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失敗の本質―日本軍の組織論的研究

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失敗の本質―日本軍の組織論的研究、それは過去に現在を見るということ

 少々古い本ですが、なかなか現代日本の病巣にも通じる核心的な本ですので紹介したいと思います。30年におよぶベストセラーで、いまだに売れ行きランキングトップレベルです。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

  • 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1991/08
  • メディア: 文庫
  • 購入: 55人 クリック: 1,360回
  • この商品を含むブログ (288件) を見る
 

  Kindle版も出ています。

 

 第二次世界大戦における、陸海軍の意思決定に焦点を当てています。なぜ第二次大戦で負けたのか、組織論的側面から迫る本です。おもしろいのは、歴史学的な側面だけでなく、組織に注目した組織学的側面から分析していることです。

 

 元々の刊行は1984年と古いですが、野中郁次郎氏、寺本義也氏といった経営学、組織学の大家が太平洋戦争について考察を加えているところが他の戦史物とは一線を画しています。歴史学では「過去に現在を見る」ということが言われますが、それを地で行くような書籍と言えるでしょう。

 

 野中郁次郎氏は富士電機に勤務していたことがあります。つまり、実際に組織人として働いたことのある、現場を知る研究者です。経営学にも通じ、組織学会の会長も務めました。寺本義也氏も経営学者です。

なぜ今「失敗の本質」がまた脚光を浴びているのか

 三洋電機、シャープ、東芝といった日本を代表する企業がバタバタと活力を失っています。「次は私の会社でないか。」、「私の属する組織も他人事ではない。」そう考える人が増えても不思議ではありません。あれだけの大企業、実績を残した企業でさえたちどころに経営危機に陥ることが証明されてしまったからです。

 

 そうした不透明な現代社会を生きる中で、過去に現在を見ようとする流れがあります。そして、中国、ロシアという大国を相手に立て続けに勝った日本軍が、なぜたった数十年で組織的にあそこまで硬直化し、敗戦に突き進んだのか。

 

 あるいは、明治の元勲の残した日清日露の成果と、明治維新以後に育った軍人たちの連戦連敗ぶりの差は何なのか。その答えとヒントが本書には書かれています。

軍隊というのは本来上意下達を至上とする独特の組織

 軍隊というのは本来は命令が絶対で、上意下達を至上とします。意思決定を素早く的確に行わないと、部隊の生死にかかわるからです。しかし、日本軍の場合は中国大陸を担当とする関東軍と参謀本部・陸軍省、つまり内地の陸軍本部の戦略に行き違いがしばしばありました。

 

 その最たるものは張作霖爆殺事件や満州事変だったわけですが、陸軍本部はそれを後追いで追認し、事件関係者は責任を取るどころか出世街道を歩むという不思議な人事が見られました。

 

 結局、陸軍内部での皇道派と統制派の派閥争いが歴史に残る事件の責任以上に人事に大きく影響したということです。

 

 そのため、総括なき組織として、現場と本部の戦略の行き違いが太平洋戦争中も一貫して見られました。

6つの作戦に見られるそれぞれの敗因

 本書、「失敗の本質」では特にノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦に着目して組織論的側面から断罪しています。戦史に詳しい人にとっては語りつくされた感がありますが、ざっくり触れておきます。

  • ノモンハン。歩兵突撃戦術が全くソ連軍戦車の火力に敵わなかった反省のなさ。

  • ミッドウェー。雷装、爆装にみられる戦略・戦術のぶれ。慢心。

  • ガダルカナル。逐次戦力投入の当然の失敗とソロモン海戦での不利。

  • インパール。作戦担当者にみられる異常に楽観的な精神論。

  • レイテ海戦。栗田艦隊反転に見られる作戦立案者と実行者の意思不統一。

  • 沖縄戦。持久戦に意思統一するまでの紆余曲折、現場の第32軍と大本営との戦略思想の齟齬。

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」がそのまま当てはまります。

 陸軍においては日露戦争の銃剣突撃を始めとする精神主義、海軍においては巨艦巨砲あるいは航空至上主義、というそれぞれの成功体験をベースとした作戦立案が終戦まで続きます。

私たち日本人の本質的気質とも言える

 過去の成功体験への固執、コミュニケーション不足による本部と現場の方針のぶれ、自己変革のできない気遣い体質は今に通じるものです。

 

 これは私たち日本人が個よりも集団の空気を尊重し合って生きてきたことと無縁ではありません。そういう意味では、「失敗の本質」で説かれている内容というのは今の時代も通じるものです。

 

 本書の主張は、すべての会社人、組織人が納得できる部分があるでしょう。しかし、組織を変えるというのは圧倒的な力を持つ創業者や管理職、あるいは広く支持される変人でしか成し得ません。分かっていてもできないのです。

 

 近現代史における日本の変革は明治維新と第二次大戦の敗戦がありました。この2つに並ぶような大きな外圧か挫折が日本にあるならば、その時こそ新たな飛躍のきっかけになるのかもしれません。変わらざるを得ない環境だからです。

 

 繰り返しますが、組織を変えることはできません。また、多くの人にとっては変えようとするその労力に見合った対価を得られるとも思いません。

 

 しかし、自分を変えることは簡単にできます。そして、迫りくるリスクに備えることもできます。そう考えて私は米国株投資をしています。「失敗の本質」で指摘される組織の問題は現代日本においても何ら変わらないと思っているからです。

 

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