たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

日経平均が21年ぶりの高値を付けたことによせて

日経平均が21年ぶりに高値を付けた

 日経平均が21年ぶりに高値を付けました。今でこそ私は米国株のみ取引をしていて、全く日本株を触っていません。しかし、株式を始めた2000年から2010年は日本株を中心に取引をしていました。

 

 その後、2014年に完全に米国株に軸足を移すまでの間、トータルでおよそ15年ほど日本株のトレードをしていたことになります。そのころはキャピタルゲインを狙った投資をしていました。

 

 株は難しい、元本を大きく減らすこともある。こういう見方がまだまだ世間には多いです。それは一面では事実で、2000年代の相場環境の悪さはそういうネガティブな見方を裏付けるものでした。

 

 その日経平均が21年ぶりに高値を付けるということですから、ようやく日本の株式市場も良い方向に再び向かい始めているのかもしれません。ただ、過去のチャートを見ると、楽観的になり切れない面もあります。

失われた20年の株価推移

 バブル崩壊以後のTOPIXのチャートです。日経平均は銘柄の入れ替えが比較的激しいのでここではあえてTOPIXを使ってみます。

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※チャートは日本証券取引所グループから

 

 バブル崩壊後にボックス相場を描いていることが分かります。そして、比較的大きなボラティリティを経てきたことが分かります。この相場の波にうまく乗れた人、つまり売りも買いも乗れた人は、大きな資産を築くことができたことでしょう。

 

 私は2000年のTOPIXの山に相場に参入し、2003年の底を経験しました。その後、2005年の山や2009年のリーマンショックも経ています。TOPIXという大きな指数で2倍以上のボラティリティがあったわけです。

 

 こういう中で資産を減らさないどころか増やせたのは運が大きく左右したと言えるでしょう。

 

 バブル崩壊後はきれいに1700付近に天井があることがわかります。それに対して下は700前後です。この振れ幅はこの20年で徐々に大きくなってきています。

 

 特に下値が切り下がっているのに対して、天井はさほど変わらないのは注目されてよいでしょう。

 

 TOPIXの2016年の谷間はチャイナショックです。この落ち込みは日本だけに限らず、本丸の中国を始め、中国と関係の深いオーストラリア、それから米国にも波及しました。

米国株、S&P500のチャートとの比較

 米国株、S&P500チャートとの比較をしてみます。よく知られるNYダウではないのは、やはり銘柄の入れ替えが激しいからです。S&P500もなかなか激しいのですが、まあいいでしょう。

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 1991年時点でのS&P500は330ほどでした。それに対してTOPIXはおよそ1800です。

 

1991年 TOPIX=1800 S&P500=330

2001年 TOPIX=1300 S&P500=1500

2017年 TOPIX=1700 S&P500=2550

 

 こういう値動きの違いがあります。ここでいくつか押さえておきたいことがあります。

  1. 1991年時点でS&P500とTOPIXの指数の差はおよそ7倍あった
  2. S&P500は2000年前後のITバブル時を超えるのにおよそ13年かかっている
  3. 2003年と2009年の谷間は両指数とも同じだが、谷の深さが違う

 こういうことです。

 

 1991年ごろの日本は不況が忍び寄ってはいましたが、まだまだバブルの余韻があり、ここまで長期に低迷するとは予想されていませんでした。そして米国と日本の両指数の差は7倍もありました。

 

 一見するとS&P500のほうが優れた指数に見えますが、それでもS&P500がITバブル時の高値を超えるには13年もかかっています。これがナスダック総合指数だともっと長い期間になります。相場が熱くなりすぎると、良い指数であっても取り返すのに時間がかかることを示唆しています。

 

 本当にどうしようもない相場だったのが2000年代であり、それは日米ともにそうだったと言えるでしょう。しかし、谷間がより深かったのは日本です。メジャーな株式指数であるTOPIXが半分以下になっているのです。

 

 ITバブルにしても、リーマンショックにしても本丸はアメリカです。

 

 しかし、それ以上に日本が大きく下げたというのは記憶されてよいでしょう。その傾向は2016年のチャイナショックでもそうで、TOPIXが400ポイントほど下げているのに対し、S&P500は長期チャート上は影響は軽いと言ってよいレベルです。

日米両国の市場の特徴を押さえて相場に取り組む

 日米両国の相場は違いがあります。まとめます。

  1. 売り買い両方取れる技量があるならば日本株が良い
  2. 買い中心ならば米国株が良い

 今までの傾向からこういうことが言えます。日本株がプロ向き相場というのはこういうことです。

 

 ただし、過去は過去です。大きく状況が変わっているのは、日銀のETF買い入れや年金買い入れです。これが下値を支えることになっていますから、この影響を見極める必要はあります。

 

 私は日本株をやっていたころは売りもやっていました。しかし米国株ではやっていません。買いのみです。しかもボラティリティに期待をせず、インカム重視で投資をしていますから、楽なものです。

 

 自分が相場に求めるものと、相場の特質を押さえて投資をするというのが良い結果を生む、それは万人に通じることですね。

 

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