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自家消費型太陽光発電所のメリットデメリットを徹底解説【保存版】

 

 太陽光発電に関する投資は、ここ数年で大きく変化を遂げました。私は2017年に野立ての太陽光事業を始めました。その後、野立ての太陽光はセカンダリー市場も含めた流通になっています。残債が順調に減った方は、キャピタルも取れるような事業になりましたね。


 一方、昨今よく聞く自家消費型太陽光発電所はまだまだ余地が広く、適した土地や建物をお持ちの方にとっては、投資妙味があるといえるでしょう。


 そこで今日は、企業向け自家発電型太陽光発電所に関して掘り下げてみます。

電気料金の高騰と共に注目を浴びる自家発電型太陽光発電所

電気料金の変化

電気料金の変化

出典:資源エネルギー庁 広報パンフレット 日本のエネルギー2022

 昨今、電気代を含む光熱費が高まる傾向にあります。

 

 言うまでもなく電気は多くの産業にとって、欠かせないものです。規模が大きい産業ほど、消費する電気も多くなります。単価で数円上がるだけでも、年間の電気料金は無視できない額になるケースもありますね。

 

 少しでも電気コストを下げようと、省エネに励む事業者さんは少なくないでしょう。しかし、これまで十分に省エネに取り組み続けてきた企業さんが大半でしょう。そうなると、さらなる省エネには限界が見えてきます。

 

 電気代の高騰と共に注目されるのが、自家消費型の太陽光発電所です。自ら電気を産み出し、自ら消費することで、電気代をコントロールする方法です。いわば、自産自消の運用ですね。


 キーワードはズバリ、省エネから創エネへのシフト転換です。

自家消費型太陽光発電所とは

 自家消費型太陽光発電所とは、その名のとおり、自社の建物の屋上などの隙間スペースに太陽光を設置し、発電した電気を自社で使用するスタイルです。


 昼間の電気は太陽光で賄い、足りない分や夜間の分は従来通り電気事業者から購入します。

 

 自家消費型とよく対比されるのがPPA(Power Purchase Agreement)です。


 PPAは自社の屋根などに第三者が所有する太陽光発電所を設置します。初期費用や維持費は不要で導入しやすいです。ただし、電気代は設置した第三者に支払う形になります。また、後述する優遇税制などのメリットが受けられないことや、長期的な契約が足かせとなることもあります。

 

 初期費用を抑えるだけならばPPA、トータルでより大きな利益が見込めるのが自家消費型ととらえるのが良いでしょう。

太陽光発電そのもののメリット

 太陽光発電のメリットについて簡単に触れておきます。他の再生可能エネルギーと比べて、次のようなメリットがあります。

  • 一度設置すれば25年以上、燃料のいらない0コスト発電が可能
  • 仕組みが単純で、予測がしやすい
  • 災害に強く、非常電源としても活用できる
  • 遮熱効果が高く、夏涼しく、冬暖かい
  • 維持管理コストが少なく、トラブル発見も比較的容易
  • 節税や補助金等で投資回収が早い
  • 稼働部品が少なく、故障が少ない

 このように、事業者及び投資家にとって太陽光発電にはメリットが多いです。遮熱効果は、建物の屋上太陽光や壁面太陽光ならではですね。1〜3℃違うことで、エアコンの効率も相まって、さらに節電となるという話もあります。

自家消費型太陽光発電所のメリット

 自家消費型太陽光発電所のメリットは次の通りです。

  • 電気代削減
  • 法人なら一括償却可能
  • 融資制度有
  • 蓄電池をおいて災害対策やBCP(事業継続計画)対策になる
  • SDGsアピール、環境問題に貢献
  • 地域と時期によっては、補助金や助成金も

 このように、自家消費型太陽光発電所は多くのメリットが挙げられます。以下、詳しく見ていきましょう。

電気代削減

 自家消費型太陽光発電所を設置することで、電気は自前で消費することができ、購入する電気を削減することができます。太陽光は火力や原子力と比べても発電コストが少ないです。

 

