ちに押し目無し、が続いている企業です。

 

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