たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

厚生労働省の「婚姻に関する統計」から生き方の多様化が見える

婚姻に関する統計を厚生労働省が出しました。

 厚生労働省が婚姻、つまり結婚に関する調査報告を出しました。「婚姻に関する統計」です。

 

 厚生労働省は毎年人口動態統計を継続して出しています。これは特殊報告として結婚に関する部分に焦点化したということです。ちなみに、今回の「婚姻に関する統計」は平成 18(2006)年度に続いて4回目です。おおよそ10年に1度出しています。

 

 なかなか読み応えがあり、面白いので紹介します。

婚姻数、婚姻率、結婚平均年齢の変化

f:id:tapazou:20170121105403p:plain

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/gaikyo.pdf以下、資料の出所は全て厚生労働省「婚姻に関する統計」から

 

 まず、婚姻件数は綺麗にベビーブームと相関していることが読み取れます。昭和22年前後のピークで団塊世代が生まれ、昭和47年前後のピークで団塊ジュニアが生まれました。

 

 人口減問題は団塊ジュニアが次なる団塊世代を作れなかったことが大きな原因であることは以前に「出生数100万人割れから見える、私たちの未来予想図」で紹介したとおりです。

 

 さて、婚姻数は昭和47年に110万組に達しましたが、その後漸減傾向にあります。平成26年にはおよそ70万組になりました。

 

 唯一漸増、横ばいなのが再婚件数です。中でも、「夫妻とも再婚又はどちらか一方が再婚」の組は27%近くに達しています。かならずしも初婚にこだわらないカップルが増えつつあると言っていいでしょう。

 

 結婚平均年齢は、夫が30.7歳、妻が29歳です。昭和50年(1975年)と比較すると、それぞれ、夫は3歳、妻は5歳ほど晩婚化しています。

 また、かつては夫と妻の年の差は3歳離れていましたが、今は1歳差しかありません。これは男女同権の流れに即したものです。

 

 それに対して、再婚者の平均年齢は夫が46.5 歳、妻は42.7 歳が平均です。もっとも、平均値ですから、初婚に拘らなければ40代、50代で生涯を共にするような出会いがあることをこの数字は証明しているとも言えます。

 

 下図の婚姻率は1000人あたりの婚姻の発生件数です。ピーク時は10以上ありましたが、現在では半分のおよそ5になっています。

f:id:tapazou:20170121112812p:plain

 諸外国も婚姻率低下に伴う少子化、高齢化に悩まされていることがわかります。特にヨーロッパは低く、人口問題の解決を移民に求めた理由がここにあります。アメリカ、シンガポールは人口増加国だけあって、高めの数字を出しています。ちなみにシンガポール株も人口増加、法整備の面から投資有望とされ、人気があります。

 

 言うまでもなく、株式を買うには人口増加国が基本です。私はアメリカ株を選好していますが、シンガポール株の将来性と中国本土との関係性は魅力に思います。

外国人との結婚数から見える男女の配偶者選びの傾向

f:id:tapazou:20170121113611p:plain

 夫が日本人の場合、その妻は中国人やフィリピン人、タイ人が多いです。ただし、この20年でフィリピン人とタイ人が日本人夫の妻になる人数は半分以下に減ってしまいました。日本経済の落ち込みとフィリピン、タイ両国の経済成長が影響しているのでしょう。それでも依然として男性は同じアジア人を多く妻に迎えていることがわかります。

 

 妻が日本人の場合、夫はアメリカ人やイギリス人が多いのが特徴です。これは20年前とあまり変わりません。あと、中南米であるペルーやブラジルの伸びが、数字は少ないながら目立ちます。日本人女性はアジア人だけでなく、幅広く欧米人も夫に選んでいますが、男性に人気のフィリピン人、タイ人が少ないのが目につきます。

 

 この傾向ははっきりと数字に表れています。夫と妻の数が10倍以上違う国もあり、なかなか興味深いデータです。

「婚姻に関する統計」のまとめ

 人生の形がさまざまあるように、結婚の形も多様化していることが分かります。人生90年という現代にあっては、かつての中高年である30歳、40歳、50歳はまだまだ出会いのチャンスがありそうです。

 

 結婚する相手の結婚歴、年齢、国籍にこだわらなければ、出会いの可能性を広げることができるということです。自分のことを差し置いて、相手にばかり要求する視点だと、結婚してからも間違いなく上手くいきません。

 

 一方、あえて出会いを求めないという人生の選択も増えつつあり、それは生涯未婚率の急上昇が表しています。生涯未婚率の推移です。かつては女性のほうが高かった未婚率ですが、昭和60年を境に逆転しています。

f:id:tapazou:20170121121510p:plain

第1-特-20図 生涯未婚率の推移(男女別) | 内閣府男女共同参画局

 女性の1割、男性の2割が生涯において未婚です。これからもこの数字は上昇することとが見込まれています。統計によりますが、35%~25%が生涯未婚になりそうです。自分がどういう生き方を選ぶのか、重要な選択の1つが結婚と言えそうです。

 

関連記事です。

人口減少社会が具体化してきました。

www.americakabu.com

 団塊世代、さらに団塊ジュニアが高齢化したときの社会保障費が問題です。

www.americakabu.com