 そのため、早ければ4~6年で元本回収が出来るケースも見られます。その後、安定していれば20年以上のゼロコスト発電が見込めます。

燃料費調整単価の推移

燃料費調整単価の推移

出典:新電力ネット https://pps-net.org/statistics/adjust

 

 電気の消費量が下がれば、そこに付随する、図のような燃料費調整額や再エネ賦課金も抑えられます。年間の電気使用量がほぼ一定でも、電気料金や付随する賦課金が上がるようだと、電気代は上がる一方ですね。


 長期的に電気代を大きく抑えることができるのは、メリットの一つとして大事なポイントですね。

法人なら一括償却可能(期限あり)

 これは中小企業に限られますが、自家消費型太陽光発電所の設置の費用を一括償却することが可能です。中小企業経営強化税制/中小企業投資促進税制が利用できます。年間の利益が大きい会社は利益の縮減になります。


 この制度は令和5年3月31日まで延長されていたものですが、改めて令和7年3月31日まで延長が決まりました。その先に延長されるかは不透明です。今がチャンスといえばそうですね。

融資制度有り

 非化石エネルギーの設備を導入するための費用として、日本政策金融公庫から融資を受けることが可能です。最大7.2億円とあります。大抵の自家消費型太陽光発電所であれば、フルローンも狙える水準です。一括償却と併せると、魅力の後押しとなります。


 また、場合によっては、10kW以上の自家消費型に該当するケースもあるでしょう。その場合には、さらに有利な金利での融資が見えてきます。


 融資制度を利用することで、キャッシュフローの改善も期待できます。導入の際には、積極的に制度の活用を検討すると良いでしょう。

参考:経済産業庁 資源エネルギー庁

蓄電池をおいて災害対策やBCP(事業継続計画)対策にする

 自家消費型太陽光発電所を設置する際には、蓄電池も設置するのが一般的です。これにより、昼間に余剰な電力が生じた場合には、蓄電した分を夜間に回すことも可能です。それだけでなく、災害対策や事業継続計画(business continuity planning,BCP)にもなります。


 大規模な災害や停電では、復旧に期間を要する例も散見されます。そのような事態に備えるためにも、自家発電設備を導入するのは有益だといえます。

SDGsアピール、環境問題に貢献

 これは設備投資とは直接はつながりがありませんが、自家消費型太陽光発電所は環境への貢献、社会貢献につながるという利点があります。

 

 例えば、RE100プロジェクトでは、世界で影響力のある企業(100GWh以上)が、事業で使う電力を100%再エネにすることを宣言する国際的な取り組みが行われています。自家消費発電を行うことで、このような取り組みに参加できています。中でも太陽光は取り組みやすい再生可能エネルギーの1つといえるでしょう。

 

 その他、企業の社会的責任(CSR)やオフィスでのPRなど、自社の付加価値をアピールすることができます。

 

 もちろん、環境に貢献する企業を運営するという、自分の内側からくる達成感、充足感もひとしおでしょう。

地域と時期によっては、補助金や助成金も

 地域や時期によっては、補助金などが利用できる場合があります。過去の一例では、1500万円の設備費用の50%が助成され、実質負担750万円で設置できた事例もあります。

 

 日本全体で扱っている事業や、都道府県ごとに扱っている事業がありますので、こういった制度も利用可能かどうか並行して検討していくと良いでしょう。


 行政と連携できれば、かなりのコスト削減になります。つまり、早期に投資資金の回収が可能になります。今は世界的にも再生可能エネルギーの普及に力を入れていますので、その流れに乗るのは良い方法ですね。

自家消費型太陽光発電所のデメリット

 自家消費型太陽光発電所はメリットが多い設備投資ですが、デメリットについても知っておく必要があります。

自家消費型太陽光発電所にはメリットが多い

自家消費型太陽光発電所にはメリットが多い

主なデメリットは次の通りです。

・開発費用が大
・設置スペースが必要
・火事・雷・台風・盗難などの天災・人災
・経年劣化や不良などの自然故障

 このように、いくつかのデメリットもあります。掘り下げて解説します。

開発費用が大

 これは他の投資でも同様ですが、初期の設備費用、開発の費用が大きいのがデメリットの1つです。額が大きいので、ためらってしまう要因となり得るでしょう。


 これに関しては、融資制度があること・地域や時期によっては補助金がもらえることから、資金が潤沢でない企業でも導入しやすくなっています。

 

