たぱぞうの米国株投資

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収入に比べて貯蓄が多い場合の家計やりくり術

収入に比べて貯蓄が多い場合の家計やりくり術

 自営業の方は、収入が操作できますね。個人で言えば、役員報酬をいくらにするかということになります。法人で言えば、経費や減価償却で操作するわけです。

 

 たとえば利益が出すぎた時は、リセールバリューの高い4年落ち以上の一括償却できるクルマを買い、利益の出ないときに売却し、売却益を得る。

リセールバリューの高い、噂のG

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 これは典型的な例ですね。例えば、一部の自営業者さんにはベンツのゲレンデなどは人気があります。ゲレンデはデザインが殆ど変わらず、なおかつ中古でもそこそこの値段で売れるからです。

 

 法人税率は課税所得800万以上だと30%にもなります。普通法人税の軽減措置制度が生きていますから、800万以下だと15%です。そのため、単年度で利益が出すぎた場合、有効な手段になり得るケースがありますね。ただ、社用車あるいは業務の関連性がどこまで、というのはあります。

 

 そう考えると、私たちサラリーマンにとっては給与控除や生命保険控除など、数少ない控除回りを計算し着実に活用していくというのは、同様の発想で理にかなった資産運用術ということになります。

 

 投資と節税の両輪が機能して初めて効率的な資産運用ができるわけですね。さて、今回は比較的潤沢な貯蓄を持つ方からご相談を受けています。

収入に比べて貯蓄が多い場合、どのように運用していくのか

はじめまして。

丁寧でやわらかな語り口が素敵なブログですね、いつも拝見しております。

 

 当方の状況です。

  • 48歳 夫婦合算年収430万
  • 持ち家ローン無し 親同居です。

 夫婦合算で終身保険・医療保険へ、年間70万掛けています。主人が自営業なので、保障を厚めにしています。

  • イデコ 月73,000円 積立NISA 月33,000円

 イデコに関しては年齢的迷ったのですが、運用期間が伸びそうなので拠出に踏み切りました。(正確には主人は昨年から、私は今申請中です)

  • 預貯金 2,500万円ほどあります。

 この状況で質問なのですが、収入に対して保険・資産運用の比率が非常に高い状態です。今後、現在小学生の子どもにお金が掛かってくると拠出が厳しくなるのですが、その時には預貯金から出して行くのがいいのか、減額がいいのか・・・。


 また、今のうちに預貯金を楽天VTIに回そうと思っているのですが、どのくらいの金額を、月いくらずつ回したらいいのか考えています。

 

 たぱぞうさまでしたら、どのようにされますか?

保険と資産運用を分けて考えたほうがいいですよ。

 保険は健康状態にも左右されるので、あくまで私ならばということで申し上げます。

 まず、世帯年収430万円ということは、世帯の可処分所得は月に20万円台後半と推察します。

 

 ただ、冒頭申し上げたように自営業者の年収は操作可能で、ある意味ではあてにならないところがあります。

 

 人によっては役員報酬月額5万円という人もいます。貯蓄でやりくりしているのですね。年収60万円です。給与所得控除で消えてしまう額です。こうなると社保も最低額です。貯蓄が潤沢であれば、是非はともかくこれも不可能ではないのですね。

 

 そういう収入操作ではなく、本当に世帯年収が430万、世帯所得350万前後だとします。そうすると、保険料の支払いでおおよそ2か月弱の生活費になりますね。これは少々重たい負担だなぁと感じます。生命保険で資産運用に資する商品はありませんので、あくまで保険として活用したほうがよいですね。

 

 なおかつ、生命保険の上限は一人当たり年間4万円までに設定すると良いですね。個人年金などを組み合わせるならば8万円です。これは、関連記事の「生命保険の超基本」を併せてお読みいただければと思います。根拠は控除額の上限です。

 

 ご夫婦で自営業をなさっているということは、退職金が出ません。この場合は、iDeCoを積み立てていったほうが安心ですね。残年数はもう少しほしいところですが、それでも貯金よりは良いと予想しますがどうでしょうか。

 

 そうすると、世帯で月々10万近く非課税枠での運用ができることになります。ただし、これが重いと感じるならば、減らしても良いでしょう。私ならば、預貯金を取り崩して、非課税枠での投資に回していきます。

 

 今のうちに預貯金を投資に回す必要はありません。非課税枠、iDeCoによる控除枠をしっかり活用することが先決ですね。

 

関連記事です。

  生命保険に関してはこれが決定版です。資産運用性を持たせるには、節税つまり控除の観点が必要不可欠です。逆に言うと、この控除の枠を超える分は、うまみが殆どないといってよいでしょう。業界のロビー活動のたまものです。

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  個人年金保険も、控除の枠を活用するという観点ならば悪くないですね。ただし、保険商品はパンチに欠ける商品が多いので、あくまでやはり控除の枠内での活用となります。

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  iDeCoのメリットデメリットについてですね。iDeCoに関しては概論的ですが、この記事をもって決定版としています。

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