たぱぞうの米国株投資

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ドローダウン30%、40%、50%の世界はこうなる

米国市場は11年ぶりの20%以上のドローダウン、弱気相場入り

 2020年2月中頃まで好調だった米国株式市場です。その後、突如として崩れ、たった1か月で最高値からおよそ30%の下落に見舞われました。VIX指数はすでに80ポイントを一時的に超え、リーマンショック時の数字に並びました。

 

 ただし、リーマンショックの時にはもう少し下がり方がゆっくりしたものでした。一か月で30%もの下落というのはなかなかなく、私たちは稀有な体験を共有していると言えそうです。

ドローダウン30%、40%、50%の世界はこうなる。

 さて、今日は読み物的にドローダウンの世界を覗いてみたいと思います。常々、「半値になっても良い株を買う」ということを申してきましたが、実際に下がってくると平常心を保つのが難しいケースもありますね。

 

 10%で慌て始め、20%ではかなり嫌な気分に、30%では見たくもなくなるかもしれません。40%、50%になると、さてどうでしょうか。しかし、普段から適切な資金管理をしていれば、一時的にしろ資金を投入、株式の比率を上げても良いかもしれませんね。

 

 最初にS&P500のドローダウンから見てみましょう。いずれも、直近の高値からの計算になります。

S&P500の20%~50%のドローダウン

  • 20% 3386→2786
  • 30% 3386→2370
  • 40% 3386→2031
  • 50% 3386→1693

 すでに30%のドローダウンは経ていますね。長らく2600ポイントがサポートラインでしたが、全く意味をなさず、あっさり底抜けています。こうなると、テクニカルはほとんど関係なくなり、暴騰、暴落が落ち着くのを待つのみです。

 

 ファンダメンタルズは多少は参考にされますが、今後数字は下振れますし、基本は需給が大きな要因になりますね。そのため、数字が行き過ぎるのです。

VTIの20%~50%のドローダウン

  • 20% 172ドル→137ドル
  • 30% 172ドル→120ドル
  • 40% 172ドル→103ドル
  • 50% 172ドル→86ドル

 VTIも、3月16日のダウ3000ドル安の日に30%ドローダウンを経ました。さすがに50%の86ドルというのはちょっと考えにくいですが、どうでしょうか。何事も決めつけず、半値になっても退場しない投資というのは大事ですけどね。

VOOの20%~50%のドローダウン

  • 20%311ドル→248ドル
  • 30%311ドル→217ドル
  • 40%311ドル→186ドル
  • 50%311ドル→155ドル

 S&P500ETFであるVOOもすでに30%のドローダウンを経ています。3月16日のダウ3000ドル安は強烈でしたね。S&P500連動のETFなので当たり前なのですが、参考までに載せています。

QQQの20%~50%のドローダウン

20%237ドル→189ドル
30%237ドル→165ドル
40%237ドル→142ドル
50%237ドル→118ドル

 NASDAQ100連動のQQQは実はまだ辛うじて30%を割れていません。今回の暴落で分かったのは、ハイテクはすでに過去のような不確実性の高いセクターではなくなったということですね。トータルな株式指数よりもむしろ底堅さを示しており、産業構造の変化を感じさせます。

 

 石油、運輸、航空、カジノ、ホテル、リゾート、金融、こういったセクターが大ダメージを受けていますから、トータルな株式指数よりも下げ幅が小さくなりましたね。

1655の20%~50%のドローダウン

20%2698円→2158円
30%2698円→1888円
40%2698円→1618円
50%2698円→1349円

 こちらは最近たぱぞうのお気に入りである1655ですね。こちらは為替も入るのでしばしば1888円を切る場面がありました。今後、40%、50%に到達することはあるのでしょうか。

30%を超えるドローダウンを示した米国市場

30%を超えるドローダウンを示した米国市場

 ひとまず、30%を切った時点で、長期資金で手を付けていなかったものを投入しています。もちろん、40、50%でも投入することでしょう。事前に決めたルールに従い、淡々と資金投入をします。

私たちは特別な相場を共有している。Buy American. I Am.

 さて、単純な高値からのドローダウンでしたが、大体の世界が見えたのではないでしょうか。30%-50%の世界はそれなりに重みがありますね。

 

 いつか来るといわれていた暴落ですが、ようやく来た感があります。ただ、今回は為替の暴落、円高を伴っていないので比較的ダメージは小さいのではないでしょうか。リーマンショック時は株式相場のドローダウンが40%、円建てだと60%のドローダウンがありました。

 

 海外投資がリスキーであると認識された理由がここにあります。

 

 もっとも、たとえ50%、60%の暴落となっても、退場せずに済むような投資計画が肝要ですね。目の前の暴落、暴騰で市場を占うのは無理があります。長い目で、淡々とマーケットと付き合っていけばよいのです。

 

 Buy American. I Am. 私も買っています。

 

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  実績の乏しいIPO銘柄は大型株以上に大きな値動きになっていますね。昨年上場の中では、数少ない黒字上場だったZMが健闘しています。コロナショックでも影響を受けにくい業態というのも追い風ですね。

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  売りから入れるのがCFDの1つの強みですね。米国株は個別株の信用売りができるところが日系証券ではほとんどありません。CFDを使った売りが一般的になります。ただし、急騰急落を繰り返していますから、リスク管理が大事ですね。

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  S&P500は4年以上連続してマイナスだったことがありません。3年以上の連続マイナスは第二次世界大戦後1度だけありました。それがITバブル崩壊です。リーマンショックは回復も早かったですが、じりじりとした下げは厳しいですね。

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