 また、中小企業であれば一括償却が可能であること、さらに長期のローンでキャッシュフローが良くなることがプラスに働きます。資産全体の増減を長期的に見れば、コストが大きいことをうまく利用して資産拡大につなげるチャンスとなっています。

設置スペースが必要

 太陽光発電は、太陽光を受け取るパネルを設置しなければ発電できません。そのためにはある程度のスペースが必要です。具体的な適用条件は後述します。

 

 ただ、消費電力が大きい場合は、遠隔地に発電所を置き、そこから送電して使う自己託送も可能です。

火事・雷・台風・盗難などの天災・人災

 野ざらしにするため、天災や盗難が起きる可能性は0ではありません。これに関しては、損害保険で100%補償できます。25年にわたり発電し続ける設備ですので、保険をかけることで安心して運用することができますね。

経年劣化や不良などの自然故障

 経年劣化や設備不良などの不具合が生じる可能性は否めません。実際、野立ての太陽光を経営していて、このような事例を見たことがあります。ただし、故障の類に関しては、いずれもメーカー保証がついてきます。太陽光パネルは25年、パワコンは10年となっています。


 投資資金は数年で回収できる例も多く、充分な保証期間といってよいでしょう。

自家消費型太陽光発電所を始めるにあたっての条件

 ご紹介する自家消費型太陽光発電所はいくつかの条件があります。こちらも確認しておきましょう。

屋根などの面積が広くないといけない

 例えば屋根面積は300坪≒1000m2以上が基準となります。


 ある程度の面積が確保できないと、回らないということです。パチンコ店や薬局、スーパーマーケット、工場などが好例です。

間借り、テナントは一棟借りているケース以外は対象外

 ビルの中のテナントとして持っている場合は対象外となります。ただし、丸々一棟借りている場合は例外となります。建物を所有しているか、丸ごと借りていれば対象となるということですね。

横に長い、広い建物

 縦に長いビルは不向きなことがあります。相対的な屋根面積が小さいためです。逆に、横に長いアパートや寮などは向いています。

 

 適用条件に当てはまる物件をお持ちであれば、自家消費型太陽光発電所を設置することが可能ですね。

自家消費型太陽光発電所を設置するにあたって

 それでは、どのような目線で自家消費型太陽光発電所を設置する業者を選べばよいのでしょうか。箇条書きでまとめてみました。

  • 込みこみのコストでコスパが良い
  • 開発実績、設計実績、メンテナンス実績が充実、数千レベルで実績あり
  • 企画から管理、申請代行までワンストップで提案可能
  • 低圧~高圧まで、くせのある屋根も請負経験あり

  実績がしっかりしていて、コストも経産省報告ベースよりも低い費用で対応となると有望なパートナー企業になる可能性があると言ってよいでしょう。

 

 めんどうな手続きなどもしっかりとサポート体制で支えてくれるのも大事です。日々本業で忙しいですからね。また、屋根の老朽化や耐荷重、設置できるスペース難など、きちんとした施工実績が欲しいところです。

自家消費型太陽光発電所のまとめ

 本日は法人向けの自家消費型太陽光発電所のお話でした。


 融資や行政の補助金をうまく活用できれば、資金効率の良い運営が大いに期待できます。自家消費型太陽光発電所は自身の土地を活用することで、従来の事業のキャッシュフローを改善させる効果が期待できるということです。


 条件にマッチする方には、これを機に検討されてみると良いでしょう。

 

 私の友人が業界大手の経営者ですから、シミュレーションなど含めて営業さんから提案できます。ご興味ある方はお問い合わせフォームからご連絡をくださいね。

 

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