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ソーシャルレンディングmaneoの案件の貸し倒れに関すること

ソーシャルレンディングmaneoの貸し倒れ続発

 ソーシャルレンディング仲介大手のmaneoですが、ちょっと話題になっていますね。以下は、産経新聞さんからの引用です。

  インターネット上で融資を仲介する「ソーシャルレンディング」と呼ばれる金融サービスをめぐり、虚偽の説明で資金を集め目的外に流用したとして、全国の投資家54人と法人3社は8日、業界最大手「maneoマーケット」(東京)などを相手取り、計約11億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。原告代理人によると、請求額は同種の訴訟で過去最高。

 訴えられたのは、maneo社と、同社を通じて個人投資家らから資金を集めた「グリーンインフラレンディング」(GIL、東京)や再生可能エネルギー開発会社「JCサービス」(大阪市)などの計4社と、GILとJC社の代表取締役を務める男性。

ネット融資仲介最大手「maneo」を提訴 投資家ら(1/2ページ) - 産経ニュース

  ソーシャルレンディングの仕組みそのものは悪いとは思いません。雑所得の確定申告不要の枠内、つまり年間20万円以内で取り組むならば、税率も重くなく、面白いと思っています。

 

 ただし、注意しなくてはいけないのは社債や国債などとは違い、発行体の信用も分からなければ、案件の安全性も投資家からは見えにくいことですね。結局のところ、前にも書きましたが、仕組み上は販社の信用に左右されるわけです。販社が不誠実であったり、審査の能力がないと、お話にならない投資になります。

 

 実は、私もソーシャルレンディングの記事は何度か書いてきており、maneoも検討したことがあります。話題のグリーンインフラレンディングは、その当時で10%を超える利回りがありました。

 

 私は自分で太陽光投資をしているので、自主施工にしても随分利回りが出る、これだけ好条件なのに逆に金融機関で融資付けができない理由が不思議でした。結果として、記事にするのを見送ったわけです。

 

 maneoはあくまで仲介であり、ソーシャルレンディングのプラットフォームです。そのため、1つひとつの案件を精査するのは難しかったのかもしれませんね。そして、魅力的な利回りではありました。

安定したインカムというのは魅力であるのは事実です。

安定したインカムというのは魅力であるのは事実です。

 その後、グリーンインフラレンディング案件は飛びましたね。利回りが相当良かっただけに、投資家界隈でも話題になっていた案件です。私が見極める目を持っていたということを言いたいのではなく、経験がそれなりにあっても実に紙一重だったということを言いたいのです。

maneoに限らず投資案件の是非を100%見極めるのは、経験があっても実は難しい

 昨今は、様々な投資案件がリリースされています。これは投資歴20年近くの私にとってもあまり記憶にないことです。空前の人手不足でもありますね。正社員に限らずアルバイトも含め、人の確保が大変になりつつあります。景気後退局面入りと言われつつも、まだまだですね。少なくとも不況ではありません。

 

 私もきちんと総括しておこうと思いますが、昨年仮想通貨のマイニングをしましたね。法人の利益を償却しておきたかったので、120万のマイニング機器を買い、投資したわけです。

 

 しかし、その後の仮想通貨のダメぶりは周知のとおりですね。投資慣れした私でもやはりこういうことはたまにあります。ただ、他に新たに取り組んだ投資案件がそこそこ好調で、年間トータルで見ると当たり前ですが十分取り返せてはいます。

 

 新たに何かに取り組むということは、こういうリスクを負うということでもあります。リスクが小さい、債券や株式指数というのは、驚くようなリターンも無いですね。利回りというのは上手に付いています。

 

 挑戦的なことをし続ける限りにおいて、こういう「下手を踏む」ということは、ある意味では付き物に思います。毎回負けても困るわけですが、リスクを負わざるリスクというのもあるわけです。私の場合はリスクを負ったから法人を持てるようになったとも言えます。

 

 ダメなものは切り替え、良いものを残していくということになります。

maneoの貸し倒れ案件に見るように、インカム志向はノーリスクというわけではない

 maneoの貸し倒れ案件に関しては、インカムの収支が見えやすかったので、逆に過度な期待を集めましたね。株式などのキャピタルと違い、インカムは安定的な収益を示すように見えるのですね。

 

 高配当株戦略などが常に人気なのはそういうことです。しかし、株で言うならばクラフトハインツ【KHC】やビールのアンハイザーブッシュインベブのように、高配当株の急な減配というのは無くはないのです。そして、それは財務からだけでは見極めは難しいです。ペイアウトレシオや負債からある程度見通せても、100%当てるのは無理でしょう。バフェット先生でさえ被弾するわけですから。

 

 インカム重視の投資も、リスクと無縁ではないということです。

 

 そもそもソーシャルレンディングは固い案件であれば、銀行などが融資を付けるはずです。

 

 融資が付けられないのはそれなりのリスクがあるからで、場合によってはダメになる可能性があるということです。銀行が見限っている理由、それは担保が取れないということ、収益が見えないということ、そういう理由です。そういう理由のものに投資をするのがソーシャルレンディングです。

 

 もっとも、最初から計画的に集金して、計画的につぶれるような案件は論外です。

 

 これを防ぐには、「揉む」ことです。事情に聡い投資仲間をつくり、多くの仲間に聞くことですね。そうした中で、最終的には自分で判断をするということになります。特に新しい案件は価値が定まっていないことが多いので、よく第三者に聞くことです。

 

 そのうえで、自分の資産総額や収入を勘案して、どれだけ投資するかということです。換言すると、「分散」ということになります。最終的には自己判断、自己責任で投資をするわけですから、自分の許容できる損失額を想定して投資をするのです。インカムを夢見て投資をするのではなく、どれだけ損するかを計算して投資をしないと大やけどをします。

 

 新興企業に全力投資をすることがハイリスクなのと同様に、こういう新規案件に全力で投資をするのは相応のリスクを伴うことは知っておいて良いですね。100%安全というのはありません。

 

 今はいろいろな投資案件があり、中には良いものもあります。maneoの件も、なかなか示唆に富みます。ただ、「ああよかった」「やっぱりね」で終わらせるのではなく、投資活動に資する経験にしていきたいところですね。

 

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こちらは似ていますが、発行体が明確なのが大きな違いですね。案件も絞っていますので、いかにデフォルトを出さないかが今後のプラットフォーム化のカギを握るでしょう。

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