パワーポイントを使った、誰でもできる基本話術
人前で話すにはちょっとしたコツがありますね。先日、東京・有楽町と大阪・梅田で米国株セミナーを行いました。普段の語る会のような30名規模ではなく、2倍3倍近くの規模でしたね。
個人的には、一方的にお話するよりもファシリテーションで「話しやすい場づくり」を作るほうに最近は面白みを感じています。ただ、どこか企業さんに呼ばれて行う場合は前者であることが圧倒的に多いです。
そういう意味では、最低限の自分なりの「誰でもできる基本話術」を持っておくと良いです。ブロガーとしても、投資家としても活動の幅が広がるからです。
ちなみに私は数十人から数百人規模でのセミナーを経験しました。経験は少なくないほうだと思います。
一時期は一流セミナー講師を目指した時代もありました。しかし、残念ながら才能がないので早々に挫折しました(笑)
私はすべてにおいて2流・3流なのです。しかし、己を知り相手を知れば百戦危うからずです。2流・3流なりのやりかたがありますから、ゆるくやればよいですね。無理しないことです。つまり、誰でもできる話術を身に着ける、これだけです。
ある一定のレベル以上を目指そうとすると、努力よりも才能に左右される部分が大きくなります。私はセミナーの才能もありませんので、そこそこのコツをつかんで満足しました。
それはサッカーや野球などでもそうでしょう。プロになるか。嗜み程度にするか。セミナーもそうなのです。ここでは才能が無くてもできる、アマチュア向けの「誰でもできるセミナー術」をご紹介します。
「人前でのお話が苦手だな」という人向けに書いてみたいと思います。
人前でお話するときには特に「自分の言葉」を大事にする
まず、自分の言葉で語っていくことが大事ですね。対象に対する思いが無いと、話に力が入りません。対象のことを良く調べ、こだわりのようなものをもつのが最初の一歩ですね。
こだわりがあれば、話が少々下手でも聞いてもらえます。ですから、一番大事なのは「お話をする題材への知識と理解、なにより思い」ということになります。
例えば、セミナー講師の練習をみっちりやる人がいます。これはあくまで表面的な対症療法です。あまりに経験が少ない場合は功を奏する場合もありますが、私はあまりオススメしません。3つの理由があります。
- 人前で話すのが面倒になる
- 何かを読み上げるような話し方になる
- 時間を気にしすぎる
なぜそうなるのか。以下、説明を加えていきます。
練習をすると人前で話すのが面倒になる
講師と練習をセットにすると、次第に面倒になります。講師をするのが大ごとになり、時間がかかるからです。もっと気軽に場数を踏んだほうがいいでしょう。最初は誰でも下手なのです。
さらにいうと、上手下手というのは実はあまり成果に関係ありません。思いが伝われば十分なのです。
・・・十分ではないかもしれませんが、それぐらい割り切ってしまうのです(笑)
私は練習というのを一切しません。したことがありません。もっと他に大事なことがあると思っています。仕事でもなんでもそうです。労力のわりに成果が出ないことはズバッと切り捨ててしまうのです。
繰り返しますが、大事なのは講師をする題材に対するこだわりです。ただし。1流を目指す人は別です。練習はしたほうがいいでしょう(笑)
何かを読み上げるような話し方になる
練習が中途半端だと、何かを読み上げているような感じになり、聞いていてつまらなくなります。その場の雰囲気に応じた面白いことが言えなくなるからです。練習と研鑽を重ねて暗記するぐらいになれば別です。しかし、労力がかかりすぎます。
最低限何を話すかだけをざっくり決めておき、その場で思ったことを心から語ったほうが下手でも伝わりやすいです。場の空気を読みつつ、臨機応変に対応したほうがいいです。
例えば、眠そうだったらみんなで立って何かを読むとか、隣同士で意見交換をしてみるとか、変化を加えるのです。その場に応じた活動を組み込むだけでかなり変わります。一方的に練習通りに講師をすると、その場に応じたアクティビティが選択できません。
大事なのはその場に応じた臨機応変さ、「その場の力」なのです。急がば回れというのは真実です。どの仕事でもその場で対応できる仕事術を身に着けるのが最短距離なのです。人前で話すことを意識しすぎて自然さが無くなるとよくありません。
進行を気にしすぎてしまう
意外かもしれませんが進行は二の次です。お客さんによって聞いてもらえる内容と、そうでない内容があります。同じ内容でも、お客さんによって反応が違うのです。年齢でも違いますし、土地柄でも違います。
慣れてくるとある程度予測可能ですが、それでも100%予測は難しいです。ですから、その場の雰囲気に応じて、突っ込んで説明を加えるところ。そうでない、飛ばしてしまうところ。それを決める場面が出てきます。
場合によってはすべてを消化できなくても構わないのです。無理して消化せずとも、思いがあれば一定の評価は得られます。時間を気にしすぎないことです。
