たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

NYダウ30種よりS&P500のほうが人気がある理由

NYダウ30種とは

 NYダウ30種とはニューヨーク証券取引所とNasdaqに上場する株式から30銘柄を厳選した指数です。かつてはニューヨーク証券取引所のみを対象にしており、Nasdaq銘柄は対象外でした。

 

 算出はもともとはダウジョーンズ社が行っており、CMEグループに買収された2010年以降はS&Pダウジョーンズインデックスによる算出ということになっています。

 

 AmazonやFacebook、Google、Microsoftといった昨今の米国市場の牽引役ともいえる銘柄群をみても分かるように、米国市場を語るときにNasdaq市場が無視できない存在になっています。

 

 そのため、1999年11月にIntelとMicrosoftを採用したのを皮切りに、Nasdaq銘柄も採用しています。2017年9月現在、以下の銘柄が抽出されています。この中で、ダウ30種が始まった1896年以来選ばれ続けているのがゼネラルエレクトリック(GE)です。

 

 次に古いのが1928年のエクソン(XOM)、1932年のプロクターアンドギャンブル(PG)です。逆に新しいのは2015年のアップルや2017年のダウデュポンです。ダウデュポンは企業としては古いですが、合併が最近だからです。

ティッカー 企業名
AAPL アップル
AXP アメリカン エキスプレス
BA ボーイング
CAT キャタピラー
CSCO シスコシステムズ
CVX シェブロン
DD デュポン
DIS ウォルト ディズニー
GE ゼネラル エレクトリック
GS ゴールドマン サックス グループ
HD ホーム デポ
IBM IBM
INTC インテル
JNJ ジョンソン エンド ジョンソン
JPM JPモルガン チェース
KO コカコーラ
MCD マクドナルド
MMM スリーエム
MRK メルク
MSFT マイクロソフト
NKE ナイキ
PFE ファイザー
PG プロクター アンド ギャンブル
TRV トラベラーズ カンパニーズ
UNH ユナイテッドヘルス グループ
UTX ユナイテッド テクノロジーズ
V ビザ
VZ ベライゾン コミュニケーションズ
WMT ウォルマート ストアーズ
XOM エクソンモービル

S&P500とは

  スタンダード&プアーズ社による500銘柄を抽出した指数です。時価総額加重平均型の株価指数です。平たく言うと、ニューヨーク証券取引所やNasdaq上場の銘柄を時価総額の高いものを500銘柄集めた指数です。

 

 同じように時価総額加重平均に基づいた指数としてはTOPIXがありますね。

 組み入れ上位10銘柄です。引用元:S&P Dow Jones Indices

CONSTITUENT SYMBOL SECTOR*
Apple Inc. AAPL Information Technology
Microsoft Corp MSFT Information Technology
Facebook Inc A FB Information Technology
Amazon.com Inc AMZN Consumer Discretionary
Johnson & Johnson JNJ Health Care
Berkshire Hathaway B BRK.B Financials
Exxon Mobil Corp XOM Energy
JP Morgan Chase & Co JPM Financials
Alphabet Inc A GOOGL Information Technology
Alphabet Inc C GOOG Information Technology

 情報技術が圧倒的です。

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 今のアメリカは、情報技術、ヘルスケア、金融の存在感が大きいです。とはいえ、分散が効いており、どの分野においても世界的な企業が育っていることを窺わせます。

 

 さて、この2つの指数についてご質問をいただきましたのでご紹介します。

NYダウ30種よりS&P500のほうが人気の理由 

 いつも楽しく拝見しております。


 質問なのですが、S&P500に連動するETFは人気があるのに、ダウのETFがほとんど表舞台に出てこないのは何故なのでしょうか?


 ダウの方が少数精鋭で良い気がするのですが。お忙しいと思いますが、回答頂けたら嬉しいです。

 

 ということですね。

 ご質問ありがとうございます。これは結論としてはS&P500のほうが優れていると思わているためです。理由は2つあります。

  1. 分散が効いている
  2. パフォーマンスが良い

  この2つです。ダウの30銘柄よりS&Pの500銘柄のほうが分散が効いています。そのため、個別銘柄のリスクも低減されています。また、集中投資ならばリスクを取る分パフォーマンスに優れていることが条件になりますが、リターンもS&P500のほうが優れています。

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 これはオレンジNasdaq総合指数、赤S&P500、青ダウ30種のチャートです。

 

 パフォーマンスはNasdaq、S&P500、ダウ30種の順になります。ナスダックは期間をどのように区切るかで大きく変わります。2000年前後からのチャートにすると、ITバブルの影響を受けているためにNasdaq総合指数よりもS&P500がリターンに優れています。

 

 長期において安定的なパフォーマンスをより示してきたのがS&P500ということです。日本にいるとダウ30種が注目されますが、実はS&P500のほうが使える指数、良い指数ということですね。

 

 そのため、ETFランキングでもS&P500連動指数のほうが人気があり、ダウ30種連動ETFの人気には限りがあるということになっています。ただ、今後の算出によっては逆転することがもしかしたらあるのかもしれません。

 

 いずれにせよ、重複銘柄があり、どちらか一方のみが上がり続けることもないでしょう。両方とも良い指数であることは間違いありません。

 

関連記事です。

  過去10年のパフォーマンスです。リーマンショックから10年近く経過しましたのでまとめました。リーマン後の米国株のパフォーマンスは典型的な右肩上がり、株式投資の恩恵に浴することができた10年になりました。

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  この証券取引所ランキングをみても分かるように、ニューヨーク証券取引所とNasdaqの存在は圧倒的と言ってよいでしょう。また、中国における上海証券取引所、深セン証券取引所、そして香港証券取引所の存在も大きいです。

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  近年で見ると、Nasdaq100の伸びも無視できないものになっています。ダウ30種、S&P500、Nasdaq100というのが米国でも最もよく使われる指数の1つです。Nasdaq100に連動するETFがQQQということになります。

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