- 債券投資を簡単にしたBND
- 債券ETF【BND】に50万ドル全力投資をしてみたらどうか
- 50万ドルを全てBNDにすると・・・
- 債券ETF【BND】を活用した年間300万円の追加投資術
- キャッシュポジションは機動性に富む
債券投資を簡単にしたBND
債券投資は株式投資に比べると馴染みが薄かったのですが、ETFの利用により簡単にできるようになりました。代表格がバンガードの長短期米国債をトッピングしたBNDであり、AGGということです。
市場平均、米国の場合はS&P500との連動性を示す値をベータ値といいます。BNDの場合は0.05前後、AGGの場合も同じぐらいか時々マイナスということになっています。マイナスというのは逆相関の関係です。
下記の過去5年のチャートを見ても平時で75ドルから85ドルの間を行き来しており、安定的な値動きを示しています。よく言えば底堅く、悪く言えば値上がり期待は殆どできないということです。
毎月分配になっており、投資額が大きければ年金のような使い方ができるのも人気の1つになっています。利回りは2,3年前までは2%弱でしたが、利上げ局面の今では2.7%ほどまで上昇しており、3%が見えてきています。
インカム重視の投資家にとっては間違いなく良い、買い場が近づいている相場ではありますが、株価の下落あるいは取引値の下落というのが微妙な心理状況にしています。以前の何でも上がる、何でも割高な相場よりは私は取り組みやすい相場だと思っています。
さて、このように一般化しつつある債券投資ですが、関連してご質問を頂いていますのでまとめてご紹介いたします。
債券ETF【BND】に50万ドル全力投資をしてみたらどうか
いつもブログで勉強させていただいています。
50代前半の会社員です。
銀行口座にキャッシュが50万ドルあるので、たぱぞう様のブログに感化されて投資を始めることにしました。
年齢を考慮し、インカムゲインと安全性を重視した投資を予定しています。投資候補はVYMとBNDです。「賢明なる投資家」に感銘を受けたこともあり、株式:債券を50:50で保有しようと思います。
VYMとBNDそれぞれ25万ドルずつ保有することになります。
銀行口座の50万ドルを、年10万ドルのペースで投資していき、5年かけてポートフォリオを完成するプランを立てたのですが、このやり方ではポートフォリオが完成するまで銀行口座のキャッシュを遊ばせておくことになります。
そこで名案(?)を思いつきました。
まず手持ちの50万ドル全額でBNDを購入しておいて、このBNDを少しずつ売ってVYMに替えていき、5年かけてVYMとBNDそれぞれ25万ドルのポートフォリオを完成すればいいんじゃないか?
これならポートフォリオが完成するまでの間、BNDからインカムゲインを得ることができます。BNDは暴落リスクも低いから、これは名案だと考えたのですがいかがでしょうか?もしよろしければ、たぱぞう様のご意見をお聞かせ願えればありがたいです。
50万ドルを全てBNDにすると・・・
50万ドルを全てBNDにすると、年間でおよそ13500ドルの分配金が入りますね。月々1000ドル弱、10万円以上の分配金が得られます。これはなかなか魅力がありますね。
ただ、2つの明らかなネガティブ要素に耐える必要があります。
- 利上げによる取引値の下落
- リセッション時における10%以上の下落の可能性
こういうことです。何事も全力投資をするということは、影響が大きく出るということです。例えばじりじりと値下がりを続け、なおかつリーマンショック時のような暴落がくれば、たちまち10%以上の損失が発生します。
金額で言うと、50万ドルですから、5万ドル以上の損失が出る可能性も無くはないということです。とはいえ、この程度のリスクであれば、株式のリスクとは比較にならない軽さであることも事実ですね。
個人的にはBNDとVYMのみでポートフォリオを構成するというのは、好みではあります。インカムも得られ、しかも分散されながらもシンプルだからです。
債券ETF【BND】を活用した年間300万円の追加投資術
たばぞう様
はじめまして。
私は現在、30歳で投資経験は1年ほどのサラリーマンです。iDeCo・つみたてNISAとは別に、現在保有している1500万円に加えて300万/年の余剰資金を米国市場に投入して長期保有を検討しています。
ただ、米国株にあまり詳しくなく、個別株を選定するよりもETFを購入して市場の力に身を委ねたい事と、現行の相場がまだ過熱感があると感じており、暴落の仕込み時をじっくり待ちたいと考えております。
現在考えているのは下記の二点なのですが、たばぞう様のアドバイスを御教示いただけますと幸いです。
- 資金の半分でBNDを購入して配当を受け取りつつ、10年以内に起きるであろう暴落時にBNDを売却してその資金でVTIやVYMを購入する。
- いつ来るか分からない暴落を待つよりは、VTI・VYM・BNDに資金を振り分けて淡々と毎月購入していく。
世界的な利上げ局面を迎えており、BNDが今後どのように推移していくのか気になるところです。
キャッシュポジションは機動性に富む
まず、債券ETFもリセッション時には影響は避けられませんので、暴落時には株式ほどではないにしろ下落が想定されます。そのため、下落幅の違いで、株式に乗り換えていくということになります。
これに対し、現金であればインフレの影響は受けつつも、下落幅は殆ど無いと言っていいでしょう。そう考えると、キャッシュポジションを取りつつ投資をする2案のほうをおすすめしたいところです。
1案の心理的な支えの1つは分配金です。利回りが2%後半ありますから、5年持てば10%程度の下落リスクには耐えうる、元本が削られないということになりますね。ひところに比べればかなり利回りは改善されてきました。
先のご質問の50万ドル投資案と併せてお読みいただければと思います。
お2人ともご質問ありがとうございました。
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債券を組み入れた投資を簡単に行うには、バランスファンドというのも手なのでしょう。古い商品とは比べ物にならないぐらいに信託報酬が低くなっています。
債券ETFに関するご質問が昨今増えてきました。やはり利上げ効果による利回りの改善が大きな理由ですね。
長期債、短期債の特徴を踏まえて投資しようというお話です。