史上最強の脱力系幸福論
キャッチコピーによると日本一有名なニート?なんでしょうか。
そのpha氏の本を紹介します。
私はこういうニート系の本もなかなか好きでして、時々目を通します。噂には聞いていましたが、やはり脱力ぶりがすごいです。なかなかできない生き方を実践されている方だと改めて思いました。
世間の同調圧力に屈せず、自分の価値観を具体に昇華させる行動力は簡単にまねできる力ではありません。ギークハウスという自分の居場所ともいえるシェアハウスを主宰し、思いを書籍化されているあたり、phaさんの非凡さが垣間見えます。
phaさんの思いとしてはまず前提に、「働きたくない」ということがあります。そのために氏は支出を抑えて、消費を抑えて暮らしています。というか、仙人のような境地であまり物欲がないみたいですね。
最近自分の周りを見ても、ニュースを見ても、生きるのがつらそうな人が多いなと思う。会社でうまく働けなくてつらい、薄給なのに仕事がキツくてつらい、職が見つからなくてつらい、(中略)
この社会では、なんでこんなにみんなしんどそうなんだろうか?
という問いかけから始まります。そして、
そもそも、日本はなんだかんだ言っても世界の中では金銭的に裕福で恵まれているほうだと思う。
それなのにこんなに生きるのがつらい人が多いのはなんでなんだろうか。
と、解決策は金銭ではないと主張します。
具体的には何を持たないことで幸せになれるのか
ズバリ、家族を持たないことだそうです。家族を持つということは責任を持つということですから、そういう考え方もあるのかもしれません。
また、お金に縛られることも否定されています。お金を得るためには労働が必要です。そして、労働には多くの時間を割かなくてはいけないことも事実です。時間を取るか、お金を取るか、両方取れたら幸せですが、なかなかそういう人はいませんよね。
人生観の多様化を受け入れていかないと、幸福を得られる人が今後ほとんどいなくなる
私がphaさんに共感するのは自分なりの幸福論を具体化されているからです。
「働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない」という主張、そして何を求めるかと言えば、「居場所」ということです。
居場所とは平たく言うと、「気の合う人とゆるくつながっていける場所」ということです。そのために主宰するギークハウスというシェアハウスがあるのですね。猫を飼ったり、一日ゲームしたり、寝たりしてみなさんと過ごしているようです。
phaさんのブログを読んでいて気づくのは、正面からその考えを否定するコメントが散見されることです。「なぜがんばらないんだ」「なぜ働かないんだ」と。それも一理あるのかもしれませんね。現に私も頑張って働いていますし。
しかし、私は今後日本で幸せに生きていくには、貧困を受け入れることが必要だと思っています。貧困まで行かなくても、ヨーロッパの一部がすでにそうであるように、中進国化していくことを受け入れていくことが必要だと思うのです。
中進国化するならば、「がんばること」「ぎりぎりまで追い込んで働くこと」で得られるはずの対価が今よりもっと得にくいことになります。
例えば就職氷河期時代を経験した人たちは、学生時代に勉強してきて積み上げたものが報われなかった就職活動を経てきているのではないでしょうか。
そして今は努力しても報われない職場環境を経験しているのではないでしょうか。
もちろん、全員がそうではありませんが、その数は増え続けていると実感します。
すでに努力の対価を得られない社会になりつつあるのです。
ですから、今後は「ゆるく人とつながること」でもなんでも、自分たちなりに揺るぎない幸福論をイメージし、具現していくことが大切だと思います。そうでないと、幸せというものが一生味わえないままです。
これは本当に残念なことですが、努力しても無駄なことというのは厳然として社会には存在するのです。
これからもいろいろな幸福論に触れたいです。そして、誰に強制されることもなく、誰に強制することもなく、自分なりの幸福論を見つけ、実践したいと私は願っています。
米国株投資により経済的な自由も得られたら幸せですが、それにはもうちょっと頑張って働き、原資を追加する必要がありそうです。
持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎文庫)
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