安心して投資ができる、恵まれた環境だったのが2016年
2016年は株式投資をしている人にとっては素晴らしい一年だったのではないでしょうか。特に米国株投資を始めた人にとってはそうだったのではないかと思います。その理由は、2つあります。
- ドル安円高局面があり、安くドルを調達できた。
- チャイナショック、ブレグジット、トランプ氏という3大波乱が買場を提供してくれた。
ということです。為替の上下のタイミングもあり、株価が下がる局面もあり、上手く乗れた人も多かったのではないでしょうか。
いつか必ず暴落は来る
ただし、株式投資に暴落はつきもので、これがいつになるか見当がつきません。
※Googleファイナンスから
これは、S&P500の1977年1月から2016年12月までのチャートです。2000年と2007年に1500ポイント近辺に到達し、いずれも叩き落されています。ITバブル崩壊とリーマンショックです。
相場は見事に回復し、今はリーマンショック後の米国、ヨーロッパ、そして日本の金融緩和を受けて初の2000ポイント突破をし、2500ポイントを窺おうかというところです。
このチャートを見て分かるのは、半値程度の下げは相場につきものである、ということです。しかし、分かっていても半値程度の下げというのはなかなか精神的にきついものです。
米国株ではまだ経験がありませんが、私は日本株で2003年とリーマンショック時に半値以上下がる経験をしています。ただ、結果的に同時に資産を大きく伸ばしたのもこの2つの時期でした。持ち株も大きく下げたのですが、投資額がそんなに大きくなかったので、給与から十分に追加投資ができたことと、逆張りが的中したからです。
米国株投資での暴落への備え方
米国株投資で暴落に備えるには、2つのことがあると思っています。
- 普段からドルで資産推移を見ておく
- 追加投資できるキャッシュを用意しておく
この2つが特に重要かと思います。まず、為替の変動を受けると、自分の資産額の変動幅が大きすぎて投資がぶれます。例えばリーマンショック後は株価も半分になりましたが、ドル円も120円から80円近辺まで下がっており、ドルは為替だけで2/3になりました。
市場の変動で株式評価額が半分になり、為替の影響で2/3になったとするならば、かなりの精神的痛手になると思います。長期で持ち続ければ大丈夫、と言い聞かせてもなかなか苦しいものでしょう。
経験上、私は最悪これぐらいの損失を覚悟して投資をしています。今の相場で浮かれて資産を把握したつもりになるのは危険だと言い聞かせています。
また、私はドルでのインカムを持つことを目標にしていますから、普段からドル建てで資産の推移やインカムの推移をみるようにしています。円を気にするのは、税金の支払い時ぐらいです。過度に円建て資産にとらわれないほうが、ぶれない投資ができます。
2の追加投資できるキャッシュの確保は大事です。せっかく安値になったのに、バーゲンセールの株式やETFを買えないのはまさに切歯扼腕です。特に今のような好調相場になると楽しくてついつい買いすぎるものです。
ドルコストならドルコスト、タイミングならタイミングで、グランビルの法則ならグランビル。普段と変わらぬ投資姿勢を堅持することが肝要かと思います。私はキャッシュポジションは10~20%の枠で常にもっています。
関連記事です。時々こうやって、暴落したときのことを想像してまとめることは自分自身の投資を見直すきっかけになります。特に、好調な時ほど暴落時のことを思い出すことが大切ではないでしょうか。
マイナス思考かもしれませんが、こういうマイナス思考によるリスクヘッジは相場を生き抜く投資術として欠かせないと思います。
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グランビルの法則は2016年の相場においては非常によく機能しました。米国株投資にはよく合う手法ですので、知っておいて損はないと思います。