Facebook【FB】の銘柄分析。収益力の高さが魅力のSNS界の巨人。
Facebook【FB】は起業者であるマーク・ザッカーバーグ氏とエドゥアルド・サベリン氏がハーバード大学在学中に作成した学内交流サイトが元になっています。
現在もCEOであるマークザッカーバーグ氏が有名ですが、サベリン氏も5%の株を持つ創業者、大株主です。
この設立前夜のストーリーは映画「ソーシャルネットワーク」で映画化もされましたね。その後、順調に発展し、月間アクティブユーザー数(MAUs)は世界でおよそ24億人を数えます。今となっては、複数のソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)を運営する世界最大の企業です。
世界人口が75億人前後であることを考えると、かなりのシェアです。以前ほどの勢いはないものの、それでも四半期ごとに2000万~5000万アカウントが増加し続けています。
単なるSNSというよりも、オンラインサロンや情報共有のサークル活動などで活用されることも多く、プラットフォームとしての存在感もありますね。
米国を代表するIT企業であり、GAFAの一角です。特徴的なのが売り上げです。売り上げのほとんどが広告です。AmazonやAppleが多角的な収益を実現しているのに対し、FacebookとGoogleは広告収入が多いですね。しかし、GoogleもFacebookほど極端ではありません。
ユーザー数に対してアジアやその他地域の売り上げは少なめです。成熟傾向にある北米ではマネタイズも上手くいっており、売り上げに占める割合は大きいですね。逆に、今割合的に小さな地域では伸びしろがありそうです。特にインドは北米に次ぐ利用者数を記録しており、可能性があります。
また、ザッカーバーグ氏は、Facebookのみに依存することなく、買収も積極的です。
- 2012年 Instagram
- 2014年 WhatsApp
- 2014年 Oculus
これらのM&Aは特に有名ですね。InstagramはFacebookよりも若い層に訴求力があります。Oculusは苦戦していますが、InstagramとWhatsAppはFacebookファミリーとして業績好調です。
Facebookの脅威はFacebook以上のSNSプラットフォームが登場することです。しかし、M&Aも含めて今のところ死角は見当たりませんね。
Facebook【FB】の株価とチャート
続いて株価とチャートを見てみましょう。
2012年の上場時は31ドルでしたが、2019年には200ドル近辺まで上昇しています。成長株というよりもすっかり大型株になってきました。近年成功したIPO株の1つと言えるでしょう。
直近では2018年末に125ドルまで調整しましたが、急回復を遂げています。Facebookはアナリスト評価が割れがちで、弱気筋と強気筋が混在します。弱気は120ドルから強気は300ドル近辺まで、適正とする株価はそれぞれ分かれます。
売り上げ成長率の鈍化はやや気になるものの、200ドルはやや割安傾向にあるように見えます。前回決算が良かっただけに、今度の決算を見極めたいところです。
Facebook【FB】の基礎データ
それでは、続いてFacebook【FB】の基礎データを見てみましょう。2012年5月にNY証券取引所に上場しています。
Facebook【FB】の売り上げと利益
早速売り上げと利益を見てみましょう。
大変好調な売上推移と利益ですね。売り上げ利益率は常時40%から50%の間にあり、高い収益率であることが確認できます。粗利率でも70%を切ることはなく、80%を近年では超えてきていますね。これらの数字から、競合企業の少ない、強みある企業であることが分かります。
Facebook【FB】のBPSとEPS
続いてBPSとEPSを見てみましょう。
こちらも非常によく伸びています。EPSは10ドルに満たない7ドル半ばというところです。しかし、この7年で15倍近くにまで成長しています。直近のPEレシオで約30倍というところです。この伸びしろの大きさがアナリスト評価の分かれる所以ですね。
Facebook【FB】のキャッシュフロー
つづいてキャッシュフローです。
キャッシュフローは潤沢ではありますが、以外に投資CFも多い印象ですね。Facebookは研究開発費を経費の20%程度常に出し続けています。また、販管費もそれなりにかかっています。IT業界は競争も激しいので、築き上げた経済的な堀をさらに広げるためにもそれなりの支出はこれからもあるでしょう。
とはいえ、圧倒的な営業CFではあります。
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同様に高収益で知られるVISAの記事です。会社の歴史はVISA【V】のほうが古いですが、ビジネスモデルが非常に優れており、高収益です。ライバルであるマスターカードも同様に高収益企業となっています。
マークザッカーバーグ氏は長者番付や経営者ランキングでほとんど必ずと言っていいほどランクインしてきますね。経営者ランキングでもやはりランクインしています。
今まではIT系のセクターにカテゴライズされていましたが、Facebookは直近のセクター改編でコミュニケーションセクターに分類されました。その影響で、電気通信セクターが消失しています。