たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

ニッセイ外国株式インデックスファンドと米国ETFのVTI

ニッセイ外国株式インデックスファンドは最も人気ある投信の1つ

 ニッセイ外国株式インデックスファンドはおよそ0.109%という投信にしては低い信託報酬とその分散性で人気があります。

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データ | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド|投資信託のニッセイアセットマネジメント

 設定来の歴史が浅いのですが、たった3年でおよそ1.4倍にもなっているのは注目されてよいでしょう。分配金を出さず、再投資をしています。そのため、国内の税金分に関してはそのまま複利の効果を享受できるということになります。

 

MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。原則として、対円での為替ヘッジは行いません。

 

 とうたっています。MSCIコクサイ・インデックスというのは、MSCIワールドから日本を除いたもので、先進国22か国に投資をしています。

 

 時価総額に応じた投資をしていますので、アメリカへの投資がもっとも大きく、5割を超えます。多くの先進国への投資をしたいということであれば、有力な選択肢になってきます。

VTIはバンガードの旗艦ETF

 VTIはバンガードの旗艦ETFです。ETF3大運用会社はブラックロック、バンガード、ステートストリートの3社です。ブラックロックとステートストリートの運用する最も大きなETFはS&P500連動ETFである、IVVとSPYです。

 

 バンガードのみがVTI、CRSP USトータル・マーケット・インデックスをベンチマークにするETFが一番売れているということになります。

 

 VTIは弊ブログでもたびたび取り上げてきましたが、北米一本の投資、しかも成熟株から成長株までカバーするETFということでおすすめ1位のETFです。

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 ニッセイ外国株式インデックスファンドの設定来とまったく同じ期間、2013年12月からのリターンです。36.77%のリターンになっています。ただし、これは分配金含まずですので、これだけ見るとリターンとしてはややVTIのほうが優れていた程度ということになります。

 

 VTIの分配金を含むリターンはこちらになっています。

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Backtest Portfolio Asset Allocation

 およそ1.9倍です。VTIは意外にしっかりとした分配金を出しますので、このような結果になります。ただし、このままだと日本での課税分が比較できません。ただ、ここまで差がつくと、それを割り引いてもVTIのほうが結果は良いでしょう。

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 こちらはMSCIコクサイのETFであるTOKの分配金込のリターンです。これも日本での課税を加味していません。およそ1.6倍です。

 

 ETFは低信託報酬に強みがあります。ニッセイ外国株式インデックスファンドとVTIの信託報酬の差は0.07%程度です。

 

 投信は分配金を出さない限り、日本国内の税金を利益確定まで払わなくて済むという強みがあります。こうしたことを踏まえて、ご質問を紹介します。

ニッセイ外国株式インデックスファンドとVTIはどちらが良いのか

たぱぞう様 


 初心者にも分かりやすく取り組みやすい内容の更新でいつもいつも勉強させていただいています!


 現在たぱぞう様のおすすめ海外ETF(VTI)購入を検討中です。海外投信の配当の再投資に手数料がかからず複利効果を得られる点より信託報酬の経費メリットが大きいケースが多いという認識で良いでしょうか。

 

 昨年からNISAで投信を120万全額で購入しています。
現在保有:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

NISAでETFにする場合は、1回の配当額も少額なため何年か配当がたまったら再投資したく、また配当が分配される時に税金がひかれる事を考えると私の場合は投信が良いのでしょうか。

 

ネット上にも投信の複利に関する記述は見つけられず・・・(元本割れする期間もあるため複利計算のシュミレーションをだすのが難しいかと思いますが)


分かりにくい文面で恐縮ですが、お考えをお聞かせください。
よろしくお願い致します。

ニッセイ外国株式インデックスファンドよりVTIが優れているのか

 ご質問ありがとうございます。

 結論から言うと、税制面での不利を差し引いてもVTIが優れていると私は思っています。ニッセイ外国株式インデックスファンドは、低成長の先進国を含むからです。

 

 しかし、世界経済への分散が効いているという意味のおいてはMSCIコクサイのほうが優れているということになります。

 

 ただ、私は結局米国のリターンが一番大きい、そして今後もヨーロッパや日本などの他の先進国に劣後することは無いという結論です。また、リーマンショック時を見ても落ち込みが少なく、回復が早いのは米国です。だからと言って、

 

 「じゃあ、VTIを選好すればよいじゃないか」

 

 とするのは早計で、この両者のベンチマークはねらうところが北米集中投資と先進国分散投資と分かれています。ですから、アメリカ一本がよいのか、先進国分散が良いのか、これは各人の投資への考え方次第ということになります。

 

 また、過去のチャートは未来を保証するものではないですから、そのあたりも考慮に入れたいところです。いずれにせよ、どちらも優れた商品であることには変わりありません。

 

 ただ、ダイワのifreeシリーズでS&P500連動の商品がリリースされました。まだ運用額は小さいですが、今後日本人の海外投資の主力級に育つ可能性を秘めています。低信託報酬、好ベンチマークだからです。

 

 投信はかつては全く魅力がありませんでしたが、昨今良い商品が増えてきましたから、今後も引き続いて期待されてよいと思います。楽天証券ではこのVTIを投信にして販売、iDeCoで積み立てられるようにしていますね。

 

関連記事です。

 ちなみに、これらの商品はネット証券で買うのがベストです。低コストで他の商品を買う際にも便利です。ネット証券の比較に関しては関連記事のこちらをご覧ください。

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  VTIについての記事です。弊ブログを立ち上げようと思ったきっかけです。「誰に勧めても大丈夫」という確信があったからです。こういう確信のある商品というのはそうは多くありません。

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  ウェルスナビはVTIを柱に、金や債券をトッピングした投資をします。いわば、米国ETFを柱としたラップ口座のようなものです。投資に興味がないならば、信託報酬を払って積み立てていくというのもありでしょう。

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