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トランプ大統領とドッドフランク法、金融株

トランプ大統領、ドッドフランク法の見直しへ

 ドッドフランク法、ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法の見直しにトランプ政権が着手しました。この法律の正式名称はもっと長いですが、省略してドッドフランク法と言われています。

 

 ちなみに、アメリカの法律は立法に関わった議員の名前を冠する慣例があります。この法律名も民主党のクリス・ドッド上院議員とバーニー・フランク下院議員の両氏の名前が由来です。2010年にオバマ政権によって成立しました。

 

 リーマンショックを受けて、金融危機を再び繰り返さないためにつくられた、金融全般に関わる法律です。ざっくり言うと、金融機関が無軌道な融資をしたり、投資、あるいは取引をしたりすることを制限しています。

 

 リーマンショック渦中に選挙戦を行い、リーマンショック直後に就任したオバマ元大統領の肝いりの法案と言って良いでしょう。

 

 章立てされた項目を紹介すると、金融安定、ヘッジ・ファンド等に対する助言業者の規制、保険、銀行・貯蓄組合持株会社および預金機関の規制改善、ウォール街の透明性および説明責任、投資者の保護および証券規制の改善、消費者金融保護庁、連邦準備制度に係る規定、金融機関へのアクセス改善、など様々です。

 

 そのページ数は2200ページにも及びます。まさに網羅的な法律です。

 

 このドッドフランク法成立後、金融機関は収益がリーマンショック以前の水準に戻っていません。トランプ大統領と共和党はこの業務規制が強い法律に対して、廃案にする意思を持っています。そのため、廃案期待でどの金融機関もトランプ大統領当選後、株価は急上昇しています。

銀行、保険など金融株の株価推移

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※グーグルファイナンスから

 トランプ大統領当選後の株価推移です。この表ではバンクオブアメリカ(BAC)を筆頭に、ゴールドマンサックス(GS)、プルデンシャル(PRU)、JPモルガン(JPM)、シティグループ(C)と高パフォーマンスが続きます。

 

 2016年11月を境に、くっきりと上昇に転じているのが分かります。株価からも、トランプ大統領と共和党主導によるドッドフランク法の廃案への期待が透けて見えます。

 

 ただ、ドッドフランク法成立の背景がリーマンショックであったことから、ただ廃止して以前に戻ることは世論を考えると考えにくいところです。何らかの代替案を出してくることが予想されます。

 

 いずれにしても、金融機関の自由度は上がるでしょう。しかし、経営の安定化という観点で見ると油断のならないところです。単純に利益が上昇するだけでなく、長期的なボラティリティが上がるという側面を押さえておきたいです。

金融株は買いか、見送りか

 ブレグジット後のロンドンの金融都市の地位の低下が懸念されています。それに伴って、ヨーロッパ大陸のダブリン、フランクフルト、パリなどが金融ハブ都市として注目されます。もちろん、ヨーロッパではありませんが、アメリカのニューヨークなどもそうです。

 

 さらに前述のドッドフランク法の廃案による利益拡大が見込まれます。

 

 経済は政治に左右されるのは言うまでもありませんが、今回もその典型例と言えます。上昇余地ありと見て勝負するなら買いでしょうし、すでに旬を過ぎたと思うならば見送りということになります。

インデックス投資が万人向けなわけ

 ヒラリー氏が勝ち、民主党政権だったならば、このような金融株の伸長は無かったでしょう。ドッドフランク法は民主党が作った法律だからです。

 

 民主党政権下だった今まで、金融株はリスクが大きく意識されました。配当もあまり高くない株が多いですし、なによりパフォーマンスがいまいちでした。

 

 しかし、投資とはこういうものです。予測しなかったことが現実になることは珍しくありません。しかし、インデックス投資であるならば、今回の金融株の上昇も取り込めていることになります。事実、インデックス各指標は伸びています。

 

 インデックス投資が万人向けな理由はこういうところにあります。市場全体を追うので、リスクが少なく、小さいながらどの業種の利益も享受できるというわけです。思惑外の利益を広く浅く取り込むことができる投資と言えます。

 

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