もっとも、終わりの時間は大事です。お客さん全員にご満足いただけることは稀です。ですから、「長いなー」と思っている人を早く解放してあげたほうが良いです。言い足りなくても、スパッと切り上げて時間を守ることですね。
人前で話すときに使うパワーポイントの作り方
パワポは適当にネットでテンプレを探してきて、テキストと図を貼って終わりです。パワポ作りに時間をかける人もいます。しかし、好きならばともかくあまり時間をかけなくても大丈夫です。
ただ、ざっくりとしたコツがあるのでご紹介します。
1枚3分で計算する
おおよそ1枚3分で計算するといいでしょう。60分のセミナーであれば、20枚が目安になります。「早く終わったらどうしよう、不安だな」という場合は5枚程度足しておけば安心です。
早めに終わった場合でも、質疑の時間を設ければよいので、気にしすぎることはありません。
図を中心に言葉で補っていく
文字情報は基本的には多用しません。視覚に訴えるのがパワポの良いところです。図を入れ込み、図を言葉で補っていくという意識で作ります。忘れそうなポイントは、直接テキストで補ってしまえばラクです。備忘録、メモ代わりに使うのです。
箇条書きで補っても良いでしょう。いずれにせよ、自分が思いを持つ、語りやすい図・テキストをパシパシ貼っていきます。
とにかくシンプル、機能に凝りすぎない
アニメーションなどもありますが、凝りすぎないことですね。逆に飽きます。ある程度統一感があったほうが疲れません。意識してシンプルに仕上げることですね。アニメーションは基本的に無いほうが見やすいというのは知っておいて良いでしょう。
がんばるところはそこではないのです。
場の雰囲気に飲まれないために
人前で話すときのコツをつかんでいないと、雰囲気に飲まれます。雰囲気に飲まれている人というのはすぐに分かります。目線が泳いでおり、声に張りがなく、落ち着きが無いからです。逆に言うと、この3つを気を付ければ堂々としているように見えます。
- 目線を意識する
- 声に張りを持たせる
- 落ち着きがあるようにみせる
これは本質では無くテクニカルです。本質ではありませんが、知っておくと引き出しが増えます。以下、説明を加えます。
目線を意識する
大勢の人前で話すときの目線は決まっています。会場を四角とした場合、会場の隅から隅までZ字やS字に見回すのです。話しながら、意識して見回します。そうしないと資料に目を落としたり、前のほうのうなずく人ばかり見たりすることになります。
会場の隅から隅まで、意識して目線を配ることです。そうすることで、会場の雰囲気に飲まれず、逆に自分のペースで話すことができます。テクニカルでは目線が一番大事です。上手くいくと、逆に自分が会場を飲むぐらいの雰囲気を作れるようになります。
声に張りを持たせる
たぱぞうは声が大きいので、地声でも良いぐらいです。しかし、実は日常会話は低い、小さな声です。セミナー時にお腹の底から声を出すように意識した結果、人前では自然と大きな声で話せるようになりました。
マイクの持ち方でも多少カバーできます。カラオケと一緒で、きちんと収音するところに当てないと響いてくれません。逆に、私の場合はずらさないと響きすぎて迷惑になります。会場の響きを自ら聞きながら調節して話せると良いですね。
人前で落ち着きがあるように見せるには
落ち着きがあるように見せるのは簡単です。動かなければよいのです。落ち着きなく右往左往してしまう人は、一度すべての動きを止めて話してみましょう。それだけで印象がかなり変わります。
慣れないと、無駄な動きや無駄なしゃべりが増えます。不安だからです。最小の動き、最小の喋りを意識します。ただ、これはどこかで不自然ですから、慣れてきたところでだんだんと本来の自分を出せばよいですね。
そうすれば、自然体でどこでも話しているように見えるようになります。
誰でもできる基本話術のまとめ
一番大事なのは「思い」です。こだわりの分野であれば、話が少々下手でも聞いていただけるものです。実績がついてきていればなおさらです。
ついついテクニカルな部分を練習しがちですが、それは知識として知っておいても損は無いですが、本質ではありません。
これらを意識するだけでもかなり変わると思います。興味のある人は試してみてくださいね。もし、セミナーやイベントに誘われることがあれば、どんどん参加すればよいと思います。きっと世界が広がりますよ。
私のような3流でもなんとか務まりますから、コツさえつかめば乗り切れますよ。
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1流になるには才能が必要です。しかし、才能が備わっている人はわずかです。残念ながら、私には1流と呼べる才能は何ひとつありませんでした。でも、十分です。2流・3流で良いのです。2流・3流なりの生き方があるのです。
こちらは皆さんで話し合うタイプの会ですね。
第一回目の様